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Warm Breeze

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Diana Ross / ROSS (1983年) - アルバム・レビュー

2019年12月02日
Soul / R&B(80年代) 0
おすすめのアルバムをショート・レビューで紹介する「アルバム・レビュー」。今日は、Diana Rossの1983年のアルバム『Ross』の紹介です。
David Pomeranz / The Truth Of Us (1983年)
Diana Rossは、60年代から70年代にかけてのモータウン・レコードを代表するトップ・スターの一人。60年代には女性3人のヴォーカル・グループであるThe Supremesのリード・シンガーとして、70年代にはソロ歌手として華々しく活動した。モータウンの看板シンガーとしての最後の全米No.1ヒットはLionel Richieとデュエットした1981年の『』で、この後にレコード会社をRCAに移籍している。

この『Ross』は、RCAに移籍後の3作目。最初の2枚のアルバムはセルフ・プロデュースだが、本作では再び外部の旬のプロデューサーを起用しており、前半の5曲をGary Katzが、後半の3曲をRay Parker Jr.が担当している。

Gary KatzはSteely Danのプロデューサーとして有名。Steely Danの80年の名作『Gaucho』や、Donald Fagenの82年の傑作ソロ・アルバム『The Nightfly』をプロデュースし、一息ついたところだ。一方のRay Parker Jr.は、81年にRay Parker Jr. & Radio名義の『』を、82年にはソロ1作目の『The Other Woman』を成功させて、波にのっている。

Gary Katzプロデュースの5曲はいずれも洗練されたAORナンバー。Jeff Porcaro(ds), Jimmy Haslip(b), Domenic Troiano(g), Greg Phillinganes(k)を中心に、ゲスト・ミュージシャンを招いて録音されている。

「That's How You Start Over / スタート・オーヴァー」はEd SanfordとMichael McDonaldの共作したシャープなAORナンバーで、Michael McDonaldもバック・ヴォーカルで参加した。Michael McDonaldの82年のソロ・アルバム『思慕(ワン・ウェイ・ハート)』では、この2人の書いた「I Keep Forgettin'」が全米4位のヒットを記録している。

「Love Will Make It Right」はDonald Fagenの書いたスローなナンバーで、曲の後半ではDonald Fagen本人によるシンセのソロが披露される。さながら『Nightfly』の収録曲のようなクールな味わい。

You Do It」は、Sheena Eastonの前年のアルバム『』の収録曲のカバーになる。ポップでとても洗練された曲だが、シングル・カットはされていない。ファースト・シングルは次の「Pieces Of Ice」で、US R&Bチャートの15位を記録。Marc Jordan等が曲を書き、Larry CarltonとJoe Walshがギターを弾いている。

「Let's Go Up」はSteely Danの『Gaucho』あたりの雰囲気をもった曲。女性シンガー・ソングライターのFranne Golde等の作で、Jeff Porcaroの上品で軽やかなシャッフルが気持ちいい。この曲はサード・シングルになり、R&Bチャートの52位をマークした。

アルバムの後半は、Ray Parker Jr.の書いた2曲(6, 7)と、Marc Jordan等とDiana Rossの共作「Girls」を収録している。

「Love or Loneliness」は軽やかなミディアム・テンポのナンバーで、メロディには「A Woman Needs Love」のような爽やかな甘さがある。この曲ではRay Parker Jr.がほとんどの楽器を演奏した。

続く「Up Front」は「The Other Woman」のようなディスコ・ロック調のナンバーで、ここでもRay Parker Jr.がほとんどの楽器を演奏。最後の「Girls」もディスコ・ロック調だが、こちらは前作『』と同じミュージシャンが参加しているので、その頃に録音された素材だろう。

Ray Parker Jr.の勢いは止まらず、翌84年には映画『Ghostbusters』のテーマ・ソングを歌って遂に全米1位を獲得。Diana Rossの方も、84年のアルバム『』では、Julio Iglesiasとデュエットした「All of You」(全米19位)や、Daryl Hall等の書いた「Swept Away」(19位)、Lionel Richieの作で84年に他界したMarvin Gayeに捧げられた「Missing You」(10位)をヒットさせている。

●収録曲 (括弧内は作者)
1. That's How You Start Over (Ed Sanford, Michael McDonald) - 4:10
2. Love Will Make It Right (Donald Fagen) - 4:44
3. You Do It (Deborah Allen, Eddie Struzick, Rafe Van Hoy) - 4:31
4. Pieces of Ice (John Capek, Marc Jordan) - 4:55
5. Let's Go Up (Franne Golde, Peters Ivers) - 4:02
6. Love or Loneliness (Ray Parker Jr.) - 4:16
7. Up Front (Ray Parker Jr.) - 3:57
8. Girls (Bill Wray, Marc Jordan, Diana Ross) - 3:58



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この記事を書いた人: Warm Breeze
70年代、80年代の洋楽やAORを中心に、心の栄養と生活の潤いを与えてくれる素敵な音楽を紹介します。どちらかというと埋もれている名作を紹介したいという気持ちが強いです。

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