音楽は心の糧、生活のサプリメント。洋楽を中心に極上の音楽との生活を綴ります。

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TOTOの1978年のアルバム『TOTO / 宇宙の騎士』。
TOTO / TOTO (宇宙の騎士) (1978年)
TOTOは凄腕のスタジオ・ミュージシャンたちが作ったロック・バンド。結成時のメンバーはDavid Paich(k), Jeff Porcaro(ds), David Hungate(b), Steve Lukather(g), Steve Porcaro(k), Bobby Kimball(vo)の6人で、HungateとKimballを除く4人は少年期からの友達。それぞれが売れっ子のセッション・プレイヤーとしてLAを中心に活動していた。

彼らがバンドを組んだのは、Boz Scaggsの76年のアルバム『Silk Degrees』のレコーディングにPaich, Jeff, Hungateの3人が集まったことがきっかけとされている。そこに、Lukather, Steve, Kimballが加わり、77年にTOTOがスタートした。

本作はTOTOのデビュー・アルバム。TOTOの代表作の1つであり、AORを代表する名盤の1つでもある。

全曲が彼らのオリジナルで、曲作りの中心はPaich。10曲のうち8曲がPaichの作である。残りについては、Kimballが1曲(5)、Steveが1曲(7)を書いた。

メンバーの多くがリード・ヴォーカルを担当できるので、歌の表情は豊か。メイン・ヴォーカリストのKimballが4曲(2, 5, 6, 9)、Paichが2曲(4, 8)、Lukatherが2曲(3, 10)、Steveが1曲(7)を歌っている。

「Child's Anthem」はインスト曲。デビュー・アルバムの1曲目にインスト曲を使うところは、演奏に自信のあるTOTOらしい。「I'll Supply the Love」「Takin' It Back」の終盤や「Angela」の中盤からドラマティックに曲が展開する見事な構成も、彼らの演奏力の賜物だ。

アルバムはBillboard 200チャートの9位となり、デビュー・アルバムにしてトップ10入りを果たした。シングルでは、「Hold the Line」がBillboard Hot 100チャートの5位を記録し、続く「I'll Supply the Love」は45位、「Georgy Porgy」は48位をマーク。「Georgy Porgy」には同年にデビューするCheryl Lynnが参加し、パンチのあるバック・ヴォーカルを聴かせる。

TOTOのアイデンティティとも言える見事な演奏を支えているのは、個の優れた技量とバンドとしてのまとまりの良さだ。グルーヴ感抜群で表情豊かなJeffのドラムスや、エネルギッシュなLukatherのギターに魅了されるのは勿論のこと、6分を超える「Girl Goodbye」を最後まで息をのむように聴き入ってしまうのは、彼らの演奏に抜群の一体感があるから。

TOTOはJeffが他界した92年以降も活動を続け、Jeffを失ってからの活動期間の方がだいぶ長くなった。TOTOを今でも応援するのは、彼らの仲の良さが頼もしく思えるからである。

●収録曲
1. Child's Anthem / 子供の凱歌 - 2:46
2. I'll Supply the Love / 愛する君に - 3:46
3. Georgy Porgy - 4:09
4. Manuela Run - 3:54
5. You Are the Flower - 4:11
6. Girl Goodbye - 6:13
7. Takin' It Back / ふりだしの恋 - 3:47
8. Rockmaker - 3:19
9. Hold the Line - 3:56
10. Angela - 4:45


◆プロデュース: TOTO

◆参加ミュージシャン: Bobby Kimball(vo), Steve Lukather(g, vo), David Paich/Steve Porcaro(k, vo), David Hungate(b), Jeff Porcaro(ds)
with Cheryl Lynn(bv), Joe Porcaro/Lenny Castro(per), Marty Paich(strings), etc


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2017/06/30 17:49 AOR名盤(1978年) TB(0) CM(0)
Jimmy Messina(Jim Messina)の1979年のアルバム『Oasis』。
Jimmy Messina / Oasis (1979年)
Jim Messinaはカリフォルニア生まれのミュージシャン。60年代の終わりからBuffalo Springfield、Poco、Loggins and Messinaのメンバーとして活動し、76年にソロに転向した。曲作りはもちろん、ベース、ギター、ヴォーカルをこなし、またエンジニアやプロデュースも手がけるというマルチな才能の持ち主である。

Buffalo Springfieldでは68年のラスト・アルバム『』の制作にメンバーとして加わり、ベースとヴォーカル、プロデュースを担当。Pocoでは結成メンバーの1人としてリード・ギターとヴォーカルを担当し、69年のファースト『』と70年のセカンド『』の2枚のアルバムに参加、プロデュースも担当した。Kenny Logginsとのデュオ、Loggins and Messinaの活動は比較的長く、71年の『』から76年の『』まで、6枚のスタジオ・アルバムを残している。

本作はJim Messinaの最初のソロ・アルバム。共作も含めて全曲がJimのオリジナルである。

トロピカル・サウンドの「New And Different Way」、ファンキーでグルーヴィーな「Do You Want To Dance」、とろけるようにメロウな「Seeing You」、軽快なソウル・ナンバーの「Free To Be Me」、ジャジーでアコースティックな「Talk To Me」と、サウンドの表情は豊か。どの曲にもポップで良質なメロディがあり、ラテン・フュージョンのような味わいのある洒落た演奏も心地よい。

特に「Seeing You」は最高。避暑地の昼下がりのまどろみのような極上の癒しがある。

Jim Messinaのギターの腕はかなりのもの。パキパキとしたエレキにも涼やかなアコギにも、アルバム・タイトルやジャケットのような南国の雰囲気が漂う。歌も上手く、爽やかさと艶っぽさの両方を備えた声でどの曲も器用に歌いこなす。

ちなみに、本作でキーボードを担当したJim Studerは、のちに歌手の飯島真理さん結婚して双子の男の子を授かった(88年に結婚、99年に離婚)。

AORの夏の定盤である本作のCDは、ソニーの「AOR CITY 1000」シリーズから2016年7月に再発されている。また、Jim Messinaの在籍したPocoは89年にオリジナル・メンバーでリユニオンするが、そのアルバム『』のCDも同じシリーズから2017年8月に再発された。

●収録曲
1. New And Different Way - 3:55
2. Do You Want To Dance - 5:10
3. Seeing You (For The First Time) - 5:56
4. Free To Be Me - 2:55
5. Talk To Me - 2:28
6. Love Is Here - 4:59
7. Waitin' On You - 3:18
8. (Is This) Lovin' You Lady - 5:04
9. The Magic Of Love - 7:22


◆プロデュース: Jimmy Messina(vo, g)

◆参加ミュージシャン: Jim Studer(k, bv), Wayne Nelson(b, bv), Tony Moreno(ds, per), Jeff Elliott(tp, tb, flugelhorn), Craig Thomas(sax, flute, bv)


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2017/06/29 18:36 AOR名盤(1979年) TB(0) CM(0)
John Farrarの1980年のアルバム『John Farrar』。
John Farrar / John Farrar (1980年)
John Farrarはオーストラリア出身のミュージシャン。Olivia Newton-Johnのソングライター兼プロデューサーとしての仕事は有名で、「Have You Never Been Mellow / そよ風の誘惑」(75年)、「You're the One That I Want / 愛のデュエット」(78年)、「Magic」(80年)などの全米No.1ヒットを始め、彼女の多くのヒット曲やヒット・アルバムを手がけた。

ロック・バンドのメンバーとしても60年代から活動しており、70年代中盤には英国のThe Shadowsのリズム・ギターを担当していた。ソロ・アルバムは1枚だけあり、それが本作。とても丁寧に作られた印象を受けるアルバムだ。

収録曲は全てJohn Farrarのオリジナルで、このうち3曲(2, 3, 6)を優れたメロディ・メイカーのTom Snowと、1曲(7)をThe Shadowsのリード・ギタリストであるHank Marvinと共作している。

Olivia Newton-Johnの「そよ風の誘惑」もそうだが、優しいメロディを紡ぎ、それをふんわりと華やかに仕上げる手腕が素晴らしく、本作では「Reckless / ときめき」「Cheatin' His Heart Out Again / 雨のハイウェイ」「Recovery」「Falling」「From The Heart / 真心をこめて」あたりにFarrarの良さが表れている。

ファルセットの美しいコーラスがアルバムの随所に入るので、Bee GeesのBarry Gibbあたりが参加しているのかと思いきや、実際はFarrar自らがヴォーカルを幾重にも重ねたもの。細やかな仕事に頭が下がる。

Tom Snowと共作した曲の中では「Recovery」が素晴らしい。ポップなメロディを柔らかくアレンジしたドリーミーな曲だ。

ほとんどFarrarのヴォーカルだけで最後まで聴かせる「Falling」も、しっとりと美しい曲、Olivia Newton-Johnとデュエットしたら、さぞやロマンティックだろうと想像してしまう。

そのOlivia Newton-Johnとのデュエットは、「Reckless / ときめき」の方で実現した。2008年のOlivia Newton-John & Friends名義のアルバム『』に収録され、二人の息の合ったデュエットを聴くことができる。

●収録曲
1. Reckless / ときめき - 3:21
2. Tell Someone Who Cares - 4:16
3. Can't Hold Back - 3:22
4. Gettin' Loose - 3:07
5. Cheatin' His Heart Out Again / 雨のハイウェイ - 4:03
6. Recovery - 4:22
7. It'll Be Me Babe - 3:27
8. Falling - 3:35
9. From The Heart / 真心をこめて - 4:23


◆プロデュース: John Farrar(vo, g, k, b)

◆参加ミュージシャン: Tom Snow(k), Michael Boddicker(sy), Mike Porcaro/David McDaniels(b), Ed Greene/Michael Botts(ds)


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2017/06/28 11:04 AOR名盤(1980年) TB(0) CM(0)
Paul Davisの1981年のアルバム『Cool Night』。
Paul Davis / Cool Night (1981年)
Paul Davisは、70年代から80年代中盤にかけてアメリカのカントリー・シーンやポップス・シーンで活躍したシンガー・ソングライター。70年にアルバム・デビューし、81年までの約10年の間に7枚のアルバムを制作。80年代中盤を過ぎると早々と音楽活動から引退し、2008年に60歳という若さでこの世を去った。

本作はPaul Davisの7作目、最後のスタジオ・アルバムである。タイトルの「Cool Night」は、寒い日の冷たい夜という意味にも、暑い日の涼しい夜ぐらいのニュアンスにも受け取れる。

何と言ってもメロウでムーディなタイトル曲が良い。ファースト・シングルとなり、Billboard Hot 100チャートの11位を記録するヒットとなった。センチメンタルなメロディが切ない余韻を残す素晴らしいバラードで、冬の冷たい夜に聴きたくなる。

セカンド・シングルは軽快な「'65 Love Affair」。ポップなメロディと陽気なコーラスが印象的なこの曲は、Hot 100チャートの6位に到達。Paul Davisのシングルの中では最高位を記録した。サード・シングル「Love or Let Me Be Lonely」も同じ路線の爽やかなナンバーだが、チャート的には40位止まり。

アルバム全体では「'65 Love Affair」のようなポップで爽やかなナンバーが多く、春から夏の季節に合う。そう考えると、アルバム・タイトルも「暑い日の涼しい夜」というニュアンスかも知れない。

Paul Davisは77年のアルバム『Singer of Songs - Teller of Tales (アイ・ゴー・クレイジー)』からも、「I Go Crazy」という極上のバラードをヒットさせている(米7位)。センチメンタルでロマンティックなバラードを得意とするシンガー・ソングライターだ。

Paul DavisのこれらのアルバムのCDは、ソニーの「AOR CITY 1000」シリーズから2016年7月に再発されている。2017年8月にも同じシリーズから100タイトルのCDが発売。その中にはPaul Davisがプロデュースに加わったNigel Olssonの79年のアルバム『』があり、お薦めだ。

●収録曲
1. Cool Night – 3:40
2. You Came to Me / 愛にマジック・タッチ – 3:38
3. One More Time for the Lonely / 想い出という名のふたり – 4:09
4. Nathan Jones – 3:27
5. Oriental Eyes / 忘れ得ぬ魅惑のオリエンタル・アイズ – 4:28
6. '65 Love Affair – 3:54
7. Somebody's Gettin' to You / 誰かがあなたを… – 3:30
8. Love or Let Me Be Lonely – 3:41
9. What You Got to Say About Love – 3:53
10. We're Still Together – 3:40


◆プロデュース: Ed Seay(b, k, bv), Paul Davis(vo, k)

◆参加ミュージシャン: Steve Hardwick/Rick Hinkle(g), Tommy Cooper/Vance Taylor(k), Barry Dunaway(b), Benny Rappa(ds, bv), Carol Veto(bv), etc


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2017/06/26 12:48 AOR名盤(1981年) TB(0) CM(2)
Kenny Logginsの1978年のアルバム『Nightwatch』。
Kenny Loggins / Nightwatch (1978年)
Kenny Logginsはアメリカのシンガー・ソングライター。Jim Messinaとポップ/ロック・デュオのLoggins and Messinaを組んで1971年から76年まで活動した後にソロに転向し、アルバム制作やライヴ活動のほか、80年代以降は映画の主題歌を手がけて大ヒットを飛ばした。特に、84年の映画『Footloose』の同名主題歌(米1位)と86年の映画『Top Gun』の主題歌「Danger Zone」(米2位)は有名だ。

ソロの1作目は77年の『Celebrate Me Home / 未来への誓い』で、本作『Nightwatch』はそれに続く2作目。前作に続いて、フュージョン界の重鎮のBob Jamesがプロデュースを担当。アルバムはBillboard 200チャートの7位を記録し、ソロ・アルバムの中では最高位となっている。

1曲目の「Nightwatch」は兄のDan Loggins等との共作で、8分近い長さの重厚な曲。重たいベースとミステリアスなメロディが夜警というタイトルに相応しい妖しいムードを演出し、間奏部では荒削りなギターがドラマティックに曲を盛り上げる。本作の中で最も深い印象を残す名曲だ。

メロディが爽やかな「Whenever I Call You "Friend" / 二人の誓い」はMelissa Manchesterとの共作。それを共作者のMelissaとではなく、Stevie Nicksとデュエットするあたりは "モテ男" という感じがする。この曲はBillboard Hot 100チャートの5位を記録し、映画がらみを除けば、Kenny Loggins最大のヒット曲となった。

Melissa Manchesterも翌年のアルバム『』で歌っているが、デュエットの相手はArnold McCuller。お互いに共作者をデュエットの相手に選ばないという不思議な曲だが、いい曲だ。

軽快で爽やかな「Wait A Little While」は、当時の奥様のEva Einとの共作。Al Jarreauが同年のアルバム『』でこの曲をカヴァーしている。

「What A Fool Believes / ある愚か者の場合」はMichael McDonaldとの共作。翌年のThe Doobie Brothersのアルバム『Minute By Minute』の収録バージョンが全米1位のヒットを記録し、グラミー賞の2部門(Record of the Year/Song of the Year)を受賞するが、リリースはKenny Logginsの方が早い。The Doobie Brothersと異なるアレンジが新鮮だ。

ラストの「Angelique」も奥様のEva Einとの共作。重厚でミステリアスな曲調は1曲目の「Nightwatch」の再来のよう。始まりと終わりを合わせるコンセプト・アルバムのような作りを演出している。

今年8月のソニーの「AOR CITY 1000」シリーズからは、『未来への誓い』(77年)、『Keep The Fire』(79年)、『Vox Humana / ヒューマン・ヴォイス』(85年)の3作品のCDの再発が予定されており、お薦めだ。

●収録曲
1. Nightwatch - 7:49
2. Easy Driver - 3:34
3. Down 'N Dirty - 4:42
4. Down In The Boondocks - 4:20
5. Whenever I Call You "Friend" / 二人の誓い - 3:58
6. Wait A Little While - 3:58
7. What A Fool Believes - 3:39
8. Somebody Knows - 3:36
9. Angelique - 5:59


◆プロデュース: Bob James(strings ar)

◆参加ミュージシャン: Mike Hamilton(b, bv), Brian Mann(k), George Hawkins(g, bv), Tris Imboden(ds), Jon Clarke/Vince Denham(horns)
with Stevie Nicks(vo)


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2017/06/25 16:55 AOR名盤(1978年) TB(0) CM(0)
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