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Warm Breeze

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Kenny Loggins / Nightwatch (1978年) - アルバム・レビュー

2020年05月17日
AOR名盤(1978年) 4
おすすめのアルバムをショート・レビューで紹介する「アルバム・レビュー」。今日は、Kenny Logginsの1978年のアルバム『Nightwatch』の紹介です。
Kenny Loggins / Nightwatch (1978年)
Kenny Logginsはアメリカのシンガー・ソングライター。Jim Messinaとのポップ・ロック・デュオ - Loggins and Messinaの活動(1971年~76年)を経てソロになり、アルバム制作やライヴ活動のほかに、80年代以降は映画の主題歌を手がけて多くのヒットを生んでいる。84年の映画『Footloose』の主題歌(米1位)や、86年の映画『Top Gun』の主題歌「Danger Zone」(米2位)などが有名だ。

ソロ活動の1作目は77年に発表された『Celebrate Me Home / 未来への誓い』で、フュージョン界の重鎮のBob Jamesがプロデュースを担当した。この『Nightwatch』は2作目で、前作に続いてBob Jamesがプロデュースを担当。米Billboardのアルバム・チャートでは7位を記録し、これはKenny Logginsのソロ・アルバムの中では最高位になっている。

バックを固めるミュージシャンはKenny Logginsのバンド・メンバーで、演奏の息も合っている。このうちドラムスのTris Imbodenは1990年にChicagoの正式メンバーになり、Danny Seraphineに代わる2代目のドラマーとして活躍。Seraphineよりも長く在籍し、2018年に引退している。

収録曲のうち2曲(2, 4)はカバー曲。「Easy Driver」はDavid Plehn - Jerry Riopelleの作で、Jerry Riopelleの77年のアルバム『』の収録曲だ。また、Joe South作の「Down In The Boondocks」はBilly Joe Royalの65年のヒット曲(米9位)のカバーである。

それでは、Kenny Logginsの自作のナンバーからおすすめの4曲を紹介。

まずは、1曲目の「Nightwatch」。8分近い長さの重厚なタイトル曲だ。重たいベースとドラムス。ミステリアスなメロディ。闇の息づかいのようなワイルドでドラマティックなギター・ソロ。エコーの効いた音空間にそれらが響き合い、"夜警" というタイトルに相応しい妖しいムードを演出している。曲はMax Gronenthalと、詩は兄のDan Logginsとの共作だ。Max GronenthalはBill Champlinタイプの実力派シンガーで、Foster & Graydonの『Airplay』(80年)にもバック・ヴォーカルで参加している。後に38 Specialのメンバーになり、今やGrand Funk Railroadのリード・シンガーだ。

メロディの爽やかな「Whenever I Call You "Friend" / 二人の誓い」はMelissa Manchesterとの共作。これをMelissaとではなく、Stevie Nicksとデュエットするあたりは "モテ男" という感じ。この曲は米シングル・チャートの5位を記録し、映画の主題歌を除いてKenny Logginsの最大のヒットになっている。Melissa Manchesterも翌年のアルバム『』でこの曲を歌い、デュエットの相手にはArnold McCullerを選んだ。Loggins - Manchesterのデュエットが実現しなかったのは少し残念だ。

奥様のEva Einと共作した「Wait A Little While」はお洒落な洋楽シティ・ポップ。とびきり爽やかなWoodwindsを演奏しているJon Clarkeは、Loggins and Messina時代からKenny Logginsの全てのアルバムに参加している古い仲間だ。Al Jarreauが同じ年のアルバム『』でこの曲をカバーしている。Al Jarreauのバージョンもよくできていて、シティ・ポップ指数はそちらの方が高いかも。

「What A Fool Believes」はMichael McDonaldと共作した有名曲。The Doobie Brothersのアルバム『Minute By Minute』に収録されたバージョンが翌年に全米チャートの1位になり、グラミー賞の "Record of the Year", "Song of the Year", "Best Arrangement Accompanying Vocals" の3冠を受賞するが、世に出したのはKenny Logginsの方が早い。Michael McDonaldの代名詞のようになったドゥービーズのバージョンとはひと味違う爽やかなアレンジが新鮮だ。

ラストの「Angelique」も奥様のEva Einとの共作。6分弱の重厚でミステリアスな曲調はオープニングの「Nightwatch」を思い出させ、コンセプト・アルバム風の作りを印象づける。

フロント・カヴァー(1枚目の画像)の薄く開いた扉に写るシルエットの正体はバック・カヴァー(下の画像)を見ると分かる。そこにいたのは若い頃の自分。『Hotel California』の写真を担当したDavid Alexanderが、このミステリアスなカヴァー・フォトを担当している。
Kenny Loggins / Nightwatch (バック・カヴァー)

●収録曲
1. Nightwatch - 7:49
2. Easy Driver - 3:34
3. Down 'N Dirty - 4:42
4. Down In The Boondocks - 4:20
5. Whenever I Call You "Friend" / 二人の誓い - 3:58
6. Wait A Little While - 3:58
7. What A Fool Believes - 3:39
8. Somebody Knows - 3:36
9. Angelique - 5:59


◆プロデュース: Bob James(strings ar)

◆参加ミュージシャン: Kenny Loggins(vo, g), Mike Hamilton(g, bv), Brian Mann(k), George Hawkins(b, bv), Tris Imboden(ds), Jon Clarke/Vince Denham(horns)
with Stevie Nicks(vo)


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Warm Breeze
この記事を書いた人: Warm Breeze
70年代、80年代の洋楽やAORを中心に、心の栄養と生活の潤いを与えてくれる素敵な音楽を紹介します。どちらかというと埋もれている名作を紹介したいという気持ちが強いです。

コメント4件

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Rooster.Cogburn

ケニー・ロギンスは、80年リリースの『ALIVE』からなのですが、それに触れられたのも偶然というか、運が良かったからなのかも知れません。当時新譜購入の参考にしていたミュージック・ライフの新譜紹介。当然、好ライブ盤という評価で俄然購入意欲が沸いたのですが、二枚組だから購入を躊躇っていたら、友人のひとりがサクッと購入。仲間全員にダビングしてくれて、やっと聴くことができました。

それから購入資金に困らなくなった大学生の頃から過去に遡って聴き始めて、この作品にたどり着きました。「what a fool believes」は、私の好み的には、このロギンス版が一番好きです。他にも数曲ロギンス&マクドナルド作品はありますが、二人の志向の違いがそれぞれの完成したサウンドに表れていて面白いですよね。

因みにこの作品だと「二人の誓い」は、当時のラジオで聴いた記憶があるけど、「what a fool believes」はドゥービーのヒットまで聴いた記憶がない。

ついでに、この頃のStevie Nicksは、まだ声が枯れてないし、可愛いという表現が似合う小柄な美人さんで、モノクロ写真で見ても抜群に良かった。噂の大ヒットのお陰で、Fleetwood Macの媒体への露出も今と違い多かった。そんなことを思い出しました。

2020年05月17日 (日) 15:22
Warm Breeze

Warm Breeze

Re: タイトルなし

Rooster.Cogburnさん、コメントありがとうございます。

このアルバムの「What A Fool Believes」はケニー・ロギンスらしいというか、爽やかですね。シングル・カットされていないので、ラジオでのオン・エアー回数も少なかったのでしょうね。

ドゥービー・ブラザーズのバージョンはアレンジが見事で、ヒットすべくしてヒットした感じがします。確かに、二人の指向の違いが表れていて、それぞれに甲乙つけがたい魅力がありますね。

2020年05月17日 (日) 18:47

ななし

ケニー・ロギンスのWhat A Fool Believesはスゲー違和感w
ドゥービーちゃんのを聞き慣れてるせいですねw

2020年05月18日 (月) 00:56
Warm Breeze

Warm Breeze

Re: タイトルなし

コメントありがとうございます。

私もドゥ―ビーのバージョンに慣れ親しんでいたので、ケニーのオリジナル・バージョンを聴いたときには「へぇ~。もとはこんな感じだったんだ~」と、新鮮でした。

Aretha Franklinも80年のアルバム『Aretha』でカバーしてますが、Arethaバージョンもかなり個性的です。この曲をカバーしたミュージシャンは多いですね。

2020年05月18日 (月) 09:56