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Bill Hughesの1979年のアルバム『Dream Master』。
Bill Hughes / Dream Master (1979年)
Bill Hughes(Billie Hughes)はテキサス生まれのシンガー・ソングライター。大学時代にLazarusというソフト・ロック系のグループを結成し、PP&M(Peter, Paul & Mary)のPeter Yarrowに見出されて、71年と73年に2枚のアルバムを出している。その後、77年にLazarusを解散してソロとなり、カナダのCBSと契約してリリースしたアルバムが本作。

日本では当時、本作とDick St. Nicklausの『』が関西地区限定という珍しい方法で発売され、すぐに反響を呼んで全国展開が図られている。

全曲がBill Hughesの作で、憂いを帯びたメロディがほのぼのとした郷愁を誘う。アコースティックを基調とするサウンドは繊細で美しく、Bill Hughesの優しいヴォーカルがとてもロマンティックに響く。

「Stealin' My Heart Away」の哀愁のメロディは、他のAOR系の作品にはない独特のものである。「Waiting For You To Fly」「Quiet Moment」「Catch Me Smilin'」などのアコースティック・ナンバーの心地よさも格別。華美な演出を極力抑えて、素材の良さで聴かせる。

Bill Hughesの声には独特の温もりと透明感があり、情感を込めた丁寧な歌い方は優しさに溢れている。それに合わせるように、演奏の方もソフトで優しい。Jay Graydon(g), Jeff Porcaro(ds), Ernie Watts(sax)等、参加ミュージシャンはとても豪華だが、自らの技ではなく、曲の良さを引き出すことに腕をふるっているようだ。

ただ「Only Your Heart Can Say」では、後半に盲目のギタリストのJose Feliciano(ホセ・フェリシアーノ)がアコースティックとエレキの両方のギターで入魂のソロを披露しており、聴きどころ。

Billのセカンド・アルバムは12年後の『』(91年, Billie Hughes名義)で、おそらく日本のみのリリース。タイトル曲「とどかぬ想い」は、テレビ・ドラマ『もう誰も愛さない』(出演: 吉田栄作、山口智子ほか)の主題歌として使われ、オリコン・チャートの3位となるヒットを記録した。その後、Billは98年に50歳という若さで他界している。

Billが率いたLazarusの71年のファースト・アルバム『』は、ワーナーの「AOR BEST SELECTION 1300」シリーズから昨年10月に日本(世界?)初CD化されており、お薦め。

●収録曲
1. Stealin' My Heart Away - 3:38
2. Dreams Come True - 3:29
3. Waiting For You To Fly - 3:31
4. Only Love - 3:00
5. Lower Lights - 2:54
6. Gypsy Lady - 3:42
7. Quiet Moment - 2:53
8. Catch Me Smilin' - 3:57
9. Only Your Heart Can Say - 3:36
10. Dream Master - 3:29


◆プロデュース: Henry Lewy, Bill Hughes(vo, ag), Dale Jacobs

◆参加ミュージシャン: Jose Feliciano(g, bv), Jay Graydon/Mitch Holder(g), Victor Feldman(k, per), Mike Melvoin(k), Wilton Felder/Mike Porcaro(b), Jeff Porcaro/Russ Kunkel(ds), Ernie Watts(sax), Renee Armand(bv), etc

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2017/07/01 17:35 AOR名盤(1979年) TB(0) CM(0)
Jimmy Messina(Jim Messina)の1979年のアルバム『Oasis』。
Jimmy Messina / Oasis (1979年)
Jim Messinaはカリフォルニア生まれのミュージシャン。60年代の終わりからBuffalo Springfield、Poco、Loggins and Messinaのメンバーとして活動し、76年にソロに転向した。曲作りはもちろん、ベース、ギター、ヴォーカルをこなし、またエンジニアやプロデュースも手がけるというマルチな才能の持ち主である。

Buffalo Springfieldでは68年のラスト・アルバム『』の制作にメンバーとして加わり、ベースとヴォーカル、プロデュースを担当。Pocoでは結成メンバーの1人としてリード・ギターとヴォーカルを担当し、69年のファースト『』と70年のセカンド『』の2枚のアルバムに参加、プロデュースも担当した。Kenny Logginsとのデュオ、Loggins and Messinaの活動は比較的長く、71年の『』から76年の『』まで、6枚のスタジオ・アルバムを残している。

本作はJim Messinaの最初のソロ・アルバム。共作も含めて全曲がJimのオリジナルである。

トロピカル・サウンドの「New And Different Way」、ファンキーでグルーヴィーな「Do You Want To Dance」、とろけるようにメロウな「Seeing You」、軽快なソウル・ナンバーの「Free To Be Me」、ジャジーでアコースティックな「Talk To Me」と、サウンドの表情は豊か。どの曲にもポップで良質なメロディがあり、ラテン・フュージョンのような味わいのある洒落た演奏も心地よい。

特に「Seeing You」は最高。避暑地の昼下がりのまどろみのような極上の癒しがある。

Jim Messinaのギターの腕はかなりのもの。パキパキとしたエレキにも涼やかなアコギにも、アルバム・タイトルやジャケットのような南国の雰囲気が漂う。歌も上手く、爽やかさと艶っぽさの両方を備えた声でどの曲も器用に歌いこなす。

ちなみに、本作でキーボードを担当したJim Studerは、のちに歌手の飯島真理さん結婚して双子の男の子を授かった(88年に結婚、99年に離婚)。

AORの夏の定盤である本作のCDは、ソニーの「AOR CITY 1000」シリーズから昨年7月に再発されている。また、Jim Messinaの在籍したPocoは89年にオリジナル・メンバーでリユニオンするが、そのアルバム『』のCDも同じシリーズから今年8月に再発される。

●収録曲
1. New And Different Way - 3:55
2. Do You Want To Dance - 5:10
3. Seeing You (For The First Time) - 5:56
4. Free To Be Me - 2:55
5. Talk To Me - 2:28
6. Love Is Here - 4:59
7. Waitin' On You - 3:18
8. (Is This) Lovin' You Lady - 5:04
9. The Magic Of Love - 7:22


◆プロデュース: Jimmy Messina(vo, g)

◆参加ミュージシャン: Jim Studer(k, bv), Wayne Nelson(b, bv), Tony Moreno(ds, per), Jeff Elliott(tp, tb, flugelhorn), Craig Thomas(sax, flute, bv)

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2017/06/29 18:36 AOR名盤(1979年) TB(0) CM(0)
J.D. Southerの1979年のアルバム『You're Only Lonely』。
J.D. Souther / You're Only Lonely (1979年)
J.D. Southerはウェストコースト・ロック・シーンで活躍したシンガー・ソングライター。Glenn Freyとのフォーク・デュオ「Longbranch Pennywhistle」や、Chris Hillman, Richie Furayと組んだ「The Souther, Hillman, Furay Band」での活動のほか、Linda RonstadtやThe Eaglesの活動を支えたことで知られる。

ソロとしては1972年にアルバム『John David Souther』でデビューし、これまでに8枚ほどのソロ・アルバムを制作している。本作はJ.D. Southerの代表作として挙げられるサード・アルバム。

自らプロデュースを担当し、収録曲に関しても「Fifteen Bucks」以外を自作。2曲(3, 5)では、親交の深いGlenn Freyと共作している。

甘く切ないタイトル曲「You're Only Lonely」は、しみじみとした郷愁を誘う名曲。Roy Orbisonへのオマージュといわれており、Jackson BrowneやEaglesのメンバーの優しいコーラスに包まれて、J.D. Southerが伸びやかなファルセットを交えて歌う。この曲はBillboard Pop Singlesチャートの7位(ACチャートでは1位)となる大ヒットを記録し、J.D. Southerにとって唯一のTop10ヒットとなった。

ちなみに、中山美穂と織田裕二が主演した1991年の邦画『波の数だけ抱きしめて』でも、甘く切ないシーンでこの曲が使われている。

Glenn Freyと共作した「The Last in Love」も、メロディの切なさが心の深いところに沁み入る。Nicolette Larsonの78年のデビュー作『Nicolette Larson / 愛しのニコレット』では、ラストでこの曲が歌われた。

Phil Everlyとデュエットした「White Rhythm and Blues」も穏やかなスロー・ソング。こちらは、Linda Ronstadtの78年のアルバム『Living In The U.S.A. / ミス・アメリカ』でカヴァーされた。

「Songs of Love」もイノセントなバラード。アップ・テンポな明るい曲もあるが、どうもこの人の良さが出ない。スローな曲をしっとりと歌う時の色気が魅力的で、そういう曲にばかり聴き入ってしまう。

フロント・カヴァーではJ.D. Southerがポケットに手を入れてうつむく。この意味はバック・カヴァーを見ると分かる。ポケットから出した手には部屋のキーらしきものが握られており、"Well, The sun is a sinkin' and people start thinkin' at twilight ..." のメッセージ。女性を部屋に誘うところらしい。

●収録曲
1. You're Only Lonely - 3:47
2. If You Don't Want My Love - 4:20
3. The Last in Love - 3:41
4. White Rhythm and Blues - 4:40
5. 'Til the Bars Burn Down - 4:42
6. The Moon Just Turned Blue - 2:06
7. Songs of Love - 4:20
8. Fifteen Bucks - 3:24
9. Trouble in Paradise - 4:25


◆プロデュース: J.D. Souther(vo, g)

◆参加ミュージシャン: Waddy Wachtel(g, bv), Danny Kortchmar/Dan Dugmore/Don Felder/Fred Tackett(g), Don Grolnick(p), Jai Winding(k), Kenny Edwards(b, bv), Rick Marotta(ds), David Sanborn(sax), John Sebastian(harp), Tom Scott(sax), Glenn Frey/Don Henley/Jackson Browne/Phil Everly/Jorge Calderon(bv), etc

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2017/06/23 18:27 AOR名盤(1979年) TB(0) CM(0)
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※写真はBobby Caldwellの1978年のアルバム『Bobby Caldwell

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