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Warm Breeze

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Pages / Pages (1981年) - アルバム・レビュー

2020年01月04日
AOR名盤(1981年) 4
おすすめのアルバムをショート・レビューで紹介する「アルバム・レビュー」。今日は、Pagesの1981年のアルバム『Pages』の紹介です。
Pages / Pages (1981年)
PagesはRichard PageとSteve Georgeの二人を中心とするグループ。彼らは1978年に5人組のバンドとしてデビューし、1作目の『Pages / ファースト・ペイジズ』(78年)と2作目の『Future Street』(79年)までは5人で活動している。その後にRichard, Steveの二人と作詞を専門に担当するJohn Lang(Richardのいとこ)を加えた3人体制になり、3作目の『Pages』を発表。これがラスト・アルバムになっている。

RichardとSteveの二人はPagesの活動のほかにセッション・ミュージシャンとしても多くの仕事をしており、さまざまなアーティストのアルバムに主にバック・ヴォーカルで参加して、高音の美しいハーモニーを添えている。また、Pagesを解散後の1982年にはSteve Farris(g), Pat Mastelotto(ds, per)を加えた4人でMr. Misterを結成し、「Broken Wings」「Kyrie」という2曲の全米No.1ヒットを生んだ。

さて、ここで紹介する『Pages』は、デビュー作ではなく、最終作のほう。前作まではBobby Colombyがプロデュースを担当したが、本作では曲によってプロデューサーが変わり、Bobby Colombyが2曲(1, 4)を、Jay Graydonが残りを担当している。収録曲は全てPage-George-Langの作だが、Graydonが3曲(4, 6, 8)、ギタリストのCharles Johnsonが2曲(3, 7)を共作。Charles Johnsonは前作『Future Street』におけるPagesのメンバーだ。

Colombyのプロデュースした「You Need A Hero」と「Come On Home」は、とても滑らかなミディアム・テンポのナンバーで、『ファースト・ペイジズ』の頃の作風を思わせる。落ち着いた演奏は、Neil Stubenhaus(b), Jeff Porcaro(ds), Paul Jackson Jr./Steve Khan(g), Tom Scott(sax)等。ヒットはしなかったが、この2曲がシングル・カットされた。

Graydonのプロデュースしたナンバーは、よりクールに洗練された印象。「Tell Me」と「Only A Dreamer」は惚れ惚れするようなクールなメロディで、彼らの持ち味である澄み切った美しいハーモニーも絶品だ。「Tell Me」ではRalph Humphreyがドラムスを担当。「Only A Dreamer」ではMike Bairdがドラムスを、Graydonがギターを担当している。

フュージョン・タッチの「O.C.O.E.」や、アグレッシヴなロック・チューンの「Automatic」におけるスリリングな演奏も見事。「O.C.O.E」ではVinnie Colaiutaがドラムスを担当。一方の「Automatic」ではJeff Porcaroが担当し、CDのライナー・ノーツによると複雑な変拍子を難なく叩いたそうだ。

ラストの美しいバラード「Midnight Angel」にはAl Jarreauが "Vocal flute effect" で参加し、フルートの音色を声で表現するという、目立たないが高度な技で貢献している。

クールに洗練された楽曲と美しいヴォーカル・ハーモニー。演奏のレベルも高く、プロダクションも完璧。素晴らしいアルバムなのにヒットはせず、コマーシャルな路線を狙ったMr. Misterにおいて商業的な成功を果たす。中田利樹氏のライナー・ノーツでは、コマーシャルな成功と芸術を極めたPages時代のどちらが重要なものかという趣旨のインタビューに対して、Richard Pageは "Mr. Misterの方が自分にとってはより純粋な感じがする" と答えており、とても重みがある。

●収録曲
1. You Need A Hero - 3:43
2. Tell Me - 3:52
3. O.C.O.E. (Official Cat Of The Eighties) - 5:00
4. Come On Home - 3:27
5. Sesatia - 4:37
6. Only A Dreamer - 4:30
7. Automatic - 3:59
8. Fearless - 4:20
9. Midnight Angel - 4:30


◆プロデュース: Jay Graydon(g, sy), Bobby Colomby

◆参加ミュージシャン: Richard Page(vo), Steve George(k, vo)
with Charles Johnson/Steve Khan/Paul Jackson Jr.(g), Neil Stubenhaus/Abraham Laboriel(b), Jeff Porcaro/Ralph Humphrey/Vinnie Colaiuta/Mike Baird(ds), Paulinho Da Costa(per), Tom Scott(sax), Al Jarreau(bv), etc


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この記事を書いた人: Warm Breeze
70年代、80年代の洋楽やAORを中心に、心の栄養と生活の潤いを与えてくれる素敵な音楽を紹介します。どちらかというと埋もれている名作を紹介したいという気持ちが強いです。

コメント4件

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ギターマジシャン

ペイジズ

ジェイ・グレイドンがギターを弾いているので購入した愛聴盤で、ちょうどこの頃に、アニメ映画「1000年女王」のテーマソングをテレビで生演奏した際に、バックにペイジズの2人がいたので驚きました。

その後、2人そろってミスターミスターを結成して、あまりの音楽性の違いに、これまた驚きました。

2020年01月07日 (火) 18:52
Warm Breeze

Warm Breeze

Re: ペイジズ

こんばんは

「1000年女王」のテーマソングは、デラ・セダカの歌った「星空のエンジェル・クィーン」ですかね。そちらのアルバムのCD解説によると、デラ・セダカは当時「夜のヒット・スタジオ」に出演したようで、その際にはペイジズも一緒だったと書いてあるので、まさにそれを見たんですね~。羨ましい!

2020年01月07日 (火) 20:25

うさこ

今年もよろしくお願いいたしますm(__)m

こんにちは!
このアルバムって、カリウタがドカドカ叩きすぎてクビになってしまったんでしたっけ?
O.C.O.E.のドラムはとてもカッコいいですけどね(^_^)
いずれにしても、ペイジズでの曲をもっと聴きたかったなあ。

2020年01月12日 (日) 11:09
Warm Breeze

Warm Breeze

Re: 今年もよろしくお願いいたしますm(__)m

こんにちは。

レコーディングに参加したカリウタ氏は当時まだ若くて、わりと自由奔放にやってしまったようですね(笑)。でも、確かに「O.C.O.E.」でのプレイは見事です。ペイジズのファンは多いですね。二人とも健在だと思うので、まさかの復活があると嬉しいです。
今年もよろしくお願いします。

2020年01月12日 (日) 15:40