洋楽中心生活
Warm Breeze

音楽は心の糧、生活のサプリメント。洋楽を中心に極上の音楽との生活を綴ります。

The Manhattan Transfer / Extensions (1979年) - アルバム・レビュー

2017年05月01日
AOR名盤(1979年) 0
おすすめのアルバムをショート・レビューで紹介する「アルバム・レビュー」。今日は、The Manhattan Transferの1979年のアルバム『Extensions』の紹介です。
The Manhattan Transfer / Extensions (1979年)
The Manhattan Transfer(マントラ)は男女4人のジャズ・コーラス・グループ。1969年にグループを結成し、メンバー交代はあるものの現在も男女2人ずつの構成で活動を続けている。

本作は彼らの5枚目のスタジオ・アルバムで、この時のメンバーは、男性がAlan PaulとTim Hauser、女性がCheryl BentyneとJanis Siegel。Cheryl Bentyneは、本作から加わったメンバーである。

オープニングの「Birdland」は、Weather Reportの77年の名作『』の収録曲。ジャズの原曲に歌詞をつけて歌う「Vocalese」というスタイルであり、Vocaleseの草分け的な作詞家のJon Hendricksが作詞を担当した。マントラの高度なボーカル技術が存分に発揮されたこの曲は、81年のグラミー賞において「Best Jazz Fusion Performance」を受賞。Janis Siegelも「Best Vocal Arrangement for Two or More Voices」を受賞した。

「Nothin' You Can Do About It / 貴方には、何も出来ない」は、David Foster, Jay Graydon, Steve Kipnerという豪華な顔ぶれが共作したAORの名曲。FosterとGraydonによるAORユニットのAirplayも、80年のアルバム『Airplay / ロマンティック』でこの曲をセルフ・カヴァーしている。AirplayではTommy Funderburkが高音のロック・ヴォーカルで魅了するが、マントラの華やかなジャズ・ヴォーカルも良い。

「Twilight Zone/Twilight Tone」は、テレビ番組『The Twilight Zone』のテーマ曲をアレンジしたキャッチーなナンバー。Billboard Hot 100チャートの30位、Discoチャートでは12位を記録した。Jeff PorcaroのセクシーなドラムスとDavid Hungateのノリの良いベースをバックに、Jay Graydonの流麗なギター・ソロが流れるという、AORやTOTO好きには垂涎の曲。目立たないが、Steve Lukatherがリズム・ギターを弾いている。

ラストの「Foreign Affair / 異国の出来事」はTom Waitsの77年のアルバム『』のタイトル曲。これを無伴奏のアカペラで歌い、しっとりとした余韻を残す。心憎い演出だ。

本作のプロデュースは、斬新な発想と緻密で繊細なプロデュース・ワークで知られるJay Graydonが担当した。フュージョン/ジャズのアルバムとして一流であるばかりでなく、AORのアルバムとしても、金澤寿和氏の著書『AOR Light Mellow』で紹介されるクオリティ。

なお本作は、Vocaleseの先駆者であり、79年に他界したジャズ・シンガーのEddie Jeffersonに捧げられた。EddieはマントラのTim Hauserの親友であったため、バック・カヴァーには "This album is dedicated to Eddie Jefferson (1919-1979) - The world's greatest jazz singer." と、追悼の意が記されている。

●収録曲
1. Birdland - 6:00
2. Wacky Dust - 3:10
3. Nothin' You Can Do About It / 貴方には、何も出来ない - 4:25
4. Coo Coo-U - 2:13
5. Body and Soul - 4:26
6. Twilight Zone/Twilight Tone - 6:05
7. Trickle Trickle - 2:19
8. Shaker Song - 4:30
9. Foreign Affair / 異国の出来事 - 3:54


◆プロデュース: Jay Graydon(g, ar)

◆参加ミュージシャン: Steve Lukather/Dean Parks(g), David Foster/Michael Omartian/Greg Mathieson(k, ar), Jai Winding(k), Michael Boddicker/Ian Underwood(sy), David Hungate/Abraham Laboriel(b), Jeff Porcaro/Ralph Humphrey/Alex Acuna(ds), Paulinho Da Costa(per), Richie Cole(sax), etc


関連記事
この記事が参考になりましたらクリックをお願いします。

気に入ったらシェア!

Warm Breeze
この記事を書いた人: Warm Breeze
70年代、80年代の洋楽やAORを中心に、心の栄養と生活の潤いを与えてくれる素敵な音楽を紹介します。どちらかというと埋もれている名作を紹介したいという気持ちが強いです。

コメント0件

コメントはまだありません