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Santana / Caravanserai (1972年) - アルバム・レビュー

2020年03月08日
Rock / Pops名盤(70年代) 0
おすすめのアルバムをショート・レビューで紹介する「アルバム・レビュー」。今日は、Santanaの1972年のアルバム『Caravanserai』の紹介です。
Santana / Caravanserai (1972年)
SantanaはギタリストのCarlos Santana率いるロック・バンド。1966年にサン・フランシスコで結成され、現在に至るまで半世紀以上も活動を続ける長寿バンドだ。創設メンバーのうち残っているのはCarlos Santanaだけ。他のメンバーは入れ替わり、これまでに在籍したメンバーは延べ70名近くに達している。

SantanaはCarlos Santanaの指向に合わせて音楽のスタイルを変えている。デビュー後の最初の3枚のアルバムは、Carlos Santanaの官能的で野性的なギターをフィーチャしたラテン・ロック・スタイルで、「Evil Ways」(米9位), 「Black Magic Woman」(米4位), 「Oye Como Va」(米13位), 「Everybody's Everything」(米12位)などのヒット曲が生まれた。

今日紹介する『Caravanserai』は4作目のスタジオ・アルバムで、音楽性の最初の変化点になった名作。それまでのラテン・ロックからジャズ・ロックやフュージョンへと歩み寄り、スピリチュアルで壮大なスケール感の曲が増えている。ヴォーカル曲は3曲に減り、インスト曲が中心。メンバーも初めて大きく入れ替わった。

本作を最後にバンドを離れたメンバーもいる。それは、創設メンバーの一人でリード・ヴォーカルとオルガンを担当するGregg Rolieと、前作『Santana III』から参加したギタリストのNeal Schonだ。この2人は翌73年にJourneyを結成。Neal Schonを中心に現在も活動を続けている。

それでは、おすすめの4曲を紹介。

まずは「Waves Within / 躍動」。多様な楽器を織りなすことによって脈を打つリズムは、自然のダイナミックな躍動を表現するかのよう。鳴り渡るギターの音は広大な草原を波打たせる風や茫漠とした砂漠を吹き抜ける風のよう。Gregg Rolieとベース担当のDouglas Rauchの書いた力強いインスト曲だ。

2曲目は、Carlos Santana - Gregg Rolie - Neal Schonの共作した「Song of the Wind / 風は歌う」。Neal Schonは前作ではギターのみの参加で曲作りを手がけていないが、本作では3曲を手がけており、その1曲がこれ。共にJourneyを結成するGregg Rolieとの初の共作になる。先の曲と同じように風を感じる曲調だが、こちらは柔らかくそよぐ官能的な風。「風は歌う」という邦題も秀逸で、Carlos Santanaの弾く乾いたギターのフレーズは心地よい風の歌のようだ。私はこの曲が大好きで、暖かくなり始める今の時期によく聴く。

続く「All the Love of the Universe / 宇宙への歓喜」はスケールの大きい神秘的なナンバー。Carlos Santana - Neal Schonの共作したヴォーカル曲で、James Mingo LewisとRico Reyesがヴォーカルを担当している。静と動を繰り返す起伏のある構成になっており、静のパートではLenny Whiteの叩くカスタネットが幻想的に響く。後半の動のパートではCarlos Santana & Neal SchonのギターとGregg Rolieのオルガンが生き生きした熱い掛け合いを演じ、とてもエモーショナル。

8曲目の「Stone Flower」はAntônio Carlos Jobimの作で、Jobimの70年のアルバム『』のタイトル曲をカバーしたもの。原曲には歌詞がないが、Carlos SantanaとドラマーのMichael Shrieveが詩を付け、自ら歌っている。

残り1曲のヴォーカル曲は「Just in Time to See the Sun / 栄光の夜明け」で、Gregg Rolieがヴォーカルを担当。長らくSantanaのリード・ヴォーカルだったGregg Rolieは1曲のみの出番になり、これもGregg Rolieがバンドを去った理由だろう。Journeyのデビュー作『』(75年)では思う存分に歌っている。

●収録曲
1. Eternal Caravan of Reincarnation / 復活した永遠なるキャラバン - 4:28
2. Waves Within / 躍動 - 3:54
3. Look Up (to See What's Coming Down) / 宇宙への仰視 - 3:00
4. Just in Time to See the Sun / 栄光の夜明け - 2:18
5. Song of the Wind / 風は歌う - 6:04
6. All the Love of the Universe / 宇宙への歓喜 - 7:40
7. Future Primitive / 融合 - 4:12
8. Stone Flower - 6:15
9. La Fuente del Ritmo / リズムの架け橋 - 4:34
10. Every Step of the Way / 果てしなき道 - 9:05


◆プロデュース: Carlos Santana(g, vo, per), Michael Shrieve(ds, per, vo)

◆参加ミュージシャン: Neal Schon(g), Gregg Rolie(k, vo), Tom Coster(k), Douglas Rauch/Tom Rutley(b), José "Chepito" Areas/James Mingo Lewis/Armando Peraza(per), Rico Reyes(vo), etc

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この記事を書いた人: Warm Breeze
70年代、80年代の洋楽やAORを中心に、心の栄養と生活の潤いを与えてくれる素敵な音楽を紹介します。どちらかというと埋もれている名作を紹介したいという気持ちが強いです。

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