音楽は心の糧、生活のサプリメント。洋楽を中心に極上の音楽との生活を綴ります。

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Paul Simonの1975年の名作『Still Crazy After All These Years / 時の流れに』。
Paul Simon / Still Crazy After All These Years
本作は、Paul Simonの4枚目のソロ・アルバム。
最初のソロ・アルバムはSimon & Garfunkelの活動中に出されているため、S&G解散後のアルバムとしては3作目にあたる。

本作は、非凡なシンガー・ソングライターであるPaul Simonの代表作といって良いだろう。
セールス的にも、アルバムはBillboard 200チャートの1位を獲得し、今のところ、全米1位を獲得した唯一のソロ・アルバムである。シングルは、「50 Ways to Leave Your Lover」がBillboard Hot 100チャートの1位を獲得した他、「My Little Town」が同9位、「Gone at Last」が23位、「Still Crazy After All These Years」が40位をマーク。更に1976年のグラミー賞では、本作が「Album of the Year」と「Best Male Pop Vocal Performance」の2冠を受賞した。

昔の恋人に再開した心境を "Still Crazy After All These Years" と歌うタイトル曲。
"Still Crazy" とは、何と素敵なフレーズだろう。Barry Beckettの静かなエレピにリードされ、美しいメロディが淡々と流れる様は、さながら邦題の "時の流れ" のよう。穏やかで静かだが、本作の中で最も存在感があり、深い印象を心に刻みつける名曲だ。

爽やかな「My Little Town」は、S&G解散後、久しぶりにArt Garfunkelとデュエットした曲。
ヴォーカル・クレジットは、"Simon and Garfunkel" になっている。Art Garfunkelも、同年のセカンド・ソロ・アルバム『Breakaway / 愛への旅立ち』で、この曲を歌った。

続く「I'd Do It For Your Love / きみの愛のために」は、穏やかなバラード。
美しいメロディと、Ken Asherの優しいエレピが胸を打つ。

一転して、「50 Ways To Leave Your Lover / 恋人と別れる50の方法」は、とてもシリアスな曲調。
クールで精巧なドラム捌きは、職人的なドラマーのSteve Gadd。粋な女性バック・コーラスはPhoebe Snow, Valerie Simpson, Patti Austinの3人だ。

"すいすいと人生をわたっていく者がいる一方で、全くそうでない者もいる" と歌う、「Some Folks' Lives Roll Easy / ある人の人生」。切ないメロディに乗せて歌われるメッセージが苦い…。Bob Jamesの弾く美しいエレピが救いのように優しく、泣けてくる。

ラストでは、Paul Simonが「Silent Eyes / もの言わぬ目」をしっとりと歌い、アルバムの幕を閉じる。
この曲は、Paul Simonが音楽を担当した1975年の映画『Shampoo』で使われた。

深い味わいのある、苦い歌詞。熟したメロディと無駄のないサウンド。
Paul Simonは、80年代以降、民族音楽を始めとする多様な音楽を取り入れて活動の幅を広げるが、その本質はS&G時代からそうであったように、優れたシンガー・ソングライターであると思う。
本作は、Paul Simonのシンガー・ソングライターとしての魅力が凝縮された名盤である。

●収録曲
1. Still Crazy After All These Years / 時の流れに - 3:26
2. My Little Town - 3:51
3. I'd Do It For Your Love / きみの愛のために - 3:35
4. 50 Ways To Leave Your Lover / 恋人と別れる50の方法 - 3:37
5. Night Game - 2:58
6. Gone At Last / 哀しみにさようなら - 3:40
7. Some Folks' Lives Roll Easy / ある人の人生 - 3:14
8. Have A Good Time / 楽しくやろう - 3:26
9. You're Kind / 優しいあなた - 3:20
10. Silent Eyes / もの言わぬ目 - 4:12


◆プロデュース: Paul Simon(vo, ag, ar)

◆参加ミュージシャン: Phil Ramone/Art Garfunkel(vo), Bob James(k, ar), Joe Beck/Pete Carr/Hugh McCracken/John Tropea(g), Richard Tee/Barry Beckett(k), Tony Levin/Gordon Edwards/David Hood(b), Steve Gadd/Grady Tate/Roger Hawkins(ds), Ralph MacDonald(per), Sivuca(accordion, vo), Michael Brecker/David Sanborn(sax), Toots Thielmans(harmonica), Valerie Simpson/Patti Austin/Phoebe Snow(bv), etc.

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2016/10/10 18:07 Rock / Pops名盤(70年代) TB(0) CM(0)
Billy Joelの1977年の名盤『Stranger』。
Billy Joel / Stranger
ピアノ・マンであり、街角の吟遊詩人であるBilly Joelの5作目のスタジオ・アルバム。

良く知られているように、Billy Joelはこのアルバムで世界的な成功を掴んだ。
この時、28歳。
16歳からミュージシャンの活動を始めているので、まだ若いとは言え、下積みは長い。

「Movin' Out」や「Vienna」、「Get It Right The First Time」などでは、ピリッと苦い人生訓を歌う一方で、「Just The Way You Are」や「She's Always A Woman」などのバラードでは、最高にロマンティックな愛情表現をする。
酸いも甘いも噛み分けるとは、まさにこういうことか。

Billy Joelに育まれた鋭い鑑識眼が、こうした名曲を生んだのだろう。
「The Stranger」には、自分の内面と対峙する静かな目線があり、「Scenes From An Italian Restaurant」には、レストランで周囲の人間模様を観察する眼があり、「Everybody Has A Dream」には、希望を掴もうとする全ての人への優しい眼差しがある。
Billy Joelの眼差し

1976年の前作『Turnstiles / ニューヨーク物語』と比べてサウンドのクオリティが向上しているのは、プロデューサーであるPhil Ramoneの手腕。
Phil Ramoneは本作以降、1986年の『The Bridge』まで、6枚のスタジオ・アルバムと1枚のライヴ・アルバム全てのプロデュースを担当した。

本作は、Billboard 200チャートの2位をマークし、Billy Joel初のTop10入りを果たす。
シングルは、「Just the Way You Are」がBillboard Hot 100チャートの3位を記録した他、「Movin' Out」が17位、「Only the Good Die Young」が24位、「She's Always a Woman」が17位であった。
また、1978年のグラミー賞では、「Just the Way You Are」が「Record of the Year」と「Song of the Year」の2冠を受賞。
更に、「Movin' Out」はブロードウェイ・ミュージカルにもなり、2002年から2005年まで上演されている。

寂しげな口笛が印象的な「The Stranger」は日本で大ヒットし、オリコン・チャートの何と2位を記録した。
一方のBillboardでは、チャート・インしていないところも面白い。

本作はAORの名盤としても評価されており、金澤寿和氏はディスク・ガイド『AOR Light Mellow』において、このアルバムを取り上げている。

私は、「Just The Way You Are」のSaxソロが大好きだ。
空に舞い上がるように伸びやかなソロは、名SaxプレイヤーであるPhil Woodsが演奏したもので、Phil Woodsの名演の一つに数えられている。

Phil Woodsは去年の9月29日に83歳で他界した。
このアルバムがリリースされたのも9月29日。
偶然とはいえ、不思議な巡り合わせである。

●収録曲
1. Movin' Out (Anthony's Song) - 3:30
2. The Stranger - 5:10
3. Just The Way You Are / 素顔のままで - 4:52
4. Scenes From An Italian Restaurant / イタリアン・レストランにて - 7:37
5. Vienna / ウィーン - 3:34
6. Only The Good Die Young / 若死にするのは善人だけ - 3:55
7. She's Always A Woman - 3:21
8. Get It Right The First Time / 最初が肝心 - 3:57
9. Everybody Has A Dream - 6:38


◆プロデュース: Phil Ramone

◆参加ミュージシャン: Billy Joel(vo, k), Steve Khan/Hiram Bullock/Steve Burgh(g), Hugh McCracken(ag), Richard Tee(k), Doug Stegmeyer(b), Liberty DeVitto(ds), Ralph MacDonald(per), Richie Cannata(sax, flute, clarinet, k), Phil Woods(sax), Phoebe Snow/Patti Austin/Gwen Guthrie(bv), Patrick Williams(orch), etc.

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2016/09/16 20:38 Rock / Pops名盤(70年代) TB(0) CM(0)
Les Dudekの1976年のデビュー作『Les Dudek』。

Les Dudekはアメリカのブルース・ロック・ギタリスト。

10代から地元のバンドでギターを弾き始め、最初のメジャー・アルバム参加はAllman Brothers Bandの1973年作『Brothers & Sisters』。21歳の時である。
次のステップとして、Boz Scaggsの1976年の名盤『Silk Degrees』と、Steve Miller Bandの1976年作『Fly Like An Eagle』に参加。
同じ年にソロ活動をスタートした。

本作はソニーの「AOR CITY 1000」シリーズの第2弾として、8月17日にCDが再発されているが、AORというよりは、ロック・ギタリストのソロ・アルバムという感じがする。

艶のある伸びやかなギターを気持ち良く弾きまくっており、爽快なギター・アルバムだ。
黄色に黒のジャケットも、とても個性的でインパクトがある。

このアルバムのプロデュースはBoz Scaggsが担当した。
Bozの『Silk Degrees』に貢献した流れだろう。

『Silk Degrees』に参加したTOTOのメンバーが本作にも参加しており、ドラムスは全曲をJeff Porcaroが担当。
David Paich(k)とDavid Hungate(b)も参加している。

全曲がLes Dudekのオリジナル。
インストゥルメンタル・ナンバーは「Don't Stop Now」の1曲のみで、残りの曲ではLes Dudekの歌声を聴くことができる。
独特のしゃがれ声だが、とても歌心があり、伝わるものがある。

本作唯一のバラードである「Each Morning」は、メランコリックなメロディがいかにもロック・ギタリストのバラードという感じで好きだ。
間奏とエンディングで情感たっぷりに弾くギター・ソロが素晴らしく、感動的。
個人的には、Scorpionsの「Lady Starlight」の美しいギター・ソロを思い出してしまう。

続く1977年作『Say No More』も、Jeff Porcaro(ds)が全曲参加しており、TOTO好きにはお薦め。
名ジャズ・ドラマーのTony Williamsも1曲で参加しており、興味深い作品である。

●収録曲
1. City magic - 5:34
2. Sad Clown - 5:29
3. Don't Stop Now - 3:54
4. Each Morning - 7:22
5. It Can Do - 6:31
6. Take the Time - 4:09
7. Cruisin' Groove - 4:08
8. What a Sacrifice - 5:53


◆プロデュース: Boz Scaggs

◆参加ミュージシャン: Les Dudek(vo, g)
with David Paich/David Foster(k), Gerald Johnson/David Hungate/Chuck Rainey(b), Jeff Porcaro(ds), Maxine Green/Pepper Swenson/Jeri Stevens/Boz Scaggs(bv), etc.

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2016/08/20 10:39 Rock / Pops名盤(70年代) TB(0) CM(0)
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70's、80'sの洋楽を中心に、豊かで極上の音楽を紹介します。


※写真はBobby Caldwellの1978年作『Bobby Caldwell

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