カテゴリー: Soul / R&B(70年代)
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Lemuriaの1978年のアルバム『Lemuria』。
![]() Lemuriaは1978年にハワイで結成されたグループ。中心メンバーのKirk Thompson(k)は、ハワイを代表するグループであるKalapanaに在籍していた。また、Curtis Mayfieldのバンド・メンバーなどを経験したベテラン・パーカッション奏者のHenry Gibsonもメンバーになっている。他に、"The Ladies Of Lemuria" という4人の女性ヴォーカルと、"The Lemuria Horns" という7人編成のホーン・セクションを擁しており、なかなかの大所帯だ。 この『Lemuria』は彼らが残した唯一のアルバム。そのサウンドは、ソウル、ファンク、ジャズなどの要素をミックスしたもので、ナチュラルでピースフル。ハワイに行ったことはないものの、ハワイ産を感じさせる心地よさがある。プロデュースを手がけたのも、Kirk ThompsonとHenry Gibsonの二人。曲作りに関しては、Kirkが8曲(1-4, 6-9)を、ギタリストのJohn Rapozaが1曲(5)を書いている。 Johnの書いた「Get That Happy Feeling」はインスト曲だが、残りはヴォーカル曲。曲によってリード・ヴォーカルが変わり、"The Ladies Of Lemuria" のうちのStacieが3曲(1, 4, 6)、Starが3曲(2, 3, 7), Azureが1曲(8)を分担。ラストの「The Lady And The Dude」では、StacieとベーシストのGary Sprewelがデュエットしている。 綺麗なピアノのイントロで始まる「Hunk Of Heaven」は、一転してファンキーでノリのいい、ラテン系の曲に変わる。切れのあるホーンや爽やかな女性ヴォーカルは、同じハワイ出身のSeawindみたい。 「All I've Got To Give」はメロウでグルーヴィな曲。生楽器の音が優しくて気持ちいい。「Dreams」「Mister U (Universe)」「Moonlight Affair」「The Making Of You」も、そのタイトルから想像できるように、穏やかでナチュラルな曲。アルバムの多くをメロウな曲が占めている。 インスト曲の「Get The Happy Feeling」も、ギターのテクニックを披露するというよりは、全体の柔らかいアンサンブルで魅了する曲。どの曲もそうだが、Henry Gibsonのパーカッションの音がサウンドの軸になっており、柔らかいグルーヴを生み出している。 ジャケットの美しいこと。豪快に波しぶきを上げる海も、空から降り注ぐ黄金の陽光も神々しい。天国なのか、地上の楽園なのか。ちなみに、レムリアとは、かつて存在していたとされる伝説上の大陸らしい。 ●収録曲 1. Hunk Of Heaven - 4:00 2. All I've Got To Give - 5:12 3. Dreams - 3:57 4. Mister U (Universe) - 7:10 5. Get That Happy Feeling - 4:07 6. Moonlight Affair - 5:10 7. Mystery Love - 5:12 8. The Making Of You - 3:50 9. The Lady And The Dude - 3:35 ◆プロデュース: Kirk Thompson(ar), Master Henry Gibson(per)
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Crackin'の1977年のアルバム『Makings Of Dream』。
![]() Crackin'は70年代に活動した白人・黒人混成のグループ。メンバーには、後にセッション・シンガーとして活躍するLeslie Smithや、売れっ子プロデューサー・チームとしてRobbie DupreeやSmokie Robinson、The Temptations、Kenny Gらを手がけるRick ChudacoffとPeter Bunettaが在籍した。彼らはサン・フランシスコを拠点に活動し、70年代後半に4枚のアルバムを残している。 本作はCrackin'のセカンド・アルバムで、プロデュースを担当したのはRuss Titelman。ソフトでファンキーな曲が多く、Leslie Smith、Arno Lucas、Lester Abramsの3人のヴォーカリストによるソウルフルな歌声と爽やかなハーモニーを楽しむことができる。リード・ヴォーカルについては、Leslieが3曲(1, 2, 6)、Arnoが1曲(5)、Lesterが1曲(4)を担当し、3人で3曲(3, 7, 9)、ArnoとLesterで1曲(8)を歌っている。 曲作りの中心はLester Abramsで、共作も含めて9曲のうち7曲を担当。残り2曲(2, 6)はRick Chudacoff等が書いている。 Leslie Smithがリード・ヴォーカルとった3曲はどれも爽やか。中でも、その伸びやかな歌声を生かした「Feel Alright」は、本作一押しの爽やかなナンバーだ。メロウでキュートな「Who You Want Me To Be」も、Leslieの甘い歌声にとても合っている。 Lester Abramsが歌うミディアム・スローの「I Want To Sing It To You」もいい。シンプルにアレンジされた落ち着いた曲で、メロディに深い哀愁味がある。この曲ではDavid Sanbornがサックス・ソロを吹いており、とてもクール。 Arnoがリード・ヴォーカルをとった「Well And Good」はファンキーなナンバー。コテコテのファンクではなく、どこか開放的で爽やかなところがCrackin'らしい。この曲のホーン・アレンジは、Lester AbramsとDavid Sanbornが手がけている。 モノクロのジャケットを手がけたのは、カヴァー・ アートの巨匠のNorman Seeff。男7人がくっつき合って、こぼれるような笑顔でポーズをとる。暑苦しくなく、むしろ爽やかだ。 ●収録曲 1. Feel Alright - 3:49 2. Take Me To The Bridge - 4:30 3. Beautiful Day - 4:38 4. I Want To Sing It To You - 4:07 5. Well And Good - 3:47 6. Who You Want Me To Be - 3:58 7. What Goes Around Comes Around - 4:10 8. You're Winning - 4:08 9. (There's A) Better Way - 4:03 ◆プロデュース: Russ Titelman
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Donny Gerrardの1976年のアルバム『Donny Gerrard』。
![]() Donny Gerradはカナダ生まれのソウル・シンガー。「Skylark」というバンドのリード・シンガーを務めた後にソロとなり、セッション・シンガーとして様々なアルバムに参加した。ソロ・アルバムを76年と2000年にリリースしており、76年のソロ1作目が本作である。 「Skylark」というカナダのバンドは、若い頃のDavid Fosterが在籍したことで知られる。72年のファースト・アルバム『』からは、「Wildflower」というヒット曲(Billboard Hot 100チャートの9位を記録)も生まれた。ジョー山中が歌う「人間の証明」のような趣きのある、哀愁のバラードだ。 さて、本作『Donny Gerrard』のプロデュースは、Henry MarxとRobbie Buchananが担当した。Henry Marxは本作の発売元レーベル(Greedy Records)のエグゼクティヴであり、アルバム・デビュー前のBobby Caldwellのマネジメントも手掛けた人物。一方のRobbie Buchananは、後にMaxusを結成するキーボード奏者で、本作ではアレンジも担当した。Robbieにとって、初めてアレンジを手掛けた作品が本作らしい。 収録曲は、カヴァー曲と書き下ろしが半々ぐらいの割合で構成されている。 カヴァー曲では、The Beatlesの「The Long And Winding Road」やCurtis Mayfieldの「You Must Believe Me」、Van McCoyの「Stay Awhile With Me」などを歌っている。「Words」は、Margie Josephが75年のアルバム『』で歌った曲だが、原曲はイタリアの73年の流行歌らしい。 書き下ろしには、Henry Marxの「Stand Up」や「Greedy For Your Love」、Bobby Caldwellの書いた「Peace For Us All」などがある。「Peace For Us All」はディスコ調の軽快なナンバーで、Bobbyの名曲「風のシルエット」のようなロマンティックな曲を期待すると、当てが外れる。 あまり目立たないが、ほぼ全曲でギターを弾いているのはJay Graydon。リズム・セクションも、Wilton Felder(b), Mike Baird/Ed Greene(ds)という実力派が担当している。 本作のベスト・トラックは、1曲目の「He's Always Somewhere Around」だろう。軽快なグルーヴと美しいストリングス、そしてDonnyの優しい歌声が最高に心地よい1曲だ。 ●収録曲 1. He's Always Somewhere Around - 3:14 2. Stay Awhile With Me - 4:28 3. Words (Are Impossible) - 3:09 4. Stand Up (And Show Your Love) - 3:13 5. The Long And Winding Road - 3:13 6. Greedy For Your Love - 3:18 7. Peace For Us All - 2:45 8. You Must Believe Me - 3:15 9. As Far As We Can Go - 3:55 ◆プロデュース: Henry Marx, Robbie Buchanan(ar, k)
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