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Warm Breeze

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Dane Donohue / Dane Donohue (1978年) - アルバム・レビュー

2019年09月30日
AOR名盤(1978年) 2
おすすめのアルバムをショート・レビューで紹介する「アルバム・レビュー」。今日は、Dane Donohueの1978年のアルバム『Dane Donohue』の紹介です。
Dane Donohue / Dane Donohue (1978年)
Dane Donohueはアメリカのシンガー・ソングライター。その唯一のアルバムが本作になる。錚々たるミュージシャンを集めて制作され、楽曲も演奏もとても充実した名作なのに、このアルバム以外にDane Donohueの名前を目にすることはほとんど無い。

プロデュースを担当したのは、シンガー・ソングライターのTerence Boylan。曲によっては、Jai Winding, Steve Hodge(6, 7, 9), John Boylan(5, 8)との共同プロデュースになっている。Terence Boylanは前年に『リリシズム』という爽やかなアルバムを出していて、本作のサウンドととても良く似ている。参加ミュージシャンも半分ぐらいは同じ。何よりも、二人の歌声がそっくりなことに驚く。John BoylanはTerenceの兄で、76年にBostonの傑作アルバム『』をTom Scholzとプロデュースし、大成功を収めている。

1曲目の「Casablanca」は、本作の素晴らしさを印象づける名曲。苦いメロディと哀愁を帯びたDonohueの歌声がいい。バック・ヴォーカルは、Don Henley, J.D. Souther, Stevie Nicks, Timothy B. Schmitという素敵な顔ぶれ。どうりで哀愁味が出るわけだ。曲の終わりにはスリリングな演奏で曲をドラマティックに盛り上げる。繊細ながら情熱的なギターはLarry Carlton。手堅いドラムスはSteve Gaddかと思いきや、Andy Smithという無名のドラマーが担当。Victor Feldmanのヴィブラフォンとの絡みが素晴らしく、そこにCarltonのギターが鋭く切り込む瞬間に感動を覚える。

収録曲は全てDonohueのオリジナルで、約半分(1, 2, 6, 7, 9, 10)がDavid Getreau, Mark Fisherとの共作。「Dance With The Stranger」や「Woman」などのバラード・タイプの枯れた味わいも魅力で、Donohueの乾いた歌声がロマンティックに響く。シンプルなタイトルが印象的な「Woman / 女」では、バック・ヴォーカルの「Stevie Nicks」の存在感が際立つ。この曲のドラムスはSteve Gaddだ。

「Freedom」「Can't Be Seen」「Tracey」のようなジャズ・テイストの曲もあって、ちょうど良いアクセントになっている。「Tracy」では、Chuck Raineyの重たいベースが印象的。ドラムスはEd Greene。サックスはErnie Watts。バック・ヴォーカルはTom Kelly。ほとんど分からないが、ギターはJay GraydonとSteve Lukatherのようだ。とても豪華。

Bertie Higginsの82年のアルバム『Just Another Day In Paradise』にも「Casablanca」という曲があって、郷ひろみが「哀愁のカサブランカ」というタイトルでカヴァーしている。ちなみに、映画『Casablanca』(42年)の主題曲は「As Time Goes By」という曲。1931年に書かれた素敵な曲で、映画ではDooley Wilsonが歌っている。

●収録曲
1. Casablanca - 4:01
2. Dance With The Stranger - 4:00
3. What Am I Supposed To Do / 想いを馳せて - 3:40
4. Woman / 女 - 3:52
5. Where Will You Go / 去りゆく君 - 3:38
6. Freedom - 3:04
7. Can't Be Seen / 煙に消されて - 3:00
8. Whatever Happened / 突然の出来事 - 3:01
9. Tracey - 3:35
10. Congratulations - 2:53


◆プロデュース: Terence Boylan, Jai Winding(k, bv), Steve Hodge, John Boylan

◆参加ミュージシャン: Dane Donohue(vo, g), Larry Carlton/Jay Graydon/Steve Lukather(g), Victor Feldman(k, per, vib), Chuck Rainey/Mike Porcaro/Bob Glaub(b), Steve Gadd/Ed Greene(ds), Ernie Watts(sax), Don Henley/Stevie Nicks/J.D. Souther/Timothy B. Schmit/Bill Champlin/Tom Kelly(bv), etc


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Warm Breeze
この記事を書いた人: Warm Breeze
70年代、80年代の洋楽やAORを中心に、心の栄養と生活の潤いを与えてくれる素敵な音楽を紹介します。どちらかというと埋もれている名作を紹介したいという気持ちが強いです。

コメント2件

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240

大好きなアルバムです

こんばんは。
コレ、大好きなんです。とにかく楽曲がイイ。もちろんバックのミュージシャンの演奏もいいんですが。
哀愁漂うメロディに、抑え気味の演奏。いいですね。
それにしても、なぜセカンドアルバムすら発表されずに、シーンから消えていったのか、個人的にはAOR最大の謎です。

2017年06月17日 (土) 19:46

Warm Breeze

Re: 大好きなアルバムです

240さん、こんばんは

いいですよね~、このアルバム。男の哀愁が漂う感じで。
続きがないのは確かに不思議です。足跡を調べても、殆ど出てこないですね。ただ、Chasing Violetsというフランスの女性デュオの2012年のアルバム『Outside Heaven』のタイトル曲のバック・ヴォーカルにDane Donohueの名前がありますね。本人かどうか分からないですが…

2017年06月17日 (土) 20:10