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Billy Joelの1980年のアルバム『Glass Houses / グラス・ハウス』。
Billy Joel / Glass House (1980年)
Billy Joelはアメリカを代表するシンガー・ソングライター。1971年のデビュー作『』以来、カヴァー曲も共作曲もない生粋のシンガー・ソングライター路線を貫き、77年のアルバム『The Stranger』で遂に大ブレイクすると、同作と78年の『52nd Street / ニューヨーク52番街』が連続してグラミーを受賞する誉れを得た。

本作は『52nd Street』に続く通算7作目。Billy Joelの80年代最初のアルバムである。前2作の大成功により、ピアノ・マンや街角の吟遊詩人と形容されるようなクールなシンガー・ソングライター路線に満足したのかも知れない。あるいは80年代を意識したのかも知れない。本作では方向性を変え、ロックン・ローラーのBillyを楽しんでいる。

本作も当然のように全曲がBillyの作詞・作曲。シリアスな曲は少なくなり、メロディの良さを純粋に楽しめる曲が揃っている。多くのゲスト・プレイヤーを起用した前作とは対照的に、Billyのレギュラー・バンドによる演奏になっており、皆が肩の力を抜いて自分たちの演奏を楽しんでいるようだ。

「It's Still Rock and Roll to Me / ロックンロールが最高さ」はBillboard Hot 100チャートにおいて初の1位を記録。「You May Be Right / ガラスのニューヨーク」も7位、「Don't Ask Me Why」は19位(ACチャートでは1位)をマークした。アルバムも前作に続いてBillboard 200チャートの1位を獲得し、81年のグラミー賞では「Best Rock Vocal Performance - Male」を受賞。連続して3回目のグラミー受賞となった。

中にはピアノの連打で始まる「All For Leyna / レイナ」のような従来のBillyらしい曲もあり、私はこの曲が大好きだが、これも重みと厚みのあるロックになっている。

Glass Housesというタイトルは "People who live in glass houses shouldn't throw stones" (ガラスの家に住む者は石を投げてはならない)という諺に由来する。自分も破片で傷つくからだが、「他人に害を与えれば、必ず自分にかえってくる」という意味らしい。

フロント・カヴァーでガラスの家に石を投げる革ジャンの男はロックン・ローラーのBillyだろう。バック・カヴァーでは割れたガラスの向こうから、ネクタイにジャケット姿の従来のBillyが挑発的な眼差しを向ける。
Billy Joel / Glass Houses (バック・カヴァー)
ガラスの家に石を投げたBillyは、特段そのしっぺ返しを食らっていない。本作以降も割とスタイルを変えながら、内容・セールスともに充実したアルバムを作っている。

●収録曲
1. You May Be Right / ガラスのニューヨーク - 4:14
2. Sometimes A Fantasy / 真夜中のラブコール - 3:14
3. Don't Ask Me Why - 3:00
4. It's Still Rock And Roll To Me / ロックンロールが最高さ - 2:58
5. All For Leyna / レイナ - 4:13
6. I Don't Want To Be Alone / 孤独のマンハッタン - 3:56
7. Sleeping With The Television On / チャンスに賭けろ - 3:02
8. C'Etait Toi (You Were The One) / 愛の面影(セテ・トワ) - 3:25
9. Close To The Borderline / ボーダーライン - 3:46
10. Through The Long Night / ロング・ナイト - 2:44


◆プロデュース: Phil Ramone

◆参加ミュージシャン: Billy Joel(k, sy, harmonica, ag, vo), David Brown(g), Richie Cannata(sax, k, flute), Liberty DeVitto(ds, per), Russell Javors(g), Doug Stegmeyer(b)

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2017/07/19 19:04 Rock / Pops名盤(80年代) TB(0) CM(2)
Santanaの1982年のアルバム『Shango』。
Santana / Shango
Santanaは、ギタリストのCarlos Santana率いるロック・バンド。1966年のバンド結成から半世紀以上も活動を続けており、在籍したミュージシャンは延べ70名を超え、ロック史に巨大な活動の足跡を残している。

本作は80年代に入って出された2枚目のアルバム。
Santanaはラテン・ロックをベースに時流を捉えたアルバム作りをしており、本作はややポップス寄りの前作『Zebop!』の流れを継いでいる。前作ではヴォーカル曲とインスト曲が8対4のバランスであったが、本作ではインスト曲を2曲(5, 10)に減らし、より一層ポップス指向となっている。

ヴォーカル曲のうち4曲(2, 3, 4, 8)は他のアーティストの作。
「Hold On」はIan Thomas作で、Ian Thomasの81年のアルバム『Runner』の収録曲。「Night Hunting TIme」はPaul Brady作で、Paul Bradyの81年のアルバム『Hard Station』からのカヴァー。「Nowhere To Run」はRuss Ballardの書き下ろし。そして、「What Does It Take (To Win Your Love)」は、Jr. Walker & The All Starsの68年のヒット曲だ。

このうち、Ian Thomasの「Hold On」とRuss Ballard作の「Nowhere To Run」がBillboard Hot 100にチャート・インし、それぞれ15位と66位を記録した。

曲によってプロデューサーが異なり、Eaglesのプロデュースで有名なBill Szymczykが2曲(1, 9)を、John Ryanが3曲(2, 4, 8)を、残りをCarlos Santanaが担当している。また、Carlos担当のうち3曲(3, 5, 6)は、Gregg Rolieとの共同プロデュースだ。Gregg Rolieは元Santanaのキーボード兼リード・ヴォーカル担当であり、Neal Schonと一緒にSantanaを抜けてJourneyを結成した。

哀愁漂う「Hold On」は、Santanaの80年代最大のヒット曲である。また、Adult ContemporaryチャートにSantanaとして初めてチャート・イン(34位)した記念すべき曲でもある。Carlosのギターを除けば、Ian Thomasの原曲にとても忠実なアレンジだが、Santanaのカヴァー・バージョンの方がはるかに良い。Carlosの泣きのギターが如何に曲の良さを引き立てているかが良く分かる。

Gregg Rolieはインスト曲「Nueva York」でオルガンを弾いている。「Black Magic Woman」のような濃厚なリズムの曲だ。彼は、昨年にリリースされたSantanaの最新作『Santana IV』において、Neal Schon等と共に久々にSantanaに復帰。Santanaは98年に、Journeyは2017年にロックの殿堂入りをしているので、Greggはロックの殿堂入りを2度経験したと言っても良いだろう。

●収録曲
1. The Nile - 4:54
2. Hold On - 4:24
3. Night Hunting Time - 4:42
4. Nowhere To Run - 3:58
5. Nueva York - 4:57
6. Oxun (Oshún) - 4:12
7. Body Surfing - 4:25
8. What Does It Take (To Win Your Love) - 3:24
9. Let Me Inside - 3:31
10. Warrior - 4:21
11. Shango - 1:41


◆プロデュース: Bill Szymczyk, John Ryan, Carlos Santana(g), Gregg Rolie(organ)

◆参加ミュージシャン: Alex Ligertwood(vo), Richard Baker(k), David Margen(b), Graham Lear(ds), Armando Peraza/Raul Rekow/Orestes Vilató(per), etc

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2017/03/30 15:24 Rock / Pops名盤(80年代) TB(0) CM(0)
Santanaの1981年のアルバム『Zebop!』。
Santana / Zebop!
Santanaは、ギタリストのCarlos Santana率いるロック・バンド。1966年にサン・フランシスコで結成され、現在に至るまで半世紀以上も活動を続けている。Carlos Santana以外のメンバーは入れ替わるため、在籍メンバーは延べ70名を超えており、大勢のSantana卒業生を輩出している。

本作は80年代に入って最初に出されたアルバム。
Santanaはラテン・ロックをベースにしつつも年代によってアルバムの質感を変えており、本作の楽曲はややポップス寄り。一方、Carlosのギターは割とハードで重たい音を出しており、サウンドはロック色が強い。

収録された12曲のうち8曲はヴォーカル曲で、その半分(1, 5, 6, 8)は他者の曲を取り上げている。
「Cahnges」はCat Stevens作で、71年のアルバム『Teaser and the Firecat』からのカヴァー。「Over And Over」はRick Meyersの書き下ろし。「Winning」はRuss Ballard作で、76年のアルバム『Winning』の収録曲。「The Sensitive Kind」はJ.J.Cale作で、79年のアルバム『5』からのカヴァーである。

このうち、Russ Ballard作の「Winning」はBillboard Hot 100チャートの17位をマークし、久し振りにTop 20にチャート・イン。また、「The Sensitive Kind」も56位に到達し、アルバム自体もBillboard 200チャートの9位を記録した。

Carlosのギターを存分に味わえるインストゥルメンタル曲は、「Primera Invasion」「Tales Of Kilimanjaro / キリマンジャロの伝説」「American Gypsy」「I Love You Much Too Much / 哀愁の旅路」の4曲。

「キリマンジャロの伝説」は名盤『Caravanserai』を彷彿とさせるミステリアスなナンバーだ。また「哀愁の旅路」は、邦題から想像できるように「哀愁のヨーロッパ」風。Carlosの官能的なギターを聴くことができる。

なお、個人的には哀愁漂うブルース・ナンバー「Brightest Star」におけるCarlosのギターが一番良い。

このアルバムは、昨年8月のソニー「AOR CITY 1000」シリーズの1枚に選ばれている。AORというカテゴリーの日本における許容範囲が広いということだが、Carlosが知ったら驚くかも知れない。

●収録曲
1. Changes - 4:28
2. E Papa Ré - 4:33
3. Primera Invasion - 2:08
4. Searchin' - 3:55
5. Over And Over - 4:49
6. Winning - 4:11
7. Tales Of Kilimanjaro / キリマンジャロの伝説 - 3:25
8. The Sensitive Kind - 3:33
9. American Gypsy - 3:37
10. I Love You Much Too Much / 哀愁の旅路 - 4:43
11. Brightest Star - 4:50
12. Hannibal - 3:43


◆プロデュース: Bill Graham, Carlos Santana(g), Keith Olsen

◆参加ミュージシャン: Alex Ligertwood(vo), Alan Pasqua/Richard Baker(k), David Margen(b), Graham Lear(ds), Orestes Vilato/Armando Peraza/Raul Rekow(per), Chris Solberg(bv), etc

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2017/03/29 18:21 Rock / Pops名盤(80年代) TB(0) CM(0)
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