音楽は心の糧、生活のサプリメント。洋楽を中心に極上の音楽との生活を綴ります。

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Libby Titusの1977年のアルバム『Libby Titus』。
Libby Titus / Libby Titus (1977年)
Libby TitusはNY生まれのミュージシャン。デビュー・アルバムは1968年の『』で、そこでは歌手として、The BeatlesやBee Gees、Joni Mitchellなどの曲をカヴァーしている。その後にオリジナル曲も書くようになり、Eric Kazと共作した「Love Has No Pride」をBonnie RaittやLinda Ronstadtが歌ったことで、ソングライターとして評価されるようになった。

私生活では、19歳のときに小説家のBarry Titus氏と結婚するも、3年で離婚。その直後にThe BandのドラマーだったLevon Helmと恋仲になり、娘のAmyを授かっている。また80年代の終わりには、カレッジ時代の同窓生だったDonald Fagenと出会い、93年に結婚した。

さて、1作目と同じタイトルが付けられた本作は、彼女のセカンド・アルバム。プロデュースを担当したのはPhil Ramoneで、曲によってPaul Simon, Carly Simon, Robbie Robertsonが共同プロデュースをしている。

アルバム前半には他のミュージシャンとの共作曲と、ビートルズも歌ったR&Bスタンダードの「Kansas City」を収録。共作者は、Al Kooper(1)、Carly Simon(3)、Hirth Martinez(4)、Eric Kaz(5)となっている。

後半は、Carly Simonの書き下ろし3曲(7, 9, 10)と、カヴァー2曲(6, 8)という構成。カヴァー曲のうち「Yellow Beach Umbrella」は、Three Dog Nightの76年のアルバム『』の収録曲で、「Miss Otis Regrets」は1930年代の曲(Cole Porter作)である。

1曲目の静かな「Fool That I Am / バカなわたし」を聴くと、その独特の声の魅力に惹き込まれる。まるでKate Bushのような神秘的な声だ。Eric Kazと共作した素朴で穏やかなバラードの「Love Has No Pride」も、Libby Titusが歌うと物憂げなヴェールに包まれる。

Carly Simonの書いた曲が多いが、その中では「Wish I Could」がLibbyの声にとても合っている。甘い郷愁を誘う間奏の口笛もいい。二人は親交があり、Carly Simonの76年のアルバム『』に収録された「Libby」という曲は、Libby Titusのことを歌っている。

Donald Fagenの93年のアルバム『』は、Libbyと結婚した年のアルバム。二人は「Florida Room」という最高に気持ちのいい曲を共作しており、そこには(Levon Helmとの間の)娘のAmyもバック・ヴォーカルで参加している。Donald Fagenはスクール時代、美しいLibbyを遠くから見ているだけだったというから、この時、最高に幸せだったのだろう。

●収録曲
1. Fool That I Am / バカなわたし - 3:48
2. Kansas City - 3:27
3. Can This Be My Love Affair / 情事 - 2:32
4. The Night You Took Me To Barbados In My Dreams / 夢の中のバルバドスの夜 - 2:46
5. Love Has No Pride - 3:53
6. Yellow Beach Umbrella - 4:18
7. Can't Believe You're Mine - 2:23
8. Miss Otis Regrets - 3:45
9. Wish I Could - 3:00
10. Darkness 'Til Dawn - 3:45


◆プロデュース: Phil Ramone(1-3, 5-7, 9), Paul Simon(1, 2), Carly Simon(3, 7, 9, 10), Robbie Robertson(4, 8)

◆参加ミュージシャン: Libby Titus(vo), Hugh McCracken/John Tropea/Joe Beck(g), Don Grolnick/Garth Hudson(k), Tony Levin/Will Lee(b), Ricky Marotta/John Guerin/Christopher Parker(ds), George Young(sax), Paul Simon/Patti Austin/Carly Simon/James Taylor(bv), etc

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2018/05/16 11:09 Rock / Pops名盤(70年代) TB(0) CM(0)
Paul Simonの1975年のアルバム『Still Crazy After All These Years / 時の流れに』。
Paul Simon / Still Crazy After All These Years (時の流れに) (1975年)
Paul Simonはアメリカを代表するシンガー・ソングライター。Art Garfunkelとフォーク・ロック・デュオのSimon & Garfunkelを組んで60年代後半のヒット・チャートを席巻し、ソロになってからは、ラテン、レゲエ、アフリカンなどの多様な音楽を取り入れたアルバム制作で高い評価を得ている。

『時の流れに』はPaul Simonの4枚目のソロ・アルバム。最初のソロ・アルバムはSimon & Garfunkelの活動中(65年)に制作されているので、S&G解散後のアルバムとしては3作目になる。

本作はPaul Simonの代表作といってよいだろう。アルバムはBillboard 200チャートの1位を獲得し、シングルでは、「恋人と別れる50の方法」がBillboard Hot 100チャートの1位になったほか、「My Little Town」が9位、「哀しみにさようなら」が23位、「時の流れに」が40位をマークした。76年のグラミー賞では "Album of the Year" と "Best Male Pop Vocal Performance" の2冠を受賞している。

タイトル曲は、昔の恋人に再開した心境を "Still Crazy" という素敵なフレーズで表した名曲。Barry Beckettの美しいエレピにリードされて、穏やかなメロディが邦題の "時の流れ" のように淡々と流れていく。控えめな印象の曲だが、とても豊かな余韻を残す。

爽やかな「My Little Town」はArt Garfunkelと久しぶりにデュエットした曲で、ヴォーカルのクレジットは "Simon and Garfunkel" になっている。Art Garfunkelも同じ年のソロ・アルバム『Breakaway / 愛への旅立ち』でこの曲を歌った。

続く「I'd Do It For Your Love / きみの愛のために」は穏やかなバラード。叙情的なメロディとKen Asherの優しいエレピが感動を誘う。

一転して、「50 Ways To Leave Your Lover / 恋人と別れる50の方法」はとてもシリアス。正確でクールなドラムスはSteve Gadd、粋な女性バック・コーラスはPhoebe Snow, Valerie Simpson, Patti Austinだ。

"すいすいと人生をわたっていく者がいる一方で、全くそうでない者もいる" と歌う「Some Folks' Lives Roll Easy / ある人の人生」。メロディは切ないし歌詞も苦いのに、ストリングスと演奏がとても優しくて、泣けてくる。

ラストでは、Paul Simonが「Silent Eyes / もの言わぬ目」をしっとりと歌い、アルバムの幕を閉じる。この曲は、Paulが音楽を担当した75年の映画『Shampoo』で使われた。

深い味わいのある作詞と熟したメロディ。幅広く活動するPaul Simonも、その本質はシンガー・ソングライターだ。淡い色彩の本作には、優れたシンガー・ソングライターとしてのPaul Simonの魅力が溢れている。

●収録曲
1. Still Crazy After All These Years / 時の流れに - 3:26
2. My Little Town - 3:51
3. I'd Do It For Your Love / きみの愛のために - 3:35
4. 50 Ways To Leave Your Lover / 恋人と別れる50の方法 - 3:37
5. Night Game - 2:58
6. Gone At Last / 哀しみにさようなら - 3:40
7. Some Folks' Lives Roll Easy / ある人の人生 - 3:14
8. Have A Good Time / 楽しくやろう - 3:26
9. You're Kind / 優しいあなた - 3:20
10. Silent Eyes / もの言わぬ目 - 4:12


◆プロデュース: Paul Simon(vo, ag, ar)

◆参加ミュージシャン: Phil Ramone/Art Garfunkel(vo), Bob James(k, ar), Joe Beck/Pete Carr/Hugh McCracken/John Tropea(g), Richard Tee/Barry Beckett(k), Tony Levin/Gordon Edwards/David Hood(b), Steve Gadd/Grady Tate/Roger Hawkins(ds), Ralph MacDonald(per), Sivuca(accordion, vo), Michael Brecker/David Sanborn(sax), Toots Thielmans(harmonica), Valerie Simpson/Patti Austin/Phoebe Snow(bv), etc


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2018/03/14 10:44 Rock / Pops名盤(70年代) TB(0) CM(0)
Billy Joelの1977年のアルバム『Stranger』。
Billy Joel / Stranger (1977年)
ニューヨーク生まれのBilly Joelはアメリカを代表するシンガー・ソングライター。1971年のソロ・デビュー作『Cold Spring Harbor / ピアノの詩人』以来、カヴァー曲も共作曲もない生粋のシンガー・ソングライター路線を歩み、5作目となる本作『The Stranger』で世界的な成功を掴んだ。

この時、28歳。16歳からミュージシャンをしているので、まだ若いとはいえ10年以上のキャリアがある。「Movin' Out」や「Vienna」では苦い人生訓を歌い、「Just The Way You Are / 素顔のままで」や「She's Always A Woman」では最高にロマンティックな愛情表現をする。酸いも甘いも噛み分ける28歳だ。

76年の前作『Turnstiles / ニューヨーク物語』と比べてサウンドのクオリティが向上しているのは、プロデューサーであるPhil Ramoneの手腕。Phil Ramoneは86年の『The Bridge』まで、6枚のスタジオ・アルバムと1枚のライヴ・アルバムをプロデュースし、Billyの黄金期を支えた。

本作からは「素顔のままで」がBillboard Hot 100チャートの3位をマークしたほか、「Movin' Out」(17位)、「Only The Good Die Young」(24位)、「She's Always a Woman」(17位)がヒット。アルバムはBillboard 200チャートの2位を記録し、初のTop 10入りを果たした。また、78年のグラミー賞では「素顔のままで」が "Record of the Year" と "Song of the Year" を受賞。「Movin' Out」は後にブロードウェイ・ミュージカルになり、2002年から2006年まで上演されている。

寂しげな口笛が印象的な「The Stranger」は内なる他人(見知らぬ自分)を歌った曲。鋭く優しい人間観察眼をもつBillyがそれを自分の内面に向けることで生まれた名曲だ。Billboardではチャート・インしていないが、日本で大ヒットし、オリコン・チャートでは2位になっている。

私は「素顔のままで」のサックス・ソロが大好き。この曲の歌詞のようにロマンティックで、空に舞い上るように自由。BillyのバンドにはRichie Cannataという素晴らしいサックス奏者がいるが、この曲ではジャズ・サックスの名手Phil Woodsがソロを担当した。Woodsの生涯の名演の一つとされている。

Phil Woodsは2015年9月29日に83歳で他界。このアルバムがアメリカでリリースされたのも9月29日なので、偶然とはいえ不思議な巡り合わせを感じる。

●収録曲
1. Movin' Out (Anthony's Song) - 3:30
2. The Stranger - 5:10
3. Just The Way You Are / 素顔のままで - 4:52
4. Scenes From An Italian Restaurant / イタリアン・レストランにて - 7:37
5. Vienna / ウィーン - 3:34
6. Only The Good Die Young / 若死にするのは善人だけ - 3:55
7. She's Always A Woman - 3:21
8. Get It Right The First Time / 最初が肝心 - 3:57
9. Everybody Has A Dream - 6:38


◆プロデュース: Phil Ramone

◆参加ミュージシャン: Billy Joel(vo, k), Steve Khan/Hiram Bullock/Steve Burgh(g), Hugh McCracken(ag), Richard Tee(k), Doug Stegmeyer(b), Liberty DeVitto(ds), Ralph MacDonald(per), Richie Cannata(sax, flute, clarinet, k), Phil Woods(sax), Phoebe Snow/Patti Austin/Gwen Guthrie(bv), Patrick Williams(orch), etc


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2018/03/08 17:12 Rock / Pops名盤(70年代) TB(0) CM(0)
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プロフィール (Warm Breeze)

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70's、80'sの洋楽を中心に、豊かで極上の音楽を紹介します。


※写真はBobby Caldwellの1978年のアルバム『Bobby Caldwell

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