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Robben Ford / Love's A Heartache (1983年) - アルバム・レビュー

2019年06月25日
AOR名盤(1983年) 0
おすすめのアルバムをショート・レビューで紹介する「アルバム・レビュー」。今日は、Robben Fordの1983年のアルバム『Love's A Heartache / ホイールズ・オブ・ラブ』の紹介です。
Robben Ford / Love's A Heartache (ホイールズ・オブ・ラブ) (1983年)
Robben Fordはブルース、ロック、ジャズ/フュージョンと、ジャンルを跨いで活躍するアメリカのギタリスト。売れっ子のセッション・ギタリストとして、Miles Davis, Joni Mitchell, George Harrison, KISSを始めとする様々なアーティストのアルバム制作やツアーを支えたり、フュージョン・グループのTom Scott and the L.A. ExpressやYellowjacketsのメンバーとして、またRobben Ford & The Blue Lineのリーダーとして活躍するなど、幅広く精力的に活動している。

ソロ・アルバムの制作枚数も多く、この『Love's A Heartache / ホイールズ・オブ・ラブ』は2作目。80年代に入ってRobben Fordが最初に制作したアルバムだ。

プロデュースを担当したのは、米国で活動していた尺八奏者のKazu Matsui (松居 和。奥様はジャズ・ピアニストの松居 慶子)。日本盤とUS盤ではタイトルや名義が異なり、ここで紹介するのは日本盤。US盤では、名義が "The Kazu Matsui Project Feat. Robben Ford"、タイトルが『Standing On The Outside』になっている。

ギタリストのアルバムにしては珍しく、バック・コーラスのみの「Sunset Memory」とギター・インストの「Sun Lake」を除く全曲がヴォーカル曲になっている。リード・ヴォーカルは曲によって変わり、Robben Fordが2曲(2, 9)、Phillip Ingramが3曲(1, 4, 6)、Haward Smith, Robert Jason, Claudiaが1曲ずつ(3, 5, 7)を担当した。

哀愁を湛えた美しいヴォーカル曲が多いので、「Sun Lake」の滑らかなギターの演奏を聴くまでは、ギタリストのアルバムであることを忘れてしまう。ギタリストによるヴォーカル・アルバムという点は、Erik Taggをヴォーカルに起用してヒットしたLee Litenourの81年のアルバム『RIT』の流れを汲んでいる。

1曲目の「Standing On The Outside」は哀愁としっとりした湿度のあるメロディが印象的なバラード・ナンバーで、Robben Fordが作曲を担当している。Robben Fordが曲作りを手がけたのは、この曲とラストの「Sun Lake」のみ。

続く「Time Flies」も、たそがれた雰囲気のあるバラード曲。アメリカのフュージョン・グループ、Hiroshimaのリーダーを務めるDan Kuramotoの作で、Robben Fordがリード・ヴォーカルを担当。繊細な印象の歌声だが、曲の雰囲気に合っている。

アルバムの邦題になった「Wheels Of Love」では、林 哲司氏が作曲を担当。この曲は日本ではブリジストンのCMソングになり、シングル・カットもされた。他には、「Me On The One Side」をGlen Ballard等が、Kazu MatsuiとHiroshimaのギタリストのPeter Hataが「Sunset Memory」を共作するなど、収録曲の作者はさまざまだ。

タイトル曲の「Love's A Heartache」は、Ned Dohenyの書いたビターな名品。Leslie Smithが82年のアルバム『Heartache』で歌ったほか、Ned Doheny自身も88年のアルバム『Life After Romance』でセルフ・カヴァーしている。

この曲のリード・ヴォーカルもRobben Fordだが、伸びのあるハイ・トーンで爽やかに歌っており、なかなかいい雰囲気。Ned Dohenyのセルフ・カヴァーとも歌声が似ているように思う。

当時のRobben Fordは仏教を勉強していたらしい。フロント・カヴァーの輪廻転生を思わせるデザインは、その影響かも知れない。ちなみに、同じ年に松任谷 由実が発表したアルバム『』のタイトルの意味も、輪廻転生。私の好きなアルバムです。

●収録曲
1. Standing On The Outside - 4:55
2. Time Flies - 4:17
3. Save Your Time For Me - 3:35
4. Me On The One Side - 2:43
5. Wheels Of Love - 4:23
6. Tell That Girl - 3:26
7. Illusions - 3:13
8. Sunset Memory - 4:33
9. Love's A Heartache - 4:58
10. Sun Lake - 4:55


◆プロデュース: Kazu Matsui

◆参加ミュージシャン: Robben Ford(g, vo), Phillip Ingram/Howard Smith/Robert Jason/Claudia(vo), Carlos Rios(g), Russell Ferrante/Randy Waldman(k), Derek Nakamoto/Bill Meyers(sy), Abraham Laboriel/Nathan East/Neil Stubenhaus/Freddie Washington Jr.(b), Vinnie Colaiuta(ds), David Boruff(sax), Michael Fisher(per), Maxi Anderson(bv), etc


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この記事を書いた人: Warm Breeze
70年代、80年代の洋楽やAORを中心に、心の栄養と生活の潤いを与えてくれる素敵な音楽を紹介します。どちらかというと埋もれている名作を紹介したいという気持ちが強いです。

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