音楽は心の糧、生活のサプリメント。洋楽を中心に極上の音楽との生活を綴ります。

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Bill LaBountyの1982年のアルバム『Bill LaBounty / サンシャイン・メモリー』。
Bill LaBounty / Bill LaBounty (1982年)
Bill LaBountyは癒し系のAORを代表するミュージシャン。切ないが温もりのあるメロディ。丁寧で心のこもった歌声。さり気なく洗練されたアレンジ。疲れた時や気分が塞ぐ時に癒しと潤いを与えてくれる大切なアーティストだ。

Billは70年代初期にFat Chanceというグループに在籍し、Steve Eaton等と活動を共にした。72年に1枚のアルバムを残してグループは解散し、ソロとなったBillは75年にファースト・アルバム『Promised Love』、78年に2作目『This Night Won't Last Forever / 涙は今夜だけ』、79年に3作目『』をリリースしている。

本作は、Bill LaBountyを代表する4作目。モノクロのジャケットの枯れた感じからは想像もできないような、豊かな実りのある音楽を聴くことができる。ジャケットの眼差しを見ていると、楽しいことも辛いことも全て受け入れる強さと覚悟が伝わってくるようだ。この味わい深い表情を撮影したのは著名な写真家のNorman Seeff。

ポップス・スタンダードとなった1曲目の「Livin' It Up」は、Bill LaBountyとBarry Mann=Cynthia Weil夫妻による共作。「Nobody's Fool」の作者も同じ顔ぶれだ。

残りもBillと他のライターによる共作で、共作者はRoy Freeland(2, 4, 5, 6, 8, 10)、Stephen Geyer(3)、Kathy Wakefield=Cynthia Weil(7)となっている。

どの曲もメロディが良く、Billの歌声が優しい。アレンジや演奏にも優しさが感じられ、1曲1曲を聴き進むごとにしみじみとした感動がこみ上げてくる。Steve Lukather、Jeff Porcaro、Steve Gadd、David Sanborn、James Taylor等、一流のミュージシャンが参加し、その穏やかな演奏や優しいコーラスも感動もの。全てがスペシャルに思える。

発売当時の国内盤のタイトルは『サンシャイン・メモリー』になり、それに合わせるようにジャケットもプールサイドの少年のデザインに差し替えられた。何だか残念な演出だ。

自分がAORの素晴らしさを知り、広く深く聴くきっかけとなったアルバム。このアルバムが大好きだという人は多いのではないかと思う。ソニーの「AOR CITY 1000」シリーズから昨年8月にCDが再発されており、お薦め。今年8月には同じシリーズから、79年のサード・アルバム『』のCDも再発される。

●収録曲
1. Livin' It Up - 4:20
2. Didn't Want To Say Goodbye / さよならは言えなくて - 2:47
3. Dream On / 見果てぬ夢 - 4:20
4. Slow Fade - 4:14
5. Comin' Back - 3:43
6. Look Who's Lonely Now / メランコリーの妙薬 - 3:54
7. Never Gonna Look Back / 愛するふたり - 3:12
8. It Used To Be Me / 追憶のソナタ - 4:10
9. Nobody's Fool - 3:28
10. Secrets - 3:48


◆プロデュース: Russ Titleman(per)

◆参加ミュージシャン: Bill LaBounty(vo, k), Steve Lukather/Dean Parks(g), Greg Phillinganes/Clarence McDonald(k), Ian Underwood(sy), Willie Weeks/Chuck Rainey(b), Steve Gadd/Jeff Porcaro/Andy Newmark(ds), Lenny Castro(per), David Sanborn(sax), Jerry Hey(tp), James Taylor/Stephen Bishop/Leslie Smith/Patti Austin/Jennifer Warnes(bv), Nick DeCaro(string ar), etc

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2017/07/05 18:18 AOR名盤(1982年) TB(0) CM(0)
Larry Leeの1982年のアルバム『Marooned / ロンリー・フリーウェイ』。
Larry Lee / Marooned (ロンリー・フリーウェイ) (1982年)
Larry Leeは米カントリー・ロック・グループのThe Ozark Mountain Daredevils(O.M.D.)の元メンバー。1972年のバンド結成からドラマーやソングライターとして活躍し、82年にバンドを離れた。O.M.D.の最大のヒットとなった「Jackie Blue」(75年, 米3位)はLarryの手がけた曲だ。

本作はLarry Leeの唯一のソロ・アルバム。カラフルなイラストの爽やかなジャケットは鈴木英人氏によるデザインで、日本盤向けに制作されたもの。夏、若者、ドライヴといったイメージを見事に演出している。オリジナルのジャケットはLarry本人を写したシックなデザインで、季節でいうと秋を感じさせる。
Larry Lee / Marooned (オリジナル・フロント・カヴァー)
音の方はポップで爽やかなAORで、日本盤のジャケットに合う。Larryは6曲(3, 5, 6, 8, 9, 10)を書いており、このうち2曲(9, 10)はO.M.D.で一緒だったSteve Cashとの共作だ。

「Waiting To Let Go」や「Number One Girl / 君はナンバー・ワ ン」の爽やかなメロディは、Paul Davisの作る柑橘系の曲を思わせる。ほど良く甘くてフレッシュなLarryのヴォーカルも魅力的。

ポップで明るい「Don't Talk / ロンリー・フリーウェイ」は日本盤のタイトルになり、91年の邦画『波の数だけ抱きしめて』にも使われた。

「Only Seventeen」「Just Another Girlfriend」のようなポップ過ぎる曲を聴くと、80年代という感じがする。「Only Seventeen」は英国人ソングライターのAlan Tarneyの作で、女性シンガーのBarbara Dicksonが前年のアルバム『You Know It's Me』で歌った。

ラストの「Hang On」はクール・ダウン用の渋いナンバー。メロディがほろ苦く、エレピの優しい音色とギターの乾いたカッティングが気持ちいい。

本作以降は再びフォーク/カントリー・シーンへと戻ったようで、2000年以降は元O.M.D.のRandle ChowningとBeyond Reachというユニットを組み、2005年、11年、14年にアルバムを出している。82年の本作は、そうしたLarryの歩みにおける異色作かも知れないが、時流に乗ったというレベルを超えた眩さがある。

●収録曲
1. Waiting To Let Go - 4:24
2. Don't Talk / ロンリー・フリーウェイ - 3:19
3. Marooned / ひとりぼっちのアフタヌーン - 5:01
4. The Best Is Yet To Come / 乾いた季節 - 3:05
5. Number One Girl / 君はナンバー・ワン - 3:34
6. Satisfaction Guaranteed (I Could Give You Love) / サティスファクション - 3:19
7. Only Seventeen - 4:04
8. Hollywood / 哀しみハリウッド - 4:58
9. Just Another Girlfriend / アナザー・ガールフレンド - 3:14
10. Hang On - 3:49


◆プロデュース: John Ryan

◆参加ミュージシャン: Jon Goin(g), Nicky Hopkins(k), Gabriel Katona(sy), David Hungate(b), Mike Baird(ds), Lenny Castro(per), David Sanborn(sax), Bill Champlin/Tom Kelly/Richard Page/Rick Danko/Rosemary Butler(bv), etc

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2017/07/04 16:23 AOR名盤(1982年) TB(0) CM(3)
Greg Guidryの1982年のアルバム『Over The Line』。
Greg Guidry / Over The Line (1982年)
Greg Guidryはアメリカのシンガー・ソングライター。翳りのある渋いメロディを紡ぐ優れたメロディ・メイカーでもある。Guidry家は音楽ファミリーであり、Gregはその長男。デビュー・アルバムの本作には長女のSandra(Sandy)、二女Susanの夫のDenny Henson、三女のCathy、次男のRandyが参加し、ファミリー総出でバック・ヴォーカルを務めている。

共作も含めて全曲がGreg Guidryの作で、メロディの良さにぐっと心を掴まれるような曲が多い。

特に1曲目の「Goin' Down / ラストタイム・ラヴ」は名曲。Gregの渋い歌声も魅力的で、泣きのメロディにとても良く合う。この曲はファースト・シングルになり、Billboard Hot 100チャートの17位、ACチャートでは11位を記録するヒットとなった。

間奏の情熱的なギター・ソロは、この年にWhite HeartのメンバーとしてデビューするDann Huff。本作は、まだ22歳という若きDann Huffの名演を存分に味わえるアルバムでもある。

「Show Me Your Love」「Gotta Have More Love / 愛の焔」「(I'm) Givin' It Up / 君に別れのくちづけを」「Are You Ready For Love / 待ちこがれて」も、Gregの泣きのメロディが冴える曲。「愛の焔」はClimax Blues Bandの80年のアルバム『』の収録曲(全米47位)のセルフ・カヴァーで、「待ちこがれて」はRobbie Dupreeの81年のアルバム『』に提供した曲だ。

最後の3曲は姉のSandyとの共作。「Into My Love」では二人でデュエットし、Sandyのキュートな歌声がアルバムに華を添える。ラストの「Darlin' It's You」の曲調は、Steely Danの『Aja / 彩(エイジャ)』(77年)に収録された「Josie」を思わせる。最後まで、クールで渋い。

2000年にも『』『』の2枚のアルバムをリリースするが、2003年に49歳の若さで他界した(自死とされている)。きっと、細やかで優しい人柄だったのだろう。

●収録曲
1. Goin' Down / ラストタイム・ラヴ - 3:44
2. (That's) How Long / 愛のメニューを - 3:30
3. Show Me Your Love - 4:11
4. If Love Doesn't Find Us / 午後のためらい - 2:58
5. Gotta Have More Love / 愛の焔 - 3:43
6. Over The Line - 3:00
7. (I'm) Givin' It Up / 君に別れのくちづけを - 3:20
8. Are You Ready For Love / 待ちこがれて - 3:18
9. Into My Love - 3:11
10. Darlin' It's You - 2:39


◆プロデュース: John Ryan, Greg Guidry(vo, k)

◆参加ミュージシャン: Sandy Guidry(vo), Dann Huff(g), Phil Naish(k), Gabriel Katona(sy), David Hungate/Gary Lunn(b), James Stroud/Mark Hammond(ds), Bobby LaKind(per), David Sanborn(sax), Denny Henson(bv), etc

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2017/07/03 19:30 AOR名盤(1982年) TB(0) CM(0)
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