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Warm Breeze

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TOTO / TOTO (宇宙の騎士) (1978年) - アルバム・レビュー

2019年07月22日
AOR名盤(1978年) 5
おすすめのアルバムをショート・レビューで紹介する「アルバム・レビュー」。今日は、TOTOの1978年のアルバム『TOTO / 宇宙の騎士』の紹介です。
TOTO / TOTO (宇宙の騎士) (1978年)
TOTOはロサンゼルスを中心に活動していたセッション・プレイヤーたちが作ったロック・バンド。1977年に結成した時のメンバーは、David Paich(k), Jeff Porcaro(ds), David Hungate(b), Steve Lukather(g), Steve Porcaro(k), Bobby Kimball(vo)の6人で、HungateとKimballを除く4人は少年の頃からの友達だった。

彼らがバンドを組んだのは、Boz Scaggsの76年の傑作アルバム『Silk Degrees』のレコーディングにPaich, Jeff, Hungateの3人が集まったことがきっかけとされている。そこに、Lukather, Steve, Kimballが加わる形でTOTOがスタートした。

この『TOTO / 宇宙の騎士』は、デビュー・アルバム。「デビュー作にはアーティストの全てが表れる」と言われるが、このアルバムにはTOTOの魅力が凝縮されている。その意味において彼らの代表作だし、AORを代表するアルバムの1枚。ジャケットにデザインされている「剣」は彼らのモチーフで、以降のアルバムのほとんどにデザインされている。

収録曲は全て彼らのオリジナル。曲作りの中心はPaichで、10曲のうち8曲(1-4, 6, 8-10)をPaichが書いている。残り2曲については、KimballとSteveが1曲ずつ(5, 7)を担当した。リード・ヴォーカルは曲によって変わり、メイン・ヴォーカルのKimballが4曲(2, 5, 6, 9)、Paichが2曲(4, 8)、Lukatherが2曲(3, 10)、Steveが1曲(7)を担当している。

Child's Anthem」はメロディアスなロック・インスト曲。デビュー・アルバムの1曲目にインスト曲を使うところは、演奏に自信のある証しだ。続く「I'll Supply the Love」でも、ヴォーカル・パートが終わると曲調が一変し、一体感のある演奏でドラマティックに曲を盛り上げる。こうした起伏のある曲構成は、彼らの演奏力の賜物。「Takin' It Back」の終盤や「Angela」の中盤でも、同じような曲調の変化を楽しめる。

「Georgy Porgy」はエレガントなR&Bスタイルの曲。パンチの効いた女性コーラスは、同じ年にひと足早くデビューしたCheryl Lynnで、そのデビュー作『』のプロデュースをDavid Paichが手がけている。この「Georgy Porgy」には多くのカヴァー・バージョンが存在し、Charmeの『Let It In』(79年)や、Dwight Druickの『Tanger』(80年)、Side Effectの『』(80年)、Eric Benétの『』(99年)などのアルバムで聴くことができる。

演奏面では、豊かな表情を見せるJeffのドラムスや、ワイルド&エレガントなLukatherのギターなど、個の卓越した技量に魅せられる。それだけでなく、彼らの場合は抜群の一体感を見せるアンサンブルの良さも味わうことができて、二度美味しい。「Girl Goodbye」では、6分を超える長い曲を最後まで息をのむように聴き入ってしまう。

このアルバムは全米チャートの9位を記録し、デビュー作にしてトップ10入りを果たした。シングルでは、1stシングルの「Hold the Line」が全米チャートの5位にランク入り。この曲のギター・ソロは、Lukatherのベスト・プレイの1つだと思う。なお、2ndシングルの「I'll Supply the Love」は45位、3rdシングルの「Georgy Porgy」は48位をマークしている。

翌年のグラミー賞ではTOTOが "Best New Artist" にノミネートされるも、受賞は逃した。ちなみに、The Cars, Elvis Costello, Chris Reaもノミネート。受賞したのはA Taste of Honeyで、デビュー・シングルの「Boogie Oogie Oogie」が全米1位の大ヒットを記録したことが受賞に結びついている。

●収録曲
1. Child's Anthem / 子供の凱歌 - 2:46
2. I'll Supply the Love / 愛する君に - 3:46
3. Georgy Porgy - 4:09
4. Manuela Run - 3:54
5. You Are the Flower - 4:11
6. Girl Goodbye - 6:13
7. Takin' It Back / ふりだしの恋 - 3:47
8. Rockmaker - 3:19
9. Hold the Line - 3:56
10. Angela - 4:45


◆プロデュース: TOTO

◆参加ミュージシャン: Bobby Kimball(vo), Steve Lukather(g, vo), David Paich/Steve Porcaro(k, vo), David Hungate(b), Jeff Porcaro(ds)
with Cheryl Lynn(bv), Joe Porcaro/Lenny Castro(per), Marty Paich(strings), etc


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Warm Breeze
この記事を書いた人: Warm Breeze
70年代、80年代の洋楽やAORを中心に、心の栄養と生活の潤いを与えてくれる素敵な音楽を紹介します。どちらかというと埋もれている名作を紹介したいという気持ちが強いです。

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Rooster.Cogburn

ターニングポイントの作品

それまでブリティッシュ・ハードロックやプログレッシブ・ロック。アメリカでは所謂ウエストコーストロックなどを聴いていた中学生が何かに目覚めた。そんな作品です。私はyou are the flowerが大好き。

デビュー前から盛んに宣伝されていたので、一体どんな奴等なんだと思ってましたが、聴いてビックリ。アレンジが都会的で、それを補う演奏技術の高さ、大音量でも聴き疲れしないスマートなロック。正にターニングポイントだったと言えます。その後は自然とメンバーの参加している作品を漁って聴くようになりました。問題は子供なのでお金がないこと。沢山買えないので友人を巻き込んで貸し借りしながら収集してました。

2020年04月11日 (土) 23:43
Warm Breeze

Warm Breeze

Re: ターニングポイントの作品

Rooster.Cogburnさん、コメントありがとうございます。

私がTOTOを知ったのは『聖なる剣』が発売される直前なので、このアルバムは後追いで聴いてました。"セッション・ミュージシャンたちが作ったロック・バンド" という紹介も当時はぴんと来なくて、ZeppelinやPink Floydなどと比べるとアイデンティティの曖昧なバンドという印象でした。まさかこれだけ長く活動を続けるバンドになるとは思わなかったです。

「You are the Flower」は私も好きです。このアルバムの中で唯一、Bobby Kimballが書いた曲ですね。

2020年04月12日 (日) 06:35

Rooster.Cogburn

ロングバージョン?

久し振りにアルバムを通して聴いてます。
いつもは手持ちのCD音源で聴くのですが、今回初めて配信音源で聴きました。

そこで謎が。

"「You Are The Flower」ってロングバージョンがあったの?"

いつも聴いてるCD音源(アナログ時代と同じ)は、後半フェードアウトして4:19秒で終わるのですが、配信のそれはフェードアウトせず、少し激しいアレンジ(音飛び起こしてるかと思った)に変わって4:47秒でやっと終わります。はじめて聴いてから40年以上、「この後、どうなるのかな?」と、思っていた部分がこんなことで聴けるなんて。

ボーっとしてると聴き逃しますね。

この音源、どのCDに収録されているのかな。
欲しいな。

SpotifyとApple Musicは同じ音源(ロング)でした。


2020年06月17日 (水) 17:21
Warm Breeze

Warm Breeze

Re: ロングバージョン?

Rooster.Cogburnさん、こんばんは

「You Are The Flower」のロング・バージョン、知りませんでした。調べてみたところ、2019年5月に発売されたCD BOXセット『All In』に収録されているバージョンがロング・バージョンになっているようです。

1stアルバムの『TOTO』の収録曲のうち、「You Are The Flower」と「Angela」の2曲がロング・バージョンみたいですね。Amazonだと9,000円。高いけど、、、欲しいなぁ…

2020年06月17日 (水) 19:18

Rooster.Cogburn

なるほど、Box Setか

Warm Breezeさん、
Rooster Cogburnです。

あのBox Setで使われているバージョンなんですね。それに、“Angela”までロングになっているとは。私は、”You Are The Flower”のロングバージョンに驚いてアルバムを最後まで聴いてなかったので、このコメントでようやく聴くことができました。確かに長い。

取り敢えず、配信されているバージョンはBox Setと同じ2018 Remasterらしいので、私はCDのバラ売りを期待しつつ待ってみます。

そう言えば、配信中の『The Seventh One』の4曲目に収録されている「Stop Loving You」が、間奏部分でジョン・アンダーソンのスキャットを活かした別ミックス(ベスト盤で公開済み)に差し替えられているのは気がついていて、これも、いつどこで差し替えたのか気になってた。この2018 Remasterバージョンは、まだ掘り出し物があるかも。

2020年06月17日 (水) 23:06