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Warm Breeze

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Christopher Cross / Christopher Cross (南から来た男) (1979年) - アルバム・レビュー

2019年08月11日
AOR名盤(1979年) 4
おすすめのアルバムをショート・レビューで紹介する「アルバム・レビュー」。今日は、Christopher Crossの1979年のアルバム『Christopher Cross / 南から来た男』の紹介です。
Christopher Cross / Christopher Cross (南から来た男)
Christopher Crossはテキサス州生まれのシンガー・ソングライター。70年代初めの頃は、地元のFlashというハード・ロック・バンドでヴォーカルとギターを担当し、Led ZeppelinやDeep Purple, ZZ Topなどの前座をつとめていたらしい。その後、ワーナー・ブラザーズと契約する機会を得て、この『Christopher Cross / 南から来た男』でデビューした。

このアルバムは、最も華々しい成果をあげたAORのアルバムの1つ。全米チャートの1位を獲得した「Sailing」を始め、「Ride Like The Wind」(同2位)、「Never Be The Same」(15位)、「Say You'll be Mine」(20位)の4曲がシングル・ヒットし、アルバムも全米チャートの6位をマーク。80年のグラミー賞では、「Album of the Year」, 「Song of the Year」(Sailing), 「Best New Artist」を含む5部門を受賞している。

プロデュースを担当したのはMichael Omartian。全曲がChristopher Crossの自作のナンバーだ。当時のバンド仲間のRob Meurer(k), Andy Salmon(b), Tommy Taylor(ds)を中心に、Larry Carlton/Jay Graydon(g)、Michael McDonald/Don Henley/J.D. Souther/Valerie Carter/Nicolette Larson(bv)といった人気ミュージシャンを招いて制作されている。

ポップな「Say You'll Be Mine」では、Jay Graydonが陽気でトリッキーなギター・ソロを披露。フレッシュな女性バック・ヴォーカルはNicolette Larsonだ。Jay Graydonは「Never Be The Same / もう二度と」でもソロを弾いており、そちらではGraydonらしく華やかにギターを鳴らしている。

Christopher Crossの澄み切った歌声には格別の清涼感がある。豪華なバック・ヴォーカリストたちとの相性もばっちりで、その中でも、Valerie Carterと親密にデュエットするバラード・ナンバーの「Spinning」がいい。Valerie Carterの愁いのある美声が何ともロマンティックに響く。

"Dedicated to Lowell George" と記された「Ride Like The Wind / 風立ちぬ」は、Little Featの中心メンバーとして活躍し、79年に他界したLowell Georgeに捧げられたロック・ナンバー。穏やかで美しい曲が多いなかで、この曲のシャープでビターな印象は異色。颯爽としたヴォーカル・ハーモニーはChristopher CrossとMichael McDonald。情熱的なギター・ソロもChristopher Cross本人が弾いている。英国ハード・ロック・バンドのSaxonが88年にこの曲をカヴァーし、UKでは52位をマークした。

「Sailing」はAOR史に残る美しい曲。Christopher Crossのヴォーカルの美しさが最も映える曲でもある。アメリカでこのアルバムが発表されたのは79年の12月だが、日本では80年春に「南から来た男」という素敵な邦題で発売された。「Sailing」の清々しいメロディを聴くと、黄金の80年代の幕開けという感じがする。

他にも、Larry Carltonの技ありのギター・ソロやMichael McDonaldの美しいヴォーカルが光る「I Really Don't Know Anymore / 愛はまぼろし」など、印象に残る曲が多い。

私がこのアルバムの全体を初めて聴いたのは、2000年前後のAOR再評価ブームの頃だった。それまでは、ヒット曲の「Sailing」と「風立ちぬ」しか知らなかったが、アルバム全体のクオリティの高さに感動し、もっと早く出会うべきだった…と後悔。AORはアルバムで聴くジャンルなのです。

●収録曲
1. Say You'll Be Mine - 2:53
2. I Really Don't Know Anymore / 愛はまぼろし - 3:49
3. Spinning - 3:59
4. Never Be The Same / もう二度と - 4:40
5. Poor Shirley / 哀れなシャーリー - 4:20
6. Ride Like The Wind / 風立ちぬ - 4:30
7. The Light Is On - 4:07
8. Sailing - 4:14
9. Minstrel Gigolo / ジゴロの芸人 - 6:00


◆プロデュース: Michael Omartian(k, bv)

◆参加ミュージシャン: Christopher Cross(vo, g), Larry Carlton/Jay Graydon/Eric Johnson(g), Rob Meurer(k), Andy Salmon(b), Tommy Taylor(ds), Victor Feldman(per), Jim Horn(sax), Michael McDonald/Don Henley/J.D. Souther/Valerie Carter/Nicolette Larson/Marty McCall(bv), etc


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この記事を書いた人: Warm Breeze
70年代、80年代の洋楽やAORを中心に、心の栄養と生活の潤いを与えてくれる素敵な音楽を紹介します。どちらかというと埋もれている名作を紹介したいという気持ちが強いです。

コメント4件

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ギターマジシャン

クリストファー・クロス

当時売れっ子だったジェイ・グレイドンを始め、カールトンらがギターで参加しているというだけで購入したLPでしたが、曲も良ければ、透明感あふれる歌声も素晴らしかったです。
(まさか、見た目のギャップがあんなとは・・・)

無名に近かったエリック・ジョンソンも間奏を弾いていて、昔のバンド仲間を義理で起用したのかと思っていたのですが、とんでもないギタリストだと後から知りました。

向こうでのライブがFMで放送されたとき、誰がギターで参加したのか気になったら、クリストファー・クロス本人が弾いていて、そのリードギターが上手くてびっくりしました。

2019年08月12日 (月) 07:03
Warm Breeze

Warm Breeze

Re: クリストファー・クロス

ギターマジシャンさん、こんにちは

エリック・ジョンソンも「Minstrel Gigolo / ジゴロの芸人」で弾いてますね。気持ちのいい音を出してます。クリストファー・クロスの声と顔のギャップは、今となっては全然気にならなくなりました(笑)。ツェッペリンの前座でステージに立っていた頃の姿も見てみたいです。

2019年08月12日 (月) 07:24

Rooster.Cogburn

私が最初に買ったChristopher Crossは「風立ちぬ」もシングル盤です。TVで見たビデオ映像(風立ちぬを歌っていた)を観て、これは良いと思って買いに行ったのですが、LPを買う資金の余裕がなく、仕方なく45回転を買いました。

それこそ擦り切れるまで聴きました。今思い出すと、マイケル・マクドナルドの声の良さ(色気)もこの曲のバックボーカルで気づいたような気がします。今もそのシングルは持ってます。

2020年04月12日 (日) 14:40
Warm Breeze

Warm Breeze

Re: タイトルなし

Rooster.Cogburnさん、コメントありがとうございます。

「風立ちぬ」で聴こえてくるマイケル・マクドナルドの声、確かに色気がありますね~。Christopher Crossのクリアな声質との相性というかコントラストも抜群。いい相乗効果を生んでますね。

2020年04月12日 (日) 18:55