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Steely Danの1980年のアルバム『Gaucho』。
Steely Dan / Gaucho (1980年)
Steely Danは、Donald Fagen(vo, k)とWalter Becker(g)のユニット。彼らのアルバム制作のスタイルは、一流のセッション・ミュージシャンを集めて二人が納得するまで何テイクも演奏させるというもの。1976年の前作『Aja』からその方法が採られ、通算7枚目のスタジオ・アルバムとなる本作『Gaucho』では、それがさらに徹底された。

本作は、ニューヨークのスタジオを中心に、複数のスタジオでレコーディングされている。本作のために、「スタジオの同じ部屋を1年以上も押さえていた」という説もある。レコーディング費用は100万ドル近くかかり、それを回収するために通常のレコードよりも1ドル高い価格で発売された。

実際には10曲ほどがレコーディングされたが、アシスタント・エンジニアのミスで消されてしまった曲など、いくつかのトラブルが原因で7曲になったらしい。

多くの曲が5分を超える長さだが、プロデューサーのGary Katzによると、「無駄なパートは一切なく、どれもが必然性がある。削れるところを削っても1曲が5分以上になってしまう」そうだ。

二人はミュージシャンにやり直しを求める理由を言わず、ただ、「違うアプローチでやって欲しい」と言うらしい。また、曲に合わせて必要な部分だけを使うため、自分の演奏が全く採用されなかった不幸なミュージシャンもいたようだ。その中には、Will Lee(b)やChris Parker(ds)というビッグ・ネームもある。

前作『Aja』では、「Peg」のJay Graydon(g)や「Aja」のSteve Gadd(ds)、「Home At Last」のBernard Purdie(ds)など、後世に語られる名演というものがある。かたや本作では、一分の隙もなく洗練した演奏があるものの、ミュージシャンの顔はあまり見えない。

二人が楽曲を洗練させるプロセスにおいて、ミュージシャンの「個」は不要なのだろう。最高の1曲を作るために、一流のミュージシャンの個性をあえて犠牲にする。この異様なストイックさが、本作の7曲を崇高なものにしている。

本作の翌年、二人はコンビを解消した。Donald Fagenは、「創作意欲が枯れてきた」と発言。Fagenが、その創作意欲が尽きるほどに情熱を注いだ芸術作品である。

●収録曲
1. Babylon Sisters - 5:51
2. Hey Nineteen - 5:04
3. Glamour Profession - 7:28
4. Gaucho - 5:32
5. Time Out Of Mind - 4:10
6. My Rival - 4:30
7. Third World Man - 5:14


◆プロデュース: Gary Katz

◆参加ミュージシャン: Donald Fagen(vo, k), Walter Becker(g, b)
with Mark Knopfler/Steve Khan/Larry Carlton/Hugh McCracken/Hiram Bullock/Rick Derringer(g), Rob Mounsey/Don Grolnick/Joe Sample(k), Chuck Rainey/Anthony Jackson(b), Bernard Purdie/Steve Gadd/Jeff Porcaro/Rick Marotta(ds), Ralph MacDonald/Victor Feldman(per), Tom Scott/David Sanborn/Michael Brecker(ax), Randy Brecker(tp, flugelhorn), Michael McDonald/Patti Austin/Valerie Simpson(bv), etc


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2017/02/22 15:51 AOR名盤(1980年) TB(0) CM(0)
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