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Warm Breeze

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The Bliss Band / Neon Smiles (1979年) - アルバム・レビュー

2019年10月20日
AOR名盤(1979年) 2
おすすめのアルバムをショート・レビューで紹介する「アルバム・レビュー」。今日は、The Bliss Bandの1979年のアルバム『Neon Smiles』の紹介です。
The Bliss Band / Neon Smiles (1979年)
The Bliss Bandは、職人ソングライターのPaul Bliss(vo, k)率いるイギリスの5人組。Paul Blissの他のメンバーは、Andy Brown(b, vo), Phil Palmer(g, vo), Alan Park(k), Nigel Elliott(ds, per)となっている。

彼らのデビュー・アルバムは1978年の『Dinner With Raoul / デビュー!』で、そこでは元Steely DanのJeff Baxter (当時はThe Doobie Brothersに在籍) がプロデュースを担当した。そのせいか、内容的にもSteely Danの初期の作品を聴いているような味わいがある。

この『Neon Smiles』はセカンド・アルバム。キーボード&フルート奏者のGeoff Westleyがプロデュースとアレンジを担当し、サウンドのSteely Dan色は消えて、その代わりに英国のバンドらしい気品と繊細さ、憂いをまとったポップで上質なメロディになっている。CDのライナー・ノーツには、「1枚目はかなりスティーリー・ダンしていたけれど、2枚目はもっと自分たちの個性を出さなくてはならないと、レコード会社も僕らも考えていたんだ。」というPaul Blissのコメントがあるので、意図した変化のようだ。

前作と同様に、リーダーのPaul Blissがメンバーとの共作も含めて全ての曲を書いている。その中に、後にメジャーになる曲が2曲あるので紹介しよう。

1曲目はポップでチャーミングなメロディの「How Do I Survive?」。Michael McDonaldの奥様のAmy Hollandが80年のデビュー・アルバム『エイミー』でこの曲をカヴァーし、Billboard Hot 100チャートの22位になるヒットを記録したほか、England Dan Sealsが同じ年のデビュー・アルバム『』でカヴァー。The Nolansも82年のアルバム『』で歌っている。

もう1曲は、7分を超える重厚なロック・チューンの「That's The Way That It Is」。こちらはGraham Bonnetの81年のアルバム『』や、Uriah Heepの82年のアルバム『』など、ハード・ロック系のアーティストにカヴァーされたほか、AOR好きに人気のあるThe Presidentの83年のアルバム『By Appointment Of / ホット・ブラッド・サマー』でもカヴァーされている。

静かで幻想的な「Someone Else's Eyes」や牧歌的なインスト曲の「If It Takes Until Forever」はブリティッシュ・プログレの味わい。Paul Blissは90年代にThe Moody Bluesの活動に参加しているので、その片鱗がうかがえる。

「Chicago」も、Paul Blissのソング・ライティングの妙を味わえる素晴らしいナンバー。しっとりとした憂いのあるメロディと深いメロウネスのあるサウンド。濃厚なベース・ラインは、どこかKenny Logginsの名曲「Nightwatch」を思わせる。

バンドは2枚のアルバムを残して解散。その後、Paul Blissはソングライターの活動に力を入れており、82年にはOlivia Newton-Johnのヒット曲「Heart Attack」(米2位)をSteve Kipnerと共作。Steve KipnerはOliviaの最大のヒット曲「Physical」(81年, 米1位)の作者だ。

Kipnerとの共作は他にもあって、松田聖子が海外進出を視野に入れて "SEIKO" 名義でリリースした最初のシングル「Dancing Shoes」(85年, オリコン1位)は、この2人による共作だ。プロデュースを担当したのがPhil Ramoneというから驚く。また、松田聖子の88年のシングル「Marrakech」(オリコン1位)も、Paul BlissとSteve Kipnerの共作。こちらのアレンジにはDavid Fosterが加わっている。

●収録曲
1. Stagefright - 4:34
2. How Do I Survive? - 4:08
3. Hollywood - 3:51
4. Someone Else's Eyes - 4:12
5. Doctor - 4:31
6. Chicago - 5:40
7. We Never Had It So Good - 3:14
8. If It Takes Until Forever - 2:37
9. Something About You - 3:59
10. That's The Way That It Is - 7:15


◆プロデュース: Geoff Westley(k, flute, ar)

◆参加ミュージシャン: Paul Bliss(vo, k), Phil Palmer(g, vo), Alan Park(k), Andy Brown(b, vo), Nigel Elliott(ds, per)
with Frank Ricotti(per), Raphael Ravenscroft(sax)


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Warm Breeze
この記事を書いた人: Warm Breeze
70年代、80年代の洋楽やAORを中心に、心の栄養と生活の潤いを与えてくれる素敵な音楽を紹介します。どちらかというと埋もれている名作を紹介したいという気持ちが強いです。

コメント2件

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240

同じ日に・・・

こんにちは。
このバンド、全く知りませんでした。実は同じ音楽仲間のブロガーさんも本日、このバンドのアルバム2枚を、スティーリー・ダンのフォロワーとしてご紹介してました。ただこのアルバムはスティーリー・ダンって感じは全くせず、AOR系アルバムですね。
グラハムボネットは大好きだったので、よく聴いてましたが、「That's The Way That It Is」全く記憶にありません(笑)。グラハムも歌っていたんですね。
それにしてもAOR系アルバムは知り尽くしているという自負があったのですが、まだまだ知らないアルバム、いっぱいありますね~。

2017年09月24日 (日) 17:07

Warm Breeze

Re: 同じ日に・・・

240さん、こんばんは

同じ日に他のブロガーさんも書かれていたとは驚きです!
「That's The Way That It Is」、私はUriah Heepのアルバム(ジャケットが怖いやつ)で最初に聴きました。グラハムが歌っていることは私も知らなくて、中田利樹氏のライナー・ノーツを読んで認識した次第。1stもお薦めですよ。スティーリー・ダンの初期のアルバムを思わせる素敵なサウンドです。

2017年09月24日 (日) 22:03