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Tony Sciutoの1980年のアルバム『Island Nights』。
Tony Sciuto / Island Nights (1980年)
Tony Sciutoはアメリカ東海岸出身のシンガー・ソングライター。1965年に音楽活動をスタートし、70年代にはL.A.に移って、作詞家のSammy Egorinとソングライター・チームを組んで活動を続けた。Bay City RollersやMarcus Josephなどが彼らの曲を歌っている。

この『Island Nights』はTony Sciutoのデビュー・アルバム。日本人の琴線に触れるようなメロディを書く人で、このアルバムは本国のアメリカでは売れなかったが、日本ではちょっとしたヒットになったようだ。

本作は、作曲Tony Sciuto、作詞Sammy Egorinの10曲を収録(「Street Dancer」には、Steve Warehimeも参加)。タイトル曲や「You've Got A License」あたりの哀愁漂うメロディには、確かに日本の歌謡曲のような湿度がある。「Island Nights」にはオーケストラによる重厚なプロローグ「Island Nights Theme」もあって、ムード満点だ。

一方、「Hold Back The Night」「Cafe L.A.」「Angel」「Butterfly」などのスロー~ミディアム・テンポの曲は、ライト&メロウの王道という感じ。特に、「Hold Back The Night」は本作一番の爽やかなナンバーで、オーストラリアの歌手Jon Englishによってカヴァーされ、シングル・カットもされた(アルバム『Calm Before the Storm』(80年)に収録)。

風の音で始まるラストの「Butterfly」は、まどろみを誘うように美しいアコースティック・ナンバー。1曲目の重厚なオーケストラとのコントラストを効かせつつ、ロマンティックな余韻を残す。

ポップな「Trapeze」は、Marcus Josephが78年のアルバム『Things I Meant To Say / 伝えたかった言葉』で歌った曲のセルフ・バージョン。Nigel Olssonも80年のアルバム『Changing Tides』でカヴァーしている。

参加ミュージシャンの顔ぶれは、Steve Lukather(g), Bill Cuomo(k), Mike Porcaro(b), Ed Greene(ds), Tom Scott/Jim Horn(sax)と、豪華。私の手元のCDは2000年に初CD化された際の "20th Anniversary Limited Edition" というもので、「Hold Back The Night」と「Cafe L.A.」の日本でのライヴなど、4曲のボーナス・トラックを収録している。

Tony Sciutoは90年代に入ると、Little River Band(90年~97年)、Player(98年~2001年)という名グループのメンバーとして活躍した。いいポジションで仕事をしているな、と思う。

●収録曲
1. Island Nights Theme - 0:38
2. Island Nights - 3:56
3. Hold Back The Night - 4:16
4. You've Got A License (To Drive Me Crazy) - 3:54
5. Cafe L.A. - 4:59
6. Trapeze - 3:31
7. Angel - 4:09
8. Captain Wonderful - 4:37
9. Street Dancer - 4:02
10. Butterfly - 3:18


◆プロデュース: Steve Dorff(k)

◆参加ミュージシャン: Tony Sciuto(vo, g, k), Steve Lukather/Thom Rotella(g), Bill Cuomo(k), Michael Sciuto(b, bv), Mike Porcaro/Scott Edwareds(b), Ed Greene/Ron Tutt(ds), Tom Scott/Jim Horn(sax), Joe Chemay/Curt Betcher(bv), etc


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2018/08/19 17:56 AOR名盤(1980年) TB(0) CM(0)
Peter Allenの1980年のアルバム『Bi-Coastal』。
Peter Allen / Bi-Coastal (1980年)
Peter Allenはオーストラリア生まれのシンガー・ソングライター。Olivia Newton-Johnの1974年のグラミー受賞曲「I Honestly Love You / 愛の告白」や、Melissa Manchesterの78年のヒット曲「あなたしか見えない」、Christopher Crossが歌った81年の映画『Author』の主題歌「ニューヨーク・シティ・セレナーデ」などの共作者としても知られている。

この『Bi-Coastal』は、Peter Allenの6枚目のアルバム。David Fosterがプロデュースを手がけ、Allenの書くロマンティックなメロディを華やかにコーディネートした名作だ。Fosterがプロデュースした当時の作品の中では1番に挙げて良いくらい、曲、演奏、アレンジのクオリティが高い。

全曲がPeter Allenのオリジナルで、「Simon」以外は共作曲。Tom Keane & David Foster(1, 3)、Carole Bayer Sager & D.Foster(2, 9)、David Lasley(4, 7)、D.Foster(5, 10)、Dean Pitchford(6)と、選りすぐりの実力派が共作の相手になっている。

「One Step Over The Borderline」や「Fly Away」、「Pass This Time」は、Fosterのアレンジの手腕が光る都会的でエレガントなナンバー。メロウな「Fly Away」は、竹内まりやの同年のアルバム『』に書き下ろした曲に、Fosterが手を加えたものらしい。

TOTOのJeff Porcaro(ds), Steve Lukather(g), Mike Porcaro(b)が熱く演奏する「Hit In The Heart」のようなロック・チューンもあるが、Allenの作る曲の魅力は、優しさ溢れるバラードで発揮される。本作では、David Lasleyと共作した2曲と「Simon」、ラストの「When This Love Affair Is Over」がバラード曲。

こうした曲は他のシンガーにも好まれ、「I Don't Go Shopping」はPatti Labelleのアルバム『』(80年)で、「Somebody's Angel」はDionne Warwickのアルバム『』(80年)で歌われた。

「Simon」も素晴らしい曲。無二の親友だったサイモンから、今日、電話があった。「初めて愛した女の子と、結婚するために駆け落ちをした」、と。自分にやさしくしてくれたサイモンを思い出し、"Simon, Simon, ..." と、万感胸に迫るように歌う。この曲は68年に書かれ、当時の夫人だったLiza Minnelliがアルバム『Come Saturday Morning』(69年)で歌った。AllenはLiza Minnelliとの結婚生活(67年~74年)の後に、自分がゲイであることをカミングアウトしている。92年、エイズによる合併症のため夭逝。

Peter Allenの作る曲はロマンティックなだけでなく、寄り添うような優しさや人間味があり、心を動かされる。また、歌声もAllenの大きな魅力。本作では特に「I Don't Go Shopping」の歌いっぷりが見事で、Lon Priceによるサックス・ソロの素晴らしさと相まって、爽やかな感動を残す。

●収録曲
1. One Step Over The Borderline - 3:54
2. Fly Away - 4:05
3. Bi-Coastal - 4:22
4. I Don't Go Shopping - 3:33
5. Hit In The Heart - 3:24
6. I Could Really Show You Around - 4:13
7. Somebody's Angel - 4:17
8. Simon - 3:25
9. Pass This Time - 4:00
10. When This Love Affair Is Over - 6:05


◆プロデュース: David Foster(k)

◆参加ミュージシャン: Peter Allen(vo, k), Steve Lukather/Jay Graydon/David Williams/Richie Zito(g), Tom Keane(k), Larry Williams(k, sax), Mike Porcaro(b), Jeff Porcaro/Carlos Vega/Ed Greene/Ralph Humphrey(ds), Paulinho Da Costa(per), Jerry Hey(tp), Richard Page/Steve George(bv), etc


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2018/08/12 10:19 AOR名盤(1980年) TB(0) CM(0)
Leah Kunkelの1980年のアルバム『I Run With Trouble』。
Leah Kunkel / I Run With Trouble (1980年)
Leah Kunkelはアメリカの女性シンガー・ソングライター。彼女の姉は「夢のカリフォルニア」のヒットで知られるThe Mamas & The PapasのCass Elliot。夫は売れっ子セッション・ドラマーのRuss Kunkelである。

彼女には2枚のソロ・アルバムがあり、本作『I Run With Trouble』はセカンド・アルバム。1作目の『Leah (リア)』(79年)では、夫のRuss Kunkelが全曲のドラムスを担当し、プロデュースにも関わったが、本作のクレジットには名前がない。

収録された10曲のうち、彼女のオリジナルは「The Only Man On Earth」と「Temptation」の2曲で、残りはJimmy Webb(1, 5)、Peter McCann(4)、Harlan Collins(8)などのライターが曲を提供している。また、「Dreaming As One」はWilliam D. Smith等の作で、本作より早く、Blood, Sweat & Tearsの77年のアルバム『Brand New Day』や同じ年のPointer Sistersのアルバム『』で歌われた。

Jimmy Webb作の「Let's Begin」はとても清々しい曲。透き通ったメロディはLeah Kunkelのナチュラルな歌声にぴったりだ。Jeff Porcaro、Mike Porcaro、Steve Lukather等の演奏は柔らかく、Tom Scottの爽やかなサックスや、ストリングスの美しさも印象に残る。Jimmy Webbのもう1曲「Never Gonna Lose My Dream Of Love Again」も、タイトルどおりの颯爽とした曲だ。

Leah Kunkelの書いた「Temptation」は落ち着いたミドル・テンポの曲。憂いのあるメロディと相まって、Carly Simonの「You Belong To Me」あたりを思わせる。この曲は『』(2016年)という珍しいコンピレーション・アルバムの1曲に選ばれている。

Harlan Collins作の「Heart Of Stone」も気持ちのいい曲。Jimmy Webbが作って、Art Garfunkelが歌いそうな爽やかなメロディの曲だ。Harlan Collinsは1作目でも「Losing In Love / また恋を失って」という素晴らしいメロディの曲を提供している。

このアルバムのCDは、ソニーの「AOR CITY 1000」シリーズから2017年夏に再発される予定だったが、どういう訳か、発売延期未定の状態になっている。Leah Kunkelの顔が透けて写るフロント・カヴァーがちょっと怖いが、内容のほうは、彼女の穏やかな歌声を満喫できる癒しと安らぎのアルバムだ。

●収録曲
1. Let's Begin - 3:43
2. The Only Man On Earth - 3:27
3. Temptation - 3:24
4. Hard Feelings - 3:03
5. Never Gonna Lose My Dream Of Love Again - 2:48
6. Someone On Your Mind - 3:02
7. Dreaming As One - 3:26
8. Heart Of Stone - 2:59
9. Fast Asleep - 3:20
10. I Run With Trouble - 3:50


◆プロデュース: Henry Lewy, Leah Kunkel(vo, k, sy)

◆参加ミュージシャン: Steve Lukather/Stephen Bishop/Mitch Holder(g), John Jarvis/Craig Doerge(k), Matt McCauley(sy), Mike Porcaro/Abraham Laboriel(b), Jeff Porcaro/John Guerin(ds), Lenny Castro/Steve Foreman(per), Tom Scott(sax), Graham Nash/David Lasley/William D. Smith(bv), etc

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2018/05/30 14:02 AOR名盤(1980年) TB(0) CM(0)
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