音楽は心の糧、生活のサプリメント。洋楽を中心に極上の音楽との生活を綴ります。

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TOTOの1979年のアルバム『Hydra』。
TOTO / Hydra
TOTOは、腕のあるセッション・ミュージシャンたちが作ったロック・バンド。メンバーのDavid Paich(k), Jeff Porcaro(ds), David Hungate(b), Steve Lukather(g), Steve Porcaro(k), Bobby Kimball(vo)のそれぞれがスター・セッション・プレイヤーであり、Steely DanやThe Doobie Brothers、Boz Scaggs等、幅広いアーティスト達のツアーとレコーディングを支えた。

彼らがバンドを組んだのは、Boz Scaggsの76年のアルバム『Silk Degrees』のレコーディングにPaich, Jeff, Hungateの3人が集まったのがきっかけとされている。そこに、Lukather, Steve, Kimballが加わり、TOTOがスタートした。

本作『Hydra』は彼らのセカンド・アルバム。78年のデビュー作『TOTO / 宇宙の騎士』は、ロック、ソウル、フュージョンの要素をセンス良く融合したAORの名盤で、「Hold The Line」というTop10ヒット(Billboard Hot 100チャートの5位)も生まれ、セールス面で大きな成功を収めた。ただ、ロック・バンドのアルバムとして見たときに、"バンド感" が薄い印象を受ける。

それと比べると、この『Hydra』はロック・バンドのアルバムになっている。バンドらしいアルバムを作りたいという彼らの思いが表れているようだ。

収録曲の半分、「Hydra」「St. George and the Dragon」「All Us Boys」「White Sister」の4曲は、重厚でハードな演奏を繰り広げるロック・ナンバー。ロック色が強いところがこのアルバムの特徴だ。

特にタイトル曲「Hydra」は格調高い曲で、美しい構成とドラマティックな演奏はプログレッシヴ・ロック的ですらある。Jeff Porcaroのドラムスにも凄みがあり、TOTOの中でも最もヘヴィーな演奏を聴くことができる。


続く「St. George and the Dragon」のサウンドも重量級。イントロは躍動感のあるピアノと引き締まったJeffのドラムスで始まり、そこからキレのある怒涛の演奏になだれ込む。嬉々として演奏にのめり込む姿が浮かぶような入魂の音を聴くと、彼らはこういう音楽をやりたくてバンドを組んだのだな、と思う。


バラード系も素晴らしい。「99」は、Lukatherのロマンティックな歌声を聴ける名バラード。本作からのファースト・シングルとなり、Billboard Hot 100チャートの26位をマークした。ラストの「A Secret Love」もメロディが綺麗な曲。Kimballの歌声は、Lukather以上にロマンティックだ。

その「A Secret Love」はSteve Porcaro主体で書かれているが、それ以外はPaichの作/共作。リード・ヴォーカルに関しては、Paichが3曲(1, 4, 5)、Kimballが4曲(2, 6, 7, 8)、Lukatherが1曲(3)を担当している。

驚くことにヴォーカル以外は一発録りらしく、そこにプロの演奏家としてのプライドを感じる。彼らが裏方ではなく、自信と誇りをもって表舞台に立ったことが分かる名盤だ。

●収録曲
1. Hydra - 7:31
2. St. George and the Dragon - 4:45
3. 99 - 5:16
4. Lorraine - 4:46
5. All Us Boys - 5:03
6. Mama - 5:14
7. White Sister - 5:39
8. A Secret Love - 3:07


◆プロデュース: Tom Knox, Reggie Fisher, TOTO

◆参加ミュージシャン: Bobby Kimball(vo), Steve Lukather(g, vo), David Paich(k, vo), David Hungate(b), Jeff Porcaro(ds, per), Steve Porcaro(k)
with Michael Boddicker(k), Roger Linn(sy), Lenny Castro(per), Marty Paich(string ar)

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2017/04/25 16:50 Rock / Pops名盤(70年代) TB(0) CM(0)
Jimmy Webbの1977年のアルバム『El Mirage』。
Jimmy Webb / El Mirage
Jimmy Webbは、アメリカのポップス・シーンを代表する名ソングライター。Glen CampbellやArt Garfunkelを始めとする多くのアーティストがJimmy Webbの曲を歌っており、1986年にはソングライターの殿堂入りを果たした。

Jimmy Webbはシンガー・ソングライターとしてアルバム制作も行っており、本作は6枚目のアルバム。The Beatlesのプロデューサーとして有名なGeorge Martinが、本作のプロデュースを担当した。

収録曲は、ギタリストのFred Tackettが書いた「Dance to the Radio」を除いてJimmy Webbのオリジナル。Jimmy Webbらしいロマンティシズム溢れる曲が揃っている。

特に、「The Highwayman」「P.F. Sloan」「The Moon Is A Harsh Mistress」の3曲は、多くのアーティストに愛された名曲。

苦い味わいの「The Highwayman」は、Glen Campbellの79年のアルバム『Highwayman』でカヴァーされた他、85年にはJohnny Cash, Waylon Jennings, Willie Nelson, Kris Kristoffersonの4人が結成したカントリー界のスーパー・グループ「The Highwaymen」のデビュー作でもカヴァーされ、Billboardカントリー・チャートの1位を記録。これにより、翌86年のグラミー賞では、Jimmy Webbが「Best Country Song」を受賞した。

「P.F. Sloan」は、The Associationの71年のアルバム『Stop Your Motor』や、Jennifer Warnesの72年のアルバム『Jennifer』で歌われたポップな曲。珍しいところでは、英国のバンドUnicornも、71年のデビュー作『Uphill All The Way』でこの曲を歌っている。

切なく優しいメロディが心に沁みる「The Moon Is a Harsh Mistress / 月はいじわる」は、アメリカの作家、Robert A. Heinleinの同名のSF小説(邦題は『月は無慈悲な夜の女王』)のタイトルから取ったもの。Joe Cockerが74年のアルバム『I Can Stand A Little Rain』で、Judy Collinsが75年のアルバム『Judith / ジュディの宝物』で歌ったのを始め、現在に至るまで多くのアーティストが取り上げた名曲だ。


本作はまた、ジャケットの写真が美しい。この写真は、写真家でありフォーク・ミュージシャンでもあるHenry Diltzが撮ったもの。湖なのか海なのか、朝日なのか夕日なのかも分からないが、轍のあるひび割れた大地に立つJimmy Webbが凛々しい。

●収録曲
1. The Highwayman - 3:44
2. If You See Me Getting Smaller I'm Leaving - 3:50
3. Mixed-Up Guy - 3:36
4. Christiaan No - 3:05
5. Moment In A Shadow - 3:36
6. Sugarbird - 3:23
7. Where The Universes Are - 3:31
8. P.F. Sloan - 4:14
9. Dance To The Radio - 3:02
10. The Moon Is A Harsh Mistress / 月はいじわる - 3:03
11. Skylark (A Meditation) - 3:36


◆プロデュース: George Martin(ar, k, sy)

◆参加ミュージシャン: Jimmy Webb(vo, k), David Paich(k, sy), Fred Tackett/Dean Parks(g), Lowell George(slide g), Herb Pedersen(banjo, g, bv), David Hungate/Larry Knechtel/Dee Murray(b), Harvey Mason, Sr.(per), Nigel Olsson/Jim Gordon(ds), Kenny Loggins/Billy Davis/George Hawkins(vo), Sherlie Matthews/Susan Webb/Clydie King(bv)

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2017/04/17 15:43 Rock / Pops名盤(70年代) TB(0) CM(2)
The Souther, Hillman, Furay Bandの1974年のアルバム『The Souther, Hillman, Furay Band』。
The Souther, Hillman, Furay Band / S.T.
The Souther, Hillman, Furay Bandは、60年代終わりから70年代始めにかけてのウェストコースト・ロック・シーンで独自のキャリアを積んだJ.D. Souther, Chris Hillman, Richie Furayの3人が結成したバンド。

J.D. Souther(vo, g)は、Linda RonstadtやThe Eaglesとの仕事で知られるシンガー・ソングライター。ソロとしても1972年に『John David Souther』でアルバム・デビューしており、後のアルバム『You're Only Lonely』からは、タイトル曲がBillboard Hot 100チャートの1位を記録する。

Chris Hillman(vo, b, mandolin, g)はThe Byrdsの創設メンバー。その後もThe Flying Burrito BrothersやManassasでキャリアを積んだ、フォーク・ロック/カントリー・ロックの開拓者である。

Richie Furay(vo, g)も、Buffalo SpringfieldとPocoという重要グループを渡り歩いた。3人とも素晴らしい実績の持ち主であり、CS&N(Crosby, Stills & Nash)や、そこにNeil Youngを加えたCSN&Yのようなスーパー・グループの影響を受けたバンドと言える。

主要な3人以外に、サポート・メンバーとしてJim Gordon, Al Perkins, Paul Harrisが参加しており、アルバムのバック・カヴァーでは、その3人も「Gordon★Perkins★Harris」というタイトルで写っている。
The Souther, Hillman, Furay Band / S.T. (バック・カヴァー)

Jim Gordonは、Eric Clapton率いるDerek and the Dominosでの仕事で知られるセッション・ドラマー。スティール・ギターやドブロを担当するAl Perkinsとキーボード奏者のPaul Harrisは、Chris Hillmanと一緒にManassasのメンバーだった。

収録曲はSouther, Hillman, Furayの3人が別々に作って持ち寄っており、共作は一曲もない。Southerが4曲(3, 5, 7, 10)、Hillmanが3曲(2, 6, 8)、Furayが3曲(1, 4, 9)と、曲数も公平。リード・ヴォーカルもそれぞれが担当しており、パワー・バランスが均等だ。バンドというより民主的な集合体といった感じがするが、サウンドのまとまりはとても良い。

この中からは1曲目の「Fallin' in Love / 素晴らしき恋」がシングル・カットされ、チャートの27位をマークした。他にも、Furay作のメランコリックな「Belive Me」や、Souther作の爽快なナンバー「Border Town」、同じくSoutherのしっとりとした「Deep, Dark And Dreamless / 暗黒の夜」など、良曲が多い。アルバムはBillboard Pop Albumsチャートの11位を記録した。


彼らは75年にもTom Dowdのプロデュースにより、セカンド・アルバム『Trouble In Paradise』をリリースするが、この2枚で解散してしまう。CS&NもCSN&Yもスタジオ・アルバム1枚で解散しており、メンバーの頭文字を取ったスーパー・グループは短命であることが多い。Jeff Beckの作ったBB&A(Beck, Bogert & Appice)もそうだった。

●収録曲
1. Fallin' In Love / 素晴らしき恋 - 3:30
2. Heavenly Fire - 3:43
3. The Heartbreaker - 2:56
4. Belive Me - 5:03
5. Border Town - 3:52
6. Safe At Home - 2:53
7. Pretty Goodbyes - 3:40
8. Rise And Fall - 3:07
9. The Flight Of The Dove - 4:06
10. Deep, Dark And Dreamless / 暗黒の夜 - 5:37


◆プロデュース: Richard Podolor

◆参加ミュージシャン: J.D. Souther(vo, g), Chris Hillman(vo, b, mandolin, g), Richie Furay(vo, g)
with Jim Gordon(ds), Al Perkins(steel g, dobro), Paul Harris(k), Joe Lala(per)

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2017/04/16 15:26 Rock / Pops名盤(70年代) TB(0) CM(0)
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※写真はBobby Caldwellの1978年作『Bobby Caldwell

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