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Bill Withers / Watching You Watching Me (1985年) - アルバム・レビュー

2020年04月05日
AOR名盤(1984~1990年) 0
おすすめのアルバムをショート・レビューで紹介する「アルバム・レビュー」。今日は、Bill Withersの1985年のアルバム『Watching You Watching Me / 愛の情景』の紹介です。
Bill Withers / Watching You Watching Me (愛の情景) (1985年)
Bill Withersは70年代のソウル、R&Bシーンで活躍したシンガー・ソングライター。デビューしたのは32歳なので遅いスタートだが、デビュー曲の「Ain't No Sunshine / 消えゆく太陽」(71年)が全米3位を記録するヒットになり、グラミー賞の "Best R&B Song" を受賞。その後も、「Lean on Me」(72年, 米1位), 「Use Me」(72年, 米2位)と立て続けにヒットを飛ばしている。この頃のBill Withersには、知的で内省的なシンガー・ソングライターのイメージがある。

その後しばらくヒットから遠ざかるが、1981年にサックス奏者のGrover Washington, Jr.のヒット曲「Just The Two Of Us / クリスタルの恋人たち」(米2位)のヴォーカルに抜擢され、グラミーの "Best R&B Song" を再び受賞。この時には、大人の色香を漂わせるスタイリッシュなコンテンポラリー・シンガーに成熟していた。

この『Watching You Watching Me / 愛の情景』はその流れを汲むアルバムで、優雅なサウンドと上品で落ち着いた情緒のあるアルバム。

全曲がBill Withersの自作で、そのうちの4曲(1, 3, 9, 10)は共作。「Oh Year!」ではDavid Foster - Larry Carltonと、「Don't Make Me Wait」ではDon Freemanと、「Whatever Happens」では再びCarltonと、「You Try To Find A Love」ではMichael Colombierと共作している。

ここから、おすすめの4曲を紹介。

まずは、Bill Withers - David Foster - Larry Carltonという素敵な共作が実現した「Oh Year!」。明るく爽やかなナンバーで、サウンドもエレガント。David Fosterはキーボードを演奏しているが、Larry Carltonは曲作りにのみ参加している。この曲はファースト・シングルになり、R&Bチャートの22位をマークした。ミュージック・ビデオもあって、80年代らしいスウィートな映像が魅力。Billを始めとする登場人物がみな優しさと愛に溢れていて、観れば幸せな気分になること間違いなし。

続く「Something That Turns You On」は心地よいメロウネスを漂わせるミディアム・テンポのR&Bナンバー。Bill Withersの歌い回しには独特の抑揚と生きたエモーションがあって、それが淡々とした印象のサウンドやクールな女性コーラスと対比される。この曲はセカンド・シングルになり、R&Bチャートの46位を記録。

タイトル曲の「Watchng You Watching Me / 愛の情景」は、「クリスタルの恋人たち」を彷彿とさせるディープなメロディで、Bill Withersのヴォーカルにもしっとりとした憂いがある。Richard Tee(Fender Rhodes)を始め、Marcus Miller(b), Ralph MacDonald(per), Yvonne Lewis(bv)など、「クリスタルの恋人たち」をサポートしたミュージシャンが多く参加した。

「You Just Can't Smile It Away / 愛しき人よ」は、鍵盤によるシンプルな演奏でBill Withersの深みのあるヴォーカルをじっくり聴かせるバラード。幼少期に吃音だったというエピソードが俄かには信じられないほど、Bill Withersの歌声は雄弁だ。「Whatever Happens / 織りなす願い」も同じ路線の素晴らしいバラード。

72年のヒット曲「Lean On Me」は、R&BグループのClub Nouveauによって88年にカバーされ、2度目の全米1位を獲得している。この時、Bill Withersはソングライターとして3度目のグラミーとなる "Best R&B Song" を受賞した。"私を頼って" という意味のこの歌は、大災害の時にたびたび歌われてきたようだ。

3月30日にBill Withersの訃報を聴いて、とてもショック。悲しいですが、素晴らしい歌をたくさん残してくれました。

●収録曲
1. Oh Yeah! - 4:01
2. Something That Turns You On - 4:23
3. Don't Make Me Wait - 3:59
4. Heart In Your Life - 4:13
5. Watchng You Watching Me / 愛の情景 - 5:47
6. We Could Be Sweet Lovers - 3:26
7. You Just Can't Smile It Away / 愛しき人よ - 4:41
8. Steppin' Right Along - 5:43
9. Whatever Happens / 織りなす願い - 3:14
10. You Try To Find A Love / 愛の光芒 - 5:17


◆プロデュース: Larry Carlton, Don Freeman(k, linn-drum), Denny Diante, Ralph MacDonald(per), Michael Colombier(k, ar), Bill Withers(vo, k, simmons)

◆参加ミュージシャン: Paul Jackson Jr./Dann Huff(g), David Foster/Don Freeman(k, ar), Robbie Buchanan/Richard Tee/Greg Phillinganes(k), Marcus Miller(b, k), Nathan East/ Robert Popwell(b), John Robinson/Buddy Williams(ds), Paulinho Da Costa(per), Phil Perry/Marty McCall/Alex Brown(bv), etc


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この記事を書いた人: Warm Breeze
70年代、80年代の洋楽やAORを中心に、心の栄養と生活の潤いを与えてくれる素敵な音楽を紹介します。どちらかというと埋もれている名作を紹介したいという気持ちが強いです。

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