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Seawindの1976年のアルバム『Seawind』。
Seawind / Seawind (1976年)
Seawindはハワイ生まれのフュージョン・グループ。Bob Wilson(ds)とPauline Wilson(vo)夫妻を中心に1974年に結成され、82年の解散までに4枚のアルバムを残した。Bob Wilsonはアルバムのほとんどの曲を作る中心的存在。奥様のPaulineはキュートな美声でありながら、バックの強力な演奏に負けないパワフルな歌唱をする実力派である。また、Jerry Hey(tr)とLarry Williams/Kim Hutchcroft(sax)による "シーウィンド・ホーン・セクション" を擁しており、そのモダンな音とテクニックも高く評価された。

この『Seawind』は、彼らのファースト・アルバム。プロデュースをジャズ・ドラマーのHarvey Masonが担当している。全曲が彼らのオリジナルで、そのうち「Make Up Your Mind」の1曲はHarvey Masonとの共作である。前半(LPでいうA面)の5曲はヴォーカル曲で、Pauline Wilsonが4曲(1-4)、ギタリストのBud Nuanezが1曲(5)のリード・ヴォーカルを担当。後半の3曲は、歌詞のないインスト曲になっている。

前半の5曲はファンキーな3曲(1, 2, 4)とメロウな2曲(3, 5)という構成。ファンキーな曲でのシーウィンド・ホーンズの切れ味の鋭いこと。ノリノリで、歌うようにメロディアスな「We Got A Way」のベースラインを聴くと、同じ年代のHerbie Hancockのアルバムを思い出す。

メロウな2曲のうち、「He Loves You」は、Paulineの爽やかな美声をフィーチャしたバラード曲。一方の「A Love Song / Seawind」は、ハワイの穏やかな風を感じるようなリラックス・ナンバーで、Bud Nuanezが甘くささやくように歌う「A Love Song」から、大らかなインスト・パートの「Seawind」へと続くメドレー形式になっている。

アルバム後半は、再びファンキーな「Make Up Your Mind」でスタート。続く「Praise (Part I)」は、まるでThe Crusadersのような寛いだ演奏を堪能できる素晴らしいナンバーだ。このアルバムでは異色だが、とてもいい曲。ラストの「Roadways (Parts I & II)」は、フュージョン・プログレといった趣きの凝った構成の組曲になっている。

デビュー・アルバムにして、曲の多彩さと高度な演奏技量、アンサンブルの良さを見せている。Paulineのキュートでパンチの効いた歌声を存分に味わいたいならば、4作目の『Seawind (海鳥)』(80年)もおすすめ。そちらでは、George Dukeがプロデュースを担当している。

●収録曲
1. We Got A Way - 3:35
2. You Gotta Be Willin' To Lose (Part II) / 失う喜び (パート II) - 2:41
3. He Loves You - 4:57
4. The Devil Is A Liar / 悪魔は嘘つき - 4:35
5. A Love Song / Seawind - 5:45
6. Make Up Your Mind - 4:14
7. Praise (Part I) / 賞賛 (Part I) - 6:08
8. Roadways (Parts I & II) - 9:01


◆プロデュース: Harvey Mason(per, bv)

◆参加ミュージシャン: Pauline Wilson(vo), Bud Nuanez(g, vo), Larry Williams(k, sax), Ken Wild(b), Bob Wilson(ds), Kim Hutchcroft(sax), Jerry Hey(tp)
with Paulinho Da Costa/Ralph MacDonald(per), Ian Underwood(sy)

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2018/06/17 18:34 Jazz / Fusion TB(0) CM(0)
笠井 紀美子の1984年のアルバム『Love Talk』。
笠井 紀美子 / Love Talk (1984年)
笠井紀美子は日本を代表するジャズ・シンガーの一人。70年代、80年代を中心に20枚ほどのアルバムを制作しており、Herbie Hancockと共演するなど、世界を舞台に音楽活動をした。その後、1987年に始めたジュエリー・デザインの仕事が本業となり、サンタモニカに在住しながら宝飾品ブランドの「kimiko by KIMIKO」を運営している。

この『Love Talk』は、80年代に入って2作目となるアルバムで、前作『KIMIKO』に続き、Richard Rudolphがプロデュースを担当した。Richard Rudolph氏は、故Minnie Ripertonの夫であるが、90年に笠井 紀美子と結婚している。

収録曲は全てヴォーカル曲で、Randy WaldmanやTom Snow、Michael Sembelloなどのライターが曲を提供。ジャズ・ヴォーカルのアルバムというよりは、Adult Contemporary路線のポップな内容で、笠井 紀美子のキュートでエレガントな歌声を生かした曲が多い。

珍しいところでは、Roberta Flackが歌った「Killing Me Softly With His Song / やさしく歌って」(73年, 米1位)のカヴァーが収録されている。静かにしっとりと聴かせるRoberta Flackのバージョンを、ミドル・テンポの華やかな曲にアレンジしており、とても新鮮。

タイトル曲「Love Talk」では、彼女の色香のある歌声が存分に披露される。当時、化粧品のCMのタイアップ・ソングになったということも頷ける、ポップで愛らしい曲だ。

84年にはもう1枚、『』というアルバムもリリース。こちらは日本のみの発売のようだ。他にも、ソニーの「ジャズ・コレクション1000」や「クロスオーヴァー&フュージョン1000」、「AOR CITY 1000」から、笠井 紀美子の主だったCDが再発されているので、ひととおり揃えておこうかな、と思案中。

●収録曲
1. No Way, Not Me - 4:13
2. Whisper Love - 5:08
3. The Things That We Do When We're Lonely / さみしい時には - 4:20
4. Mmm Mmm Good - 5:14
5. Killing Me Softly With His Song / やさしく歌って - 5:07
6. Make Up, Break Up - 3:49
7. Love Talk - 4:07
8. Nailed In The Pocket - 5:21


◆プロデュース: Richard Rudolph

◆参加ミュージシャン: Kimiko Kasai(vo), Lee Ritenour/Paul Jackson Jr./David Williams/Kevin Clark(g), Randy Waldman(k), Nathan East(b), Harvey Mason/John Robinson(ds), Larry Williams(k, sy, sax), Paulinho Da Costa(per), Denise Routt(bv), etc

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2018/06/03 19:58 Jazz / Fusion TB(0) CM(0)
Tom Scottの1978年のアルバム『Intimate Strangers』。
Tom Scott / Intimate Strangers (1978年)
Tom ScottはLA生まれのジャズ・サックス奏者。最初のソロ・アルバムを発表したのは1968年で、その後は2年に1枚くらいのペースでアルバムを出している。73年には自身がリーダーを務めるL.A. Expressを結成し、これまでに4枚のアルバムを発表。また、Tom ScottはThe Blues Brothers(78年~)のオリジナル・メンバーであり、彼らの4枚のアルバムに参加している。

本作『Intimate Strangers』は、Tom ScottがSteve Gadd(ds), Richard Tee(k), Eric Gale/Hugh McCracken(g), Ralph MacDonald(per), Gary King(b)といったNYのジャズ・プレイヤーと共演したアルバム。録音はLAで行われており、TOTOからDavid Paich(k)とSteve Porcaro(sy)が参加。また、3-1「Lost Inside The Love Of You (Reprise)」では、Jaco Pastoriusがベースを弾いている。

アルバムの前半は拍手とMCで始まる組曲になっており、Part1からPart3に分かれている。後半はポップでファンキーな4曲を収録。ほとんどの曲はTom Scottの作だが、「You're So Good To Me」についてはRichard Tee、ラストの「Beautiful Music」はRalph MacDonaldとWilliam Salter等の作だ。

前半の組曲は、ジャズ、ファンク、ポップといった要素を巧みにアレンジして3パート、全7曲からなる組曲にまとめたもの。幻想的な1-2「Lost Inside The Love Of You」や、それをJaco Pastoriusのベースで聴く3-1「Lost Inside The Love Of You (Reprise)」、Tom Scottの歌声を聴くことのできる「Do You Feel Me Now」など、聴きどころが多い。組曲の始まりと終わりには拍手とMCを入れてライヴ録音のように仕上げているが、実際はスタジオ録音である。

後半の4曲の中では、「Breezin' Easy」が好み。タイトルのように、穏やかなそよ風を感じながら寛いでいる気分になれる曲。リラックスした曲調だけど、Gaddのドラムスだけは終始堅実にリズムを刻んでおり、聴いていると落ち着く。

このアルバムは、2017年夏の「AOR CITY 1000」シリーズの1枚に選ばれている。TOTOのDavid PaichとSteve Porcaroの2人が参加したからだろうか。ロック好きやAOR好きへのおすすめという点では、Jeff PorcaroのドラムスとCarlos Riosのギターを全面的にフィーチャした翌年のアルバム『』もある。

●収録曲
Intimate Strangers (Suite): Part 1 - Sudden Attraction
1-1. Hi Steppers - 3:52
1-2. Lost Inside The Love Of You - 5:03
Part 2 - A Day & Nite Out Together
2-1. Getaway Day - 4:06
2-2. Nite Creatures - 3:56
Part 3 - Loving & Leaving
3-1. Lost Inside The Love Of You (Reprise) - 2:54
3-2. Do You Feel Me Now - 4:14
3-3. Hi Steppers (Reprise) - 1:23
4. Breezin' Easy - 6:03
5. You're So Good To Me - 4:26
6. Puttin' The Bite On You - 5:26
7. Beautiful Music - 4:28


◆プロデュース: Hank Cicalo, Tom Scott(sax)

◆参加ミュージシャン: Eric Gale/Hugh McCracken(g), Richard Tee/David Paich(k), Steve Porcaro(sy), Gary King/Jaco Pastorius(b), Steve Gadd(ds), Ralph MacDonald(per), etc


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2018/05/02 10:27 Jazz / Fusion TB(0) CM(0)
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