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Eric Carmen / Change Of Heart (1978年) - アルバム・レビュー

2017年12月04日
AOR名盤(1978年) 2
おすすめのアルバムをショート・レビューで紹介する「アルバム・レビュー」。今日は、Eric Carmenの1978年のアルバム『Change Of Heart』の紹介です。
Eric Carmen / Change Of Heart (1978年)
Eric Carmenは米国オハイオ州生まれのシンガー・ソングライター。70年代前半にポップ・ロック・バンドのRaspberries(ラズベリーズ)を率いて活動し、1975年にバンドを解散してソロのアーティストとなった。本作はEric Carmenの3枚目のソロ・アルバムである。

77年の『』に続いてEricがセルフ・プロデュースをしており、Four Topsのヒット曲「Baby I Need Your Lovin' / 愛をもとめて」(64年, 米11位)を除く全曲をEricが作詞・作曲した。ちなみに、「愛をもとめて」はHolland-Dozier-Hollandの作で、Four Topsの最初のヒット曲である。

1曲目の「Desperate Fools Overture」は、流麗なストリングスが印象的なインストゥルメンタル・ナンバー。ラストの「Desperate Fools」と対になっており、タイトル名や郷愁のあるメロディがEaglesの73年の名曲『』を思わせる。

続く「Haven't We Come a Long Way / 二人のラヴ・ウェイ」は瑞々しさ溢れるポップ・ロックで、甘酸っぱく爽やかなメロディはEricの真骨頂。グルーヴ感抜群のJeff Porcaroのドラムスも心地よい。

「Heaven Can Wait」の甘美なメロディと切なげな歌声は、Ericを代表する名バラード「All By Myself」のよう。この曲は78年の同名映画『』のために書かれたが、事情があって使われなかったらしい。

タイトル曲「Change Of Heart」はファースト・シングルとなり、Billboard Hot 100チャートの19位に到達。バック・ヴォーカルを担当した女性シンガーのSamantha Sangが、同年のデビュー作『』でこの曲を歌っている。本作の中で一番AORらしい爽やかなナンバーだ。

軽快な「Hey Deanie」は男性ポップ・シンガーのShaun Cassidyに贈られ、77年にCassidyの歌で全米7位のヒットを記録した(Cassidyのアルバム『』に収録)。続くビーチ・ボーイズ風の「Someday」は、Ericの77年のヒット曲「She Did It / 愛をくれたあの娘」(米23位)のB面にカップリングされていた曲である。

ラストでは、ピアノを静かに弾きながら、Ericが「Desperate Fools」を情感豊かに歌う。それを包むストリングスが美しく、スケールの大きな映画を見た後のような、しっとりした後味が残る。ヒットこそしなかったが、Eric Carmenのポップな曲作りのセンス溢れる名盤だ。

●収録曲
1. Desperate Fools Overture - 2:05
2. Haven't We Come a Long Way / 二人のラヴ・ウェイ - 3:17
3. End Of the World - 3:29
4. Heaven Can Wait - 3:33
5. Baby I Need Your Lovin' / 愛をもとめて - 3:17
6. Change Of Heart - 3:30
7. Hey Deanie - 4:26
8. Someday - 2:52
9. Desperate Fools - 3:07


◆プロデュース: Eric Carmen(vo, ag, k, per)

◆参加ミュージシャン: Danny Kortchmar/Richie Zito(g), David Paich/Jay Winding/Craig Doerge/James Newton Howard(k), Burton Cummings(p), Mike Porcaro/Lee Sklar(b), Jeff Porcaro/Nigel Olsson/Russ Kunkel(ds), Paulinho Da Costa(per), Brian & Brenda Russell/Valerie Carter/Bruce Johnston/Curt Becher/Joe Chemay/Donny Gerrard/Samantha Sang(bv), etc


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Warm Breeze
この記事を書いた人: Warm Breeze
70年代、80年代の洋楽やAORを中心に、心の栄養と生活の潤いを与えてくれる素敵な音楽を紹介します。どちらかというと埋もれている名作を紹介したいという気持ちが強いです。

コメント2件

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240

エリックらしいアルバム

こんばんは。
このアルバム大好きなんです。メロディーメーカーのエリックがフィリーソウルに挑戦した「Haven't We Come Along Way」とか、ビーチボーイズからの影響たっぷりな「Hey Deanie」、もっと、もっとビーチボーイズ風なナンバーの「Someday」(すごくラズベリーズっぽくて大好きです)。これまたエリックらしい泣きのバラードの「Desperate Fools」。捨て曲なしの素晴らしいポップス・アルバムですよね。

2017年12月04日 (月) 23:44

Warm Breeze

Re: エリックらしいアルバム

240さん、こんにちは

240さんも5年前にこのアルバムの記事を書かれていたのですね。拝見しました。Eric Carmenはポップな曲を作るセンスが抜群にいいですね。メロディがフレッシュで甘酸っぱい。Paul McCartneyと同じように、稀代のメロディーメーカーだと思います。この3作目はEric Carmenの素の良さがとても良く表れていると思います。

2017年12月05日 (火) 11:18