音楽は心の糧、生活のサプリメント。洋楽を中心に極上の音楽との生活を綴ります。

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Melissa Manchesterの1977年のアルバム『Singin'... / 雨と唄えば』。
Melissa Manchester / Singin'... (雨と唄えば)
Melissa Manchesterは、女優としても活動するニューヨーク生まれのシンガー・ソングライター。彼女の歌声には、うなだれている人に前を向かせるような力がある。歌の持つそのような力を確かに感じ取ることのできる数少ない女性シンガーの一人だ。

本作は通算6枚目のスタジオ・アルバム。『Singin' ...』というタイトルが示すように、シンガーとしての彼女に光を当てたアルバムである。

収録された10曲のうち、彼女の自作の曲は「No One's Ever Seen This Side Of Me」のみ。残りの曲は、彼女の歌の魅力を最大限に引き出すべく、幅広い方面からセレクトされた。

「Sad Eyes / 悲しい瞳」は、ギタリストのDavid Spinozzaが本作のために書き下ろした曲。続く「I Wanna Be Where You Are / いつも一緒に」は、Michael Jacksonの72年のデビュー盤『』に収められたヒット曲で、Leon Ware/Arthur Rossの作。
「A Love Of Your Own / あなただけの愛」は、Ned Doheny/Hamish Stuart作の名曲。Ned Dohenyは76年のアルバム『Hard Candy』で、Hamish StuartはAverage White Bandの同年のアルバム『』で、この曲を歌っている。「You Make It Easy」は、James Taylorの75年のアルバム『』の収録曲だ。

後半は、Sly & The Family Stoneの69年作『』のタイトル曲で始まる。続く「My Love Is All I Know / 私のすべて」は、Wendy Waldmanの74年作『』からの選曲だ。
「Time」は、英国のミュージシャンであるJohn Milesの曲。Rupert Holmesがプロデュースした77年作『』の収録曲である。「Let Me Serenade You / 愛のセレナーデ」は、Three Dog Nightの73年のアルバム『』に収められたヒット曲だ。

ラストの1曲には、The Beach Boysの64年のアルバム『』から「The Warmth Of The Sun / 太陽の下で」が選ばれた。雨上がりの柔らかい青空のように、穏やかにアレンジされている。

「Sad Eyes / 悲しい瞳」は、彼女の歌声の強さが胸を打つ感動的な曲。彼女には「Don't Cry Out Loud / あなたしか見えない」という屈指の名唱があるが、それに匹敵する。

フロント・カヴァーには、どしゃ降りの雨の中を歌いながら走る彼女がいる。ずぶ濡れでも意に介さない。そんな圧倒的な爽やかさが彼女の歌にはある。

●収録曲
1. Sad Eyes / 悲しい瞳 - 4:04
2. I Wanna Be Where You Are / いつも一緒に - 3:47
3. A Love Of Your Own / あなただけの愛 - 3:59
4. No One's Ever Seen This Side Of Me / 誰も知らない私の悩み - 3:13
5. You Make It Easy - 5:05
6. Stand - 3:55
7. My Love Is All I Know / 私のすべて - 3:35
8. Time - 4:14
9. Let Me Serenade You / 愛のセレナーデ - 3:46
10. The Warmth Of The Sun / 太陽の下で - 3:52


◆プロデュース: Vini Poncia(bv)

◆参加ミュージシャン: James Newton Howard(ar, k), David Spinozza/Jeff Mironov(g), Don Grolnick(k), Will Lee/Tony Levin(b), Steve Gadd(ds), Lenny Castro(per), Tom Saviano(sax, flute), The Faragher Bros.(bv), etc


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2017/02/28 16:42 AOR名盤(1977年) TB(0) CM(2)
Stephen Bishopの1976年のアルバム『Careless』。
Stephen Bishop / Careless
Stephen Bishopは、哀愁漂うロマンティックな曲を作ることで人気のあるシンガー・ソングライター。自らの愛称をタイトルに付けた1978年のアルバム『Bish / 水色の手帖』は、AORの名盤として知られている。

彼は映画音楽も手掛けており、85年の映画『White Nights』の挿入曲で、Phil CollinsとMarilyn MartinによりBillboard Hot 100チャートの1位を獲得した「Separate Lives」や、82年の映画『Tootsie / トッツィー』のテーマ曲「It Might Be You」などはStephenの作。また、顔立ちが男前のStephenは、自らも役者として70年代、80年代の映画に何本か出演している。

本作『Careless』は、Stephen Bishopのデビュー作。
「On and On」がBillboard Hot 100チャートの11位のヒットを記録した他、「Save It for a Rainy Day / 雨の日の恋」も22位を記録するなど、ヒットという点ではStephenのアルバムの中で最も良い成果を残したアルバムだ。

本作の収録曲は全てStephenの自作で、そのほどんどは哀愁のある美しいバラード。それらの曲では、しっとりしたストリングスをバックに、Stephenの甘く香るような優しい歌声と、時折のきれいなファルセットを聴くことができる。残りのポップで軽快な曲に関しても、アコースティックな響きを基調とする穏やかなものが多い。

Eric Claptonが「Sinking In An Ocean Of Tears」と「雨の日の恋」の2曲でギターを弾くなど、デビュー作にしては参加ミュージシャンの顔ぶれが豪華。バック・ヴォーカリストには、Chaka Khan(2, 7, 10の3曲)、Art Garfunkel(3, 6, 11の3曲)の名前も見られる。Clapton以外のギタリストも、Larry Carlton, Lee Ritenour, Jay Graydonと、役者を揃えている。

Stephen Bishopは、その服装も洒落ている。モノクロのフロント・カヴァーからは分からないが、インナーを見ると、白いジャケットにピンクのシャツ、ネクタイにハットという服装で、その足元をスニーカーで崩すカッコ良さ。彼のサイト stephenbishop.com を見ても、デザインがとてもスタイリッシュだ。
Stephen Bishop / Careless (インナー・フォト)

●収録曲
1. On And On - 3:00
2. Never Letting Go - 3:45
3. Careless - 3:42
4. Sinking In An Ocean Of Tears - 3:08
5. Madge - 4:03
6. Every Minute - 3:57
7. Little Italy - 3:35
8. One More Night - 3:58
9. Guitar Interlude - 0:32
10. Save It For A Rainy Day / 雨の日の恋 - 3:10
11. Rock And Roll Slave - 3:35
12. The Same Old Tears On A New Background - 2:38


◆プロデュース: Henry Lewy, Stephen Bishop(vo, g)

◆参加ミュージシャン: Eric Clapton/Andrew Gold/Jay Graydon(g), Craig Doege(k), Jim Gordon/Russ Kunkel(ds), Art Garfunkel/Chaka Khan/Leah Kunkel(vo), etc


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2017/02/27 16:25 AOR名盤(1974~1976年) TB(0) CM(0)
Erik Taggの1982年のアルバム『Dream Walkin'』。
Erik Tagg / Dream Walkin' (1982年)
Erik Taggは、AORやフリー・ソウル・シーンで高い人気を集めるミュージシャン。アメリカ生まれだが、20歳の時にオランダに渡って音楽のキャリアをスタートした。ソロ・アルバムは4枚あり、最初の2枚は欧州リリース。本作は、(恐らく)日本のみでリリースされた3作目である。

Erik Taggは、前年のLee Ritenourのアルバム『RIT』のリード・シンガーに起用され、その名前を知られるようになった。『RIT』には、フュージョンのアルバムには珍しくヴォーカル曲が4曲あり、その全てでErikがリード・ヴォーカルを担当している。そのうちの1曲、「Is It You?」がBillboardシングル・チャートの15位となるヒットを記録した。

小倉エージ氏の解説によると、『RIT』で有名になったのはErik Taggだけではない、とされている。それまで無名のギタリストであったLee Ritenourは、『RIT』の成功により有名になったのだと。その意味で、Erikの果たした貢献は大きい。

本作では、前作のヒットのお返しのように、Lee Ritenourがプロデュースを担当した。参加ミュージシャンも、多くは『RIT』と同じ顔ぶれ。ポップ・オリエンテッドな『RIT』の路線を推し進め、Erikのヴォーカル曲のみのアルバムを作ったと言っても良いだろう。

ラストの「Mãos De Afeto」はIvan Lins作であるが、それ以外の収録曲は、共作も含めてErikのオリジナル。共作に関しては、「Promises Promises」がBill Champlin、Lee Ritenourと、「Dreamwalkin'」がKath McNultyとの共作である。「Promises Promises」は、「Is It You?」と同じ顔ぶれだ。また「Mãos De Afeto」は、Ivan Linsの1977年のアルバム『』からのカヴァーである。

Erik Taggの最大の魅力はそのロマンティックな歌声にある。独特の湿度と温もりがあり、どこか青臭くてナイーヴ。万人が聴いて、万人が気持ちよいと感じるであろう、天与の歌声だ。

『RIT』のエレガントなサウンドを残しつつ、Erikの歌声を存分に味わえるアルバム。本作が日本のみの発売というのは少々不思議。一方の米国では、Lee Ritenourが『RIT』の続編となる『RIT/2』を制作し、1982年にリリースしている。そこでは再びErik Taggのヴォーカルがフィーチャされ、本作の「Promises Promises」と「Dreamwalkin'」も別バージョンで収録された。

●収録曲
1. No One There - 3:33
2. Marianne (I Was Only Joking) - 4:10
3. Promises Promises - 4:33
4. Dreamwalkin' - 4:26
5. In The Way - 3:21
6. A Bigger Love - 4:30
7. Crybaby - 4:19
8. Just Another Dream - 3:54
9. Marzipan - 4:07
10. Mãos De Afeto - 4:18


◆プロデュース: Lee Ritenour(g)

◆参加ミュージシャン: David Foster/Don Grusin/Greg Mathieson(k), David Hungate/Nathan East/Abraham Laboriel(b), John Robinson(ds), Alex Acuna(ds, per), Tom Scott(sax), Jerry Hey/Gary Herbig/Chuck Findley(horn), etc


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2017/02/25 17:13 AOR名盤(1982年) TB(0) CM(0)
Kenny Rankinの1988年のアルバム『Hiding In Myself』。
Kenny Rankin / Hiding In Myself (1988年)
Kenny Rankinは60年代終わりから活動するアメリカのシンガー・ソングライター。本作は通算8枚目となるアルバムで、80年リリースの前作『After the Roses』からは8年のブランクが空いている。Kenny Rankinが80年代に制作したアルバムは、前作と本作の2枚のみだ。

本作のプロデュースには、Kenny Rankin以外に、その奥様と思しきAime Ulrich Rankinが名を連ねている。
収録曲は12曲で、Kennyの自作が2曲(4, 10)、奥様Aimeとの共作が7曲(1, 2, 3, 6, 8, 9, 11), Marvin Gayeのカヴァーが2曲(5, 7), Jimmy Webb作が1曲(12)となっている。

Marvin Gayeの2曲は、1972年のアルバム『』と73年のアルバム『』の各々タイトル曲。また、Jimmy Webbの「She Moves, Eyes Follow」に関しては、Jimmy本人も2005年のアルバム『』でセルフ・カヴァーした。

Lee Sklar(b)とVinnie Colaiuta(ds)が本作のリズム・セクションを担っており、サウンドの印象は堅実で硬質。その上を、Robben Fordがブルージーなギターをクールに弾いている。

ゲストは、Steve Lukather(g)、David Crosby(vo)、John Sebastian(banjo, harmonica)等。
Lukatherは、Marvin Gayeの「Trouble Man」でブルージーなギターを弾いているが、正直、Robben Fordとあまり差がない。これに対し、David Crosbyが参加した「Down The Road」は本作の中で最もロマンティックな曲。David CrosbyとKenny Rankinの男二人のデュエットは、Simon & Garfunkelのように美しい。

「Let's Get It On」は、Kenny Rankinらしい秀逸なカヴァー。アコースティック・ギターとベース、パーカッションだけでスローに聴かせるアレンジは斬新で、Marvinの有名曲だということになかなか気付かない。

バック・カヴァーに写る美しい女性がAimeのようだ。本作には、"This album is dedicated to aime." と記されている。
Kenny Rankin / Hiding In Myself (バック・カヴァー)

Aime Ulrich Rankinがクレジットされているアルバムがもう1枚あった。それは、Dan Siegelの1991年のアルバム『』。アルバムの2曲をDan Siegelと共作しており、夫のKennyも3曲で歌っている。

●収録曲
1. Lovin' Side - 4:49
2. Before The Fall - 5:33
3. Delila - 4:05
4. Hiding In Myself - 3:48
5. Trouble Man - 4:11
6. Keep The Candle Burnin' - 4:00
7. Let's Get It On - 4:34
8. She Knows Me Well - 5:20
9. Down The Road - 3:41
10. Velez - 5:33
11. Muddy Creek - 3:34
12. She Moves, Eyes Follow - 3:59


◆プロデュース: Jeffrey Weber, Kenny Rankin(vo, p), Aime Ulrich Rankin

◆参加ミュージシャン: David Crossby(vo), Robben Ford/Steve Lukather(g), David Benoit/Randy Kerber(k), Lee Sklar(b), Vinnie Colaiuta(ds), Geraldo Velez/Chris Trujillo(per), Richard Elliot(sax), John Sebastian(banjo, harmonica), etc


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2017/02/24 16:21 AOR名盤(1984~1990年) TB(0) CM(0)
Michael Franksの1983年のアルバム『Passion Fruit』。
Michael Franks / Passion Fruit
Michael Franksは、AORやジャズ・シーンを代表するシンガー・ソングライター。ジャズやボサノヴァが香るエレガントな楽曲を繊細なウィスパー・ヴォイスで歌うというスタイルを、デビュー以来貫いている。その知的な音と歌声は、一聴するとMichael Franksのものと分かるほど個性的。また、端正な顔立ちとクールな佇まい、スタイリッシュなカヴァー・アートというビジュアル面でも際立つ上質感がある。

知的という点では、Donald FagenやKenny Rankin、Ben Sidranなども思い浮かぶが、Michael Franksの場合は、博士号を持つ本物のインテリ。だが、その音はどこまでもソフトでロマンティックだ。

本作は、Michael Franksの通算8作目となるスタジオ・アルバム。
70年代のアルバムのほとんどは、Tommy LiPumaがプロデュースを担当していたが、80年代に入ってからはプロデューサーを変えており、本作以降はRob Mounseyがプロデュースを担当している。

70年代のメロウな質感のアルバム群と比べると、音の輪郭はシャープ。また、「Now That Your Joystick's Broke / ジョイスティックが壊れる時」などの電子音を取り入れた曲に80年代を感じる。

「Rainy Night In Tokyo」は、大の日本好きで知られるMichael Franksらしい曲。私のCDは輸入盤だが、歌詞カードには「東京の夜は雨」という日本語のタイトルまで併記された。

「When Sly Calls (Don't Touch That Phone) / スライが電話をしてきたら」は、本作の中で一番スタイリッシュな曲。Manhattan Transferのようなキメキメの女性コーラスに、Randy BreckerのFlugelhornがシャープに絡む様は最高にクールだ。

「Never Satisfied」と「How The Garden Grows / ふたりの花園」の2曲では、Toots Thielemansがハーモニカを吹いている。特に、「ふたりの花園」における郷愁たっぷりのハーモニカには泣かされる。Tootsの数ある名演の中でも最高の1曲ではないだろうか。

なお、Tommy LiPumaがすっかり手を引いたかというと、そうでもない。本作のデザインは、Tommy LiPumaの姪であるLaura LiPumaが担当している。

●収録曲
1. Alone At Night / ひとりぼっちの夜 - 4:35
2. Never Satisfied - 3:51
3. Amazon - 5:40
4. Now That Your Joystick's Broke / ジョイスティックが壊れる時 - 2:48
5. Sunday Morning Here With You / 愛のサンデイ・モーニング - 4:33
6. Never Say Die - 3:36
7. Rainy Night In Tokyo / 東京の夜は雨 - 4:42
8. Tell Me All About It / 愛の物語 - 4:31
9. When Sly Calls (Don't Touch That Phone) / スライが電話をしてきたら - 5:22
10. How The Garden Grows / ふたりの花園 - 3:37


◆プロデュース: Rob Mounsey(k)

◆参加ミュージシャン: Hiram Bullock/Jeff Mironov/John Tropea(g), Will Lee(b, bv), Neil Jason(b), Steve Gadd/Chris Parker(ds), Nana Vasconcelos(per), Astrud Gilberto/Kenny Rankin/Hamish Stuart(bv), Randy Brecker(tp), Toots Thielemans(harmonica), etc


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2017/02/23 18:11 AOR名盤(1983年) TB(0) CM(0)
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