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John Hall / Power (1979年) - アルバム・レビュー

2018年01月09日
AOR名盤(1979年) 0
おすすめのアルバムをショート・レビューで紹介する「アルバム・レビュー」。今日は、John Hallの1979年のアルバム『Power』の紹介です。
John Hall / Power (1979年)
John Hallは、「Dance With Me」(75年, 米6位)のヒットで知られるOrleansの中心メンバー。1972年のバンド結成から77年までOrleansに在籍し、ギター、ヴォーカル、ソング・ライティングを担当した。本作は、77年にソロに転向したあとの2枚目のソロ・アルバムである。なお、Orleans結成前の70年にもアルバムがあるので、通算では3枚目のソロ・アルバムにあたる。

John Hallは本作のプロデュースを自ら担当し、全ての曲を奥様のJohannaと一緒に書いた。

タイトル曲の「Power」は穏やかなアコースティック・ナンバーで、ヴォーカルを担当したのはJames TaylorとCarly Simon夫妻。穏やかな曲調からは想像できないが、この曲は反原子力をテーマとするメッセージ・ソングであり、歌詞には自然エネルギーへの転換を切望する内容が綴られている。

1979年には次のような一連の出来事があり、反原発運動が盛んであった。
・原子炉のメルトダウンをテーマにしたパニック映画『チャイナ・シンドローム』の公開
・上映直後の3月にスリーマイル島の原発事故が発生
・反原発運動が起こり、ミュージシャンたちが「MUSE」(Musicians United for Safe Energy inc.)という反原発団体を結成
・MUSEが「No Nukes / 原子力発電建設反対運動」コンサートをマジソン・スクエア・ガーデンで5日間にわたり開催

このNo NukesコンサートをJackson Browneと共に取り仕切ったMUSEの中心人物がJohn Hallである。再発されたCDのボーナス・トラックには「Plutonium Is Forever」というレゲエ調の陽気な曲が収録されているが、タイトルから想像されるように、こちらもテーマは反原子力。「Power」「Plutonium Is Forever」とも、No Nukesコンサートで歌われた。

"蛍の恋人" というロマンティックなタイトルの「Firefly Lover」もおすすめのアコースティック・ナンバー。また、「Arms / Half Moon」というかっこいいメドレーがあるが、「Half Moon」はJanis Joplinの71年の名作『』の収録曲。Janisのこの名曲も、John HallとJohanna夫妻の作だと初めて知った。

ミュージシャンでありながら活動家でもあるJohn Hallは、2007年から4年間、民主党の下院議員として政治活動をしており、まったく驚き。2012年にはOrleansに復帰し、現在はミュージシャンとして活動中らしい。

このアルバムは金澤寿和氏の著書『AOR Light Mellow』に紹介されている。AORは反原子力のようなシリアスなテーマや政治とは無縁と思っていたが、意外なところに接点があった。

●収録曲
1. Home at Last - 4:40
2. Power - 4:46
3. Heartbreaker - 3:26
4. So - 5:38
5. Run Away with Me - 3:02
6. Firefly Lover - 3:51
7. Arms / Half Moon - 6:31
8. Cocaine Drain - 4:38
9. Plutonium Is Forever (ボーナス・トラック)


◆プロデュース: John Hall(vo, g, ar)

◆参加ミュージシャン: Louis Levin(k), David Schwartz(b), Eric Parker(ds), Jody Linscott(per), Bryan Cumming(sax), Mike Mainieri(vib), Lynn Pitney/Phil Ballou/James Taylor/Carly Simon(bv), etc

なお、『チャイナ・シンドローム』はDVDで、No Nukesコンサートの模様はCDで入手可能。


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この記事を書いた人: Warm Breeze
70年代、80年代の洋楽やAORを中心に、心の栄養と生活の潤いを与えてくれる素敵な音楽を紹介します。どちらかというと埋もれている名作を紹介したいという気持ちが強いです。

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