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Brenda Russellの1983年のアルバム『Two Eyes / 出逢いのときめき』。
Brenda Russell / Two Eyes (出逢いのときめき) (1983年)
Brenda Russellはニューヨーク生まれの才能溢れるシンガー・ソングライター。本作は寡作な彼女のサード・アルバムである。ジャケットからはR&B/ソウルを深く味わう作品という印象を受けるが、内容の方はエレガントな曲/サウンドと彼女のしなやかな歌声を楽しむ爽やかなAORだ。

プロデューサーをTommy LiPuma、レコーディング/ミキシングをAl Schmittが担当し、サウンドはとても磨かれている。二人の手がけるアルバムに外れはないという名コンビだが、このアルバムも期待を裏切らない。

全曲がBrenda Russellのオリジナルで、4曲(1-3, 5)を大御所と共作。軽やかなグルーヴが心地よい「I Want Love To Find Me」はBill LaBountyと、しなやかでエレガントな「It's Something」はDavid Fosterと、小粋なシティ・ソウルの「Hello People」はMichael McDonaldと、落ち着いたバラードの「Stay Close」はDon Grusinとの共作だ。「It's Something」は、Leslie Smithが82年のアルバム『Heartache』で歌っている。

彼女のしなやかなヴォーカルは曲を選ばない。「Stay Close」のようなバラードも、「Jarreau」のようなジャジーなナンバーも器用に歌いこなす。ビブラートをあまり使わずにさらっと歌うので、爽やかな後味だ。「Jarreau」では、Al Jarreauのようなパーカッシヴ・ヴォイスも少しだけ披露している。

「I'll See You Again」の印象的なハーモニカはStevie Wonder。ラストの「Look Down, Young Soldier」では、バック・ヴォーカルにAl Jarreau, Christopher Cross, David Lasley, Donny Gerrard, James Ingram, Joe Esposito, Leon Ware, Patrice Rushen, Pattie Brooks, Randy Crawford, Rita Coolidgeという錚々たる名前が並ぶ。

参加ミュージシャンが凄く豪華だが、彼女の書く曲の良さがそれに負けていないところが素晴らしい。

●収録曲
1. I Want Love To Find Me / 出逢いのときめき - 3:02
2. It's Something / 愛のサムシング - 3:31
3. Hello People - 3:24
4. Two Eyes - 3:16
5. Stay Close / あなたのそばに - 4:25
6. Jarreau - 3:13
7. New York Bars - 4:04
8. I'll See You Again / 愛は時をこえ - 4:20
9. Look Down, Young Soldier - 4:40


◆プロデュース: Tommy LiPuma

◆参加ミュージシャン: David Williams/Dean Parks/Caleb Quaye(g), David Foster/Michael McDonald/Bill LaBounty/Robbie Buchanan/Leon Pendarvis/James Newton Howard/Don Grusin(k), Nathan East(b), John Robinson(ds), Paulinho Da Costa(per), Jerry Hey(tp), Larry Williams(sax), Stevie Wonder(harmonica), Al Jarreau/Christopher Cross/Patrice Rushen/Leon Ware/James Ingram(bv), etc


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2017/10/16 15:08 AOR名盤(1983年) TB(0) CM(0)
Steve Hiettの1983年のアルバム『Down On The Road By The Beach / 渚にて…』。
Steve Hiett / Down On The Road By The Beach (渚にて) (1983年)
Steve Hiettは1940年生まれの英国の写真家。アート・スクールを卒業後、サイケ/ポップ・バンドのメンバーだった時期もあるようだが、68年にファッション・フォトグラファーのキャリアをスタートした。

Steve Hiettはギターを弾くことができ、唯一のギター・ソロ・アルバムを残している。それが本作であり、日本のみで発売された。"This is a Guitar Album" とバック・カヴァーに記されている通り、全編にわたってSteve Hiettが独特の浮遊感のあるギターを弾いている。

本作のプロデュースを担当したのは立川直樹氏。レコーディングには、Steely Danのアルバムなどでギターを弾いているElliott Randallの他、ムーンライダーズの岡田徹(k), 武川雅寛(violin), 白井良明(g), 鈴木博文(g)が参加した。また、加藤和彦もエンディング曲「Standing There」を提供し、この曲ではギターを弾いている。

オリジナル曲は9曲で、内訳はS.Hiettが共作を含めて6曲(1, 3, 5, 6, 9, 11)、E.Randallが1曲(7)、岡田氏が1曲(8)、加藤氏が1曲(13)を提供。カヴァー曲は4曲(2, 4, 10, 12)で、Eddie Floyd, Booker T.Jones等の書いた「Never Find A Girl」(68年)、Chuck Berryの「Roll Over, Beethoven」(56年)、Cliff Richardの「The Next Time」(62年)、Santo & Johnny Farinaの「Sleep Walk」(59年)をセレクトしている。

独特の気だるさのあるアルバムである。夏の午後のうだるような暑さや、遠くの方に立ち上る蜃気楼を思わせる。環境音楽のようでもあるが、それほど素っ気なくはなく、生楽器の心地よい響きがある。

本作は、ソニーの「AOR CITY 1000」シリーズからこの8月に世界初CD化された。CDの解説を立川直樹氏が担当しており、「本当に時代は恐ろしいほど変わってしまったが、この『渚にて』の持つ "気持ちのいい軽み" のようなものを忘れないで、僕は生きていたいと思う。」と寄せている。"軽み" とは軽々しさということではなく、ユーモアや "ゆとり" を指すのだろう。シリアスな時代にこそ必要なものだと思う。

なお、フロント・カヴァーの美しい風景はHiett氏の撮影したもの。当時は本作と同名の写真集も出されたようだ。同じ写真は、2015年に出版されたHiett氏の写真集『』にも収められている。

●収録曲
1. Blue Beach - Welcome To Your Beach - 4:19
2. Never Find A Girl (To Love Me Like You Do) - 2:51
3. By The Pool - 2:39
4. Roll Over, Beethoven - 2:24
5. In The Shade - 3:27
6. Looking Across The Street - 5:03
7. Long Distance Look - 2:24
8. Hot Afternoon - 2:47
9. Crying In The Sun - 3:04
10. The Next Time - 2:35
11. Miss B. B. Walks Away - 3:48
12. Sleep Walk - 2:16
13. Standing There - 3:53


◆プロデュース: 立川 直樹

◆参加ミュージシャン: Steve Hiett(vo, g, b, ds), Elliott Randall(g, ds), 岡田 徹(k), 白井 良明(g), 鈴木 博文(g), 武川 雅寛(violin), 加藤 和彦(g), etc


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2017/09/03 11:30 AOR名盤(1983年) TB(0) CM(2)
Peter Allenの1983年のアルバム『Not The Boy Next Door』。
Peter Allen / Not The Boy Next Door (1983年)
Peter Allenはオーストラリア出身のシンガー・ソングライター。Olivia Newton-Johnの1974年のグラミー受賞曲「愛の告白」やMelissa Manchesterの78年のヒット曲「あなたしか見えない」、Christopher Crossが歌った81年の映画『Author』の主題歌「ニューヨーク・シティ・セレナーデ」などの作者としても知られる。

本作は通算7作目となるスタジオ・アルバムで、David Fosterがプロデュースした80年のアルバム『Bi-Coastal』に続く作品。プロデューサーはRichard Landis(Peterのセカンド・アルバムも担当)に代わっているが、前作のAORスタイルを踏襲した内容となっている。

収録曲は、Eric Kaz & Tom Snow作の「You Haven't Heard The Last Of Me」とDick St. Nicklaus作の「Somebody's Got Your Love」を除いてPeter Allenのオリジナル。多くは共作で、共作者はDavid Foster(1), Dean Pitchford(2, 9), Tom Keane(3), Carole Bayer Sager(4)と、前作と同じ顔ぶれが並ぶ。

アップ・テンポなナンバーでは、映画『』(84年)の全曲の作詞で有名なDean Pitchfordが手がけたエネルギッシュなタイトル曲や、Tom Keaneと共作した華やかなAORナンバー「You'll Always Get Your Way」、イントロがBilly Joelの「Movin' Out」風でカッコいい「Fade To Black」、日本では人気のあるDick St. Nicklausが他のアーティストに提供した数少ない1曲「Somebody's Got Your Love」が良い。

Peterが得意とするバラード系には、Carole Bayer Sagerの81年のアルバム『真夜中にくちづけ』からセレクトした「You And Me」や自作の「Easy On The Weekend」、ラストの「Once Before I Go」(D.Pitchford作詞)がある。このうち、自作の「Easy On The Weekend」は、Peterの熱唱とTom Scottの哀愁のサックスが胸に迫る素晴らしいナンバーだ。

ラストの「Once Before I Go」もPeterの歌唱が感動的。Peter AllenはBarry Manilowに勝るとも劣らないバラード・シンガーだと思う。生い立ちや生き方など、内面から滲み出てくるものがそうさせるのだと思うのだが、Peterの歌うバラードには力があり、元気づけられる。さぞやステージ映えもするだろうと思うが、85年の2枚組のライヴ・アルバム『』があるので、これをどこかが再発してくれないかと心待ちにしている。

●収録曲
1. Just Another Make-Out Song / 虚しい願い - 4:09
2. Not The Boy Next Door - 6:53
3. You'll Always Get Your Way / 愛は信ずるままに - 4:32
4. You And Me (We Had It All) - 4:14
5. Fade To Black - 3:52
6. Somebody's Got Your Love / うつろな君 - 3:34
7. You Haven't Heard The Last Of Me / ラスト・オブ・ミー - 4:14
8. Easy On The Weekend / 週末の恋 - 4:00
9. Once Before I Go / 去り行く前に - 4:22


◆プロデュース: Richard Landis

◆参加ミュージシャン: Peter Allen(k, vo), Charles Calello(ar), Charles Johnson/Fred Tackett(g), David Foster/Russell Ferrante(k), Neil Stubenhaus(b), Vince Colaiuta(ds), Tom Scott(sax), Steve Forman/Victor Feldman(per), Michael Boddicker(sy), Clydene Jackson/Jan Joyce/Jim Haas/Joe Chemay/Julia Tillman/Maxine Willard(bv), etc


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2017/08/22 17:10 AOR名盤(1983年) TB(0) CM(2)
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