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Ben Sidranの1977年のアルバム『The Doctor Is In』。
Ben Sidran / The Doctor Is In (1977年)
Ben Sidranはシカゴ生まれのミュージシャン。英国サセックス大学の博士号を有し、音楽や特にジャズに対する造詣が深いことから "ドクター・ジャズ" の異名をもつ才人だ。Steve Miller Bandにキーボード奏者として参加したり、「Go Jazz」レーベルを主宰したり、音楽ライターとして著作活動をしたりと、その活動は多岐にわたる。

ソロ・アルバムは1971年から出しており、この『The Doctor Is In』は6作目。ジャズへの思いやリスペクトがたっぷり注がれた内容だが、ジャズのアルバムではなく、上質な "ジャズっぽいポップ・アルバム" になっているところが魅力。

Ben Sidran自らがプロデュースを担当し、自作のヴォーカル曲(9曲)のほかに、ジャズ・スタンダードの「Silver's Serenade」と「Good Bye Pork Pie Hat」のカヴァー(どちらもインスト曲)を収録している。

「Silver's Serenade」は、ジャズ・ピアニストのHorace Silverのアルバム『』(63年)の収録曲。同アルバムに参加していたBlue Mitchellが、ここでもクールなトランペットを披露しており、とても聴き応えがある。この曲と「Charlie's Blues」では、ドラムスをTony Williams、ベースをRichard Davisが演奏しているのも聴きどころ。

一方の「Good Bye Pork Pie Hat」は、Jeff Beckの『』(76年)や、Joni Mitchellの『』(79年)でカヴァーされたことで、ロック好きにも馴染みのある曲。原曲は、ジャズ・ベース奏者のCharles Mingusのアルバム『』(59年)に収録されており、同年に亡くなったサックス奏者のLester Youngに捧げられている。Porkpie Hat(ポークパイ・ハット)は、Lester Youngのトレードマークだったようだ。

この2曲以外のヴォーカル曲では、Ben Sidranの粋でクールな歌いっぷりを存分に味わえる。特に「Song For A Sucker Like You / 世間知らずの歌」での歌いっぷりは、胸のすくようなかっこ良さ。

このアルバムは、ソニーの「AOR CITY 1000」から、2016年にCDが再発されている。今年7月には、『Free In America』(75年)、本作(77年)、『A Little Kiss In The Night』(78年)、『Live At Montreux』(78年)の4作品をデジタル・リマスタリングした『』がBGO Recordsから発売されており、おすすめ。

●収録曲
1. Get It Yourself - 3:02
2. Song For A Sucker Like You / 世間知らずの歌 - 4:19
3. Broad Daylight - 3:30
4. One Way Grave - 3:39
5. See You On The Other Side - 4:20
6. Set Yourself Free - 4:29
7. Silver's Serenade - 5:11
8. Nobody's Fool - 3:03
9. Charlie's Blues - 1:59
10. Good Bye Pork Pie Hat - 3:37
11. Be Nice 1:02


◆プロデュース: Ben Sidran(vo, k)

◆参加ミュージシャン: Nick DeCaro(ar), Larry Carlton(g), Phil Upchurch/Richard Davis/Chuck Domanico(b), Tony Williams/John Guerin(ds), Ray Armondo/Gary Mallaber(per), Blue Mitchell(tp)


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2018/07/19 11:13 AOR名盤(1977年) TB(0) CM(0)
Carole Bayer Sagerの1977年のアルバム『Carole Bayer Sager / 私自身』。
Carole Bayer Sager / Carole Bayer Sager (私自身) (1977年)
Carole Bayer Sagerはニューヨーク生まれの作詞家。Melissa Manchesterの「Don't Cry Out Loud / あなたしか見えない」(78年, 米10位)、Christopher Crossの「Arthur's Theme / ニューヨーク・シティ・セレナーデ」(81年, 米1位)、Dionne & Friendsの「That's What Friends Are For / 愛のハーモニー」(85年, 米1位)、Patti LaBelleとMichael McDonaldのデュエット曲「On My Own」(86年, 米1位)などなど、名だたる曲を書いている。

自身のアルバムは3枚を残しており、この『私自身』はファースト・アルバム。10曲の共作者は、Melissa Manchester(1, 10)、Peter Allen(3, 6, 9)、Bruce Roberts(5, 7, 8)、Bette Midler(7, 8)、Johnny Vastano(2)、Marvin Hamlisch(4)となっている。

Melissa Manchesterとの2曲は、静かで穏やかな曲。「Home To Myself / 私自身」は、Melissaの73年のデビュー作『』のタイトル曲で、「Come In From The Rain / 雨に想いを」は76年のアルバム『』の収録曲。Diana Rossも77年のアルバム『』で、「雨に想いを」を歌っている。

Peter Allenと作った曲のうち、「Don't Wish Too Hard」はポップで軽快なナンバー。また、「I'd Rather Leave While I'm In Love/ 愛しているからさよならを」は優しいバラード。Allenは79年のアルバム『』で、この2曲をセルフ・カヴァーしている。

「愛しているからさよならを」は他の女性シンガーも歌った人気曲で、Dusty Springfieldは同年のアルバム『』で、Rita Coolidgeは79年のアルバム『』で、この曲を歌っている。

Bruce Robertsと書いた曲のうち、「You're Moving Out Today / おかしな恋人」は、戯曲っぽくアレンジされた愉快な曲。Carole Bayer Sagerのスキャットが初々しくて可愛らしい。もう一人の共作者のBette Midlerも、同じ年のライヴ・アルバム『』で歌っている。

Carole Bayer Sagerの歌声は少しハスキーなウィスパー・ヴォイス。訥々と語りかけるようなスタイルが独特で、とても親密に感じる。この時の彼女は30歳。バック・カヴァーの表情にはまだあどけなさが残っているようで、可愛らしい。
Carole Bayer Sager / Carole Bayer Sager (私自身) (バック・カヴァー)

●収録曲
1. Come In From The Rain / 雨に想いを - 2:48
2. Until The Next Time / ネクスト・タイム - 3:30
3. Don't Wish Too Hard - 4:04
4. Sweet Alibis - 3:46
5. Aces - 3:20
6. I'd Rather Leave While I'm In Love / 愛しているからさよならを - 2:48
7. Steal Away Again - 4:16
8. You're Moving Out Today / おかしな恋人 - 3:33
9. Shy As A Violet - 3:06
10. Home To Myself / 私自身 - 2:48


◆プロデュース: Brooks Arthur

◆参加ミュージシャン: Carole Bayer Sager/Bette Midler/Tony Orlando(vo), Bruce Roberts/Melissa Manchester/Peter Allen(k, bv), Marvin Hamlisch(k), Lee Ritenour/Thom Rotella(g), Lee Sklar/Will Lee(b), Jim Keltner/Roy Markowitz/Russ Kunkel(ds), Johnny Vastano/Brenda Russell(bv), Paul Buckmaster(strings ar), etc


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2018/07/03 11:31 AOR名盤(1977年) TB(0) CM(0)
Boz Scaggsの1977年のアルバム『Down Two Then Left』。
Boz Scaggs / Down Two Then Left (1977年)
Boz Scaggsはアメリカのブルー・アイド・ソウル/Adult Contemporaryシーンを代表するシンガー・ソングライター。1965年にアルバム『Boz』でデビューし、その直後に旧友のSteve Millerが作ったSteve Miller Bandに2年ほど参加するが、基本的にはソロのアーティストとして活動を続けている。

元々は、R&Bやソウル・ミュージックをルーツにもつミュージシャンだが、次第にスタイルが洗練されていき、76年のアルバム『Silk Degrees』では、ファンクやロック、レゲエなどの要素を取り入れた「大人の色気香る洗練されたポップ・ミュージック」で一世を風靡。時の人になった。

『Down Two Then Left』は、その『Silk Degrees』に続くアルバム。Joe Wissertが引き続きプロデュースを担当しているが、サウンドの雰囲気は少し変わり、ソウル、ファンクに的が絞られている。曲作りの面では、前作のDavid Paichの役割をMichael Omartianが担い、5曲(5-9)をBoz Scaggsと共作。残りについては、Bozの自作が4曲(1-3, 10)、BozとJai Windingの共作が1曲(4)となっている。

1曲目の「Still Falling For You」は、前作で大ヒットした「Lowdown」路線のファンキーでメロウなナンバー。Jeff Porcaroが本作でも全曲のドラムスを叩いており、心地よい重量感がありながら、強力なバネの効いたグルーヴを生み出している。

「Hard Times」は、重たいドラムスとねばりつくように濃厚なベースライン(Scott Edwards)が病みつきになる傑作。男の哀愁漂わすといった感じの男性コーラスが渋く、曲のエンディングになるど、さらに渋い音のギター・ソロが流れ出す。これはBoz Scaggs本人によるもの。「Hard Times」というタイトルに相応しい、苦い味わいのナンバーだ。

「Hollywood」は、都会的な華やかさのある曲。Boz Scaggsの歌声は、ファルセットなのか地声なのか分からないが、かなりの高音域。クールな女性バック・コーラスと呼応するように、最初から最後までエレガントに歌い切る。

演奏面ではJeff Porcaro(ds)、Scott Edwards(b)、Ray Parker, Jr.(g)が大活躍しており、Boz Scaggsのソウルフルな歌唱を引き立てている。シングル・ヒットこそ生まれなかったが、アルバムはBillboard 200チャートの11位を記録。ブルー・アイド・ソウルを極めているという点で、熱心なファンが多そうなアルバムだ。

●収録曲
1. Still Falling for You - 3:52
2. Hard Times - 4:26
3. A Clue - 3:53
4. Whatcha Gonna Tell Your Man - 3:50
5. We're Waiting - 6:19
6. Hollywood - 3:08
7. Then She Walked Away - 4:04
8. Gimme the Goods - 4:11
9. 1993 - 4:01
10. Tomorrow Never Came/Tomorrow Never Came (Reprise) - 4:38


◆プロデュース: Joe Wissert

◆参加ミュージシャン: Michael Omartian(ar, k), Steve Lukather/Jay Graydon/Ray Parker Jr.(g), Scott Edwards/David Hungate(b), Jeff Porcaro(ds), Victor Feldman(per, vibe), Bobbye Hall(per), Bobby King/Phyllis St. James(bv), etc


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2018/06/14 15:01 AOR名盤(1977年) TB(0) CM(0)
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