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Chicago / 16 (ラヴ・ミー・トゥモロウ) (1982年) - アルバム・レビュー

2020年03月15日
AOR名盤(1982年) 2
おすすめのアルバムをショート・レビューで紹介する「アルバム・レビュー」。今日は、Chicagoの1982年のアルバム『16 / ラヴ・ミー・トゥモロウ』の紹介です。
Chicago / 16 (ラヴ・ミー・トゥモロウ) (1982年)
Chicagoは1967年にシカゴで結成されたロック・バンド。Terry Kath(g, vo), Robert Lamm(k, vo), Peter Cetera(b, vo), Danny Seraphine(ds, per)の4人に、ホーン・セクションを担当するWalter Parazaider(sax), Lee Loughnane(tp), James Pankow(tb)の3人を加えた7人編成で活動をスタートしている。

1969年のデビュー・アルバムでは "Chicago Transit Authority" (シカゴ交通局) というバンド名を名乗っているが、2作目からは今の "Chicago" に変更。3作目からはアルバム・タイトルが "Chicago 作品番号" になっていくので、タイトルを見ると何作目かが分かる。例えば2014年のアルバムのタイトルは『Chicago XXXVI: Now』なので、通算36作目ということだ。

デビュー後の3枚のアルバムは2枚組の大作で、4作目のライヴ・アルバムは何と4枚組。政治的なメッセージのある曲も多いので、初期の彼らには社会派のブラス・ロック・バンドという尖がったイメージがある。それでも、「長い夜」(70年, 米4位)や「Saturday in the Park」(72年, 米3位), 「愛ある別れ」(76年, 米1位)などのヒットに恵まれて、彼らの作品はとても良く売れた。ところが、78年にバンド創設メンバーのTerry Kathを不慮の事故で失うと、その勢いを失速している。

今日紹介する『Chicago 16』は、セールス面で低迷していたChicagoを復活させたアルバム。復活の狼煙になったのは久しぶりに全米チャートの1位を獲得したヒット曲の「Hard to Say I'm Sorry / 素直になれなくて」。また、昔からChicagoのファンだったというDavid Fosterと、本作からメンバーに加入したBill Champlinが立役者になっている。

David Fosterは本作のプロデュースを担当。また、7曲(2, 3, 5-6, 8-10)をメンバーと共作している。Bill ChamplinはPeter Ceteraと一緒にバンドのリード・ヴォーカルを担当。Peter CeteraとBill Champlinという強力なシンガーを揃えたことで、Chicagoは歌でも勝負できるバンドになった。

それでは、おすすめの4曲を紹介。

まずは、外部のライターを起用した「What You're Missing」。MaxusのJay Gruskaと、後にTOTOのリード・シンガーになるJoseph Williamsの共作だ。新しいChicagoを印象付けるフレッシュな曲で、Chicagoらしいホーンを活かしながらも、TOTOのメンバーとDavid Foster等によりチャージされた力強いAORサウンドになっている。リード・ヴォーカルはPeter Ceteraが担当した。

続く「Waiting for You to Decide」はDavid FosterとTOTOのSteve Lukather & David Paichの共作。ここでは、"Cetera with Champlin" のツイン・ヴォーカルが実現している。張りのある高音のCeteraと、ソウル・フィーリング溢れる熱唱タイプのChamplinという組み合わせは新鮮。3曲目の「Bad Advice」では "Champlin with Cetera" のツイン・ヴォーカルに。Bill Champlinは他にも2曲(6, 7)のリード・ヴォーカルを担当した。

ちなみに、冒頭の2曲のように外部のライターを起用するのは本作が初めてになる。もう1曲、「Chains」も他作の曲で、Ian Thomasが曲を提供。Ian ThomasはDavid Fosterと同じカナダ出身のシンガー・ソングライターだ。

おすすめ3曲目は、「Hard to Say I'm Sorry / 素直になれなくて ~ Get Away」のメドレー。「素直になれなくて」はCetera - Fosterの共作で、美しくも芯のあるメロディをFosterらしい洗練されたアレンジにより華やかに仕上げた眩いまでのバラード。Steve Lukatherの入魂のギター・ソロも、曲に力を与えている。後半の「Get Away」はCetera - Foster- Robert Lammの共作で、Chicagoのホーン・セクションをフィーチャしながらノリノリに曲を盛り上げる。

セカンド・シングルにもバラードの「Love Me Tomorrow」が選ばれ、全米チャートの22位を記録。この曲も「素直になれなくて」と同じくCetera - Fosterによる共作。演奏にはDavid Paich/Steve Porcaro(sy), Lukather/Michael Landau(g)が参加し、ホーン・セクションの代わりにCetera - Foster - Jeremy Lubbockのアレンジによる美しいストリングスが使われた。

ロマンティックなバラードを得意とする都会派のバンドへと進化したChicagoは、続く84年の『』と86年の『』でもFosterをプロデューサーに起用。一方、Peter Ceteraは『Chicago 17』を最後にバンドを離れ、Jason Scheffが新しいヴォーカリストになっている。

微妙な時期だったのか、85年のUSA for AfricaにはPeter Ceteraは参加していない。代わりに、『』のアルバムには、Chicagoとして「Good for Nothing」という曲を提供しており、ここではRichard Marx - Robert Lamm - Fosterの共作が実現。Peter Ceteraもバック・ヴォーカルで参加している。

●収録曲
1. What You're Missing - 4:10
2. Waiting for You to Decide / あなたの気持 - 4:06
3. Bad Advice - 2:58
4. Chains - 3:22
5. Hard to Say I'm Sorry / 素直になれなくて ~ Get Away - 5:08
6. Follow Me - 4:53
7. Sonny Think Twice - 4:01
8. What Can I Say - 3:49
9. Rescue You - 3:57
10. Love Me Tomorrow - 5:06


◆プロデュース: David Foster(k)

◆参加ミュージシャン: Robert Lamm(vo, k), Bill Champlin(vo, g, k), Peter Cetera(vo, b), Danny Seraphine(ds), James Pankow(tb), Lee Loughnane(tp), Walter Parazaider(sax)
with Steve Lukather/Michael Landau/Chris Pinnick(g), David Paich/Steve Porcaro(sy)


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この記事を書いた人: Warm Breeze
70年代、80年代の洋楽やAORを中心に、心の栄養と生活の潤いを与えてくれる素敵な音楽を紹介します。どちらかというと埋もれている名作を紹介したいという気持ちが強いです。

コメント2件

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ローリングウエスト

シカゴがAORになった頃は本当に驚きました。小生はⅠ~Ⅲのブラスロック時代が洋楽聴き始めで今もこの頃の曲が大好きなのでAOR路線シカゴの変貌ぶりは・・

2017年06月06日 (火) 22:39

Warm Breeze

Re: タイトルなし

RWさん、こんにちは

そうですね、やはり70年代のシカゴが一番シカゴらしいですよね。80年代はそうしたシカゴらしさは薄れてしまった感じがします。長寿のバンドって、その時代を生き抜くためにスタイルを変えなければならないところがどうしてもありますね。
この『16』ではブラス・セクションもしっかり仕事をしていて、新旧のシカゴの良さが上手くバランスしていると思います。

2017年06月07日 (水) 11:31