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Warm Breeze

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Terence Boylan / Terence Boylan (1977年) - アルバム・レビュー

2019年08月01日
AOR名盤(1977年) 2
おすすめのアルバムをショート・レビューで紹介する「アルバム・レビュー」。今日は、Terence Boylanの1977年のアルバム『Terence Boylan』の紹介です。
Terence Boylan / Terence Boylan (1977年)
Terence BoylanはNY生まれのシンガー・ソングライター。大学時代のクラス・メイトには、後にSteely Danを結成するDonald FagenとWalter Beckerがいて、Boylanのファースト・アルバム『』(69年)にも参加している。アルバムの内容はBob Dylan風のフォーク・ロックだが、FagenとBeckerの二人にとって最初の録音となった作品らしい。

その後、BoylanはLAに移って音楽活動を続け、Asylum Recordsとの契約を獲得する。そして発表されたのが、8年ぶりとなるセカンド・アルバムの『Terence Boylan』だ。前作に続くセルフ・プロデュースのアルバムで、全曲をBoylanが書いている。

本作は、爽やかなウェスト・コースト・サウンドに包まれた美しいアルバム。1曲目の「Don't Hang Up Those Dancing Shoes」の大らかなメロディと瑞々しいサウンドを聴くと、心が洗われる思いがする。

この曲のミュージシャンのクレジットが眩しい。ドラムスはDerek & The DominoesのJim Gordon。ベースはChuck Rainey。ピアノはDonald Fagen。ギターはDean ParksとBoylan。ローズ・ピアノとパーカッションはVictor Feldman。ヴォーカル・ハーモニーはTimothy B. Schmit。何とも素敵な顔ぶれ。

続く「Shake It」も、風が穏やかにそよぐような気持ちのいい曲。オルガンを弾いているのはAl Kooperだ。この曲は、Ian Matthewsの78年のアルバム『』でカバーされ、シングル・チャートの13位を記録するヒットになっている。そのアルバムでは、1曲目の「Don't Hang Up Those Dancing Shoes」もカバーされた。

ファースト・アルバムに続いてDonald Fagenが参加し、2曲(1, 5)でピアノを弾いている。確かに「Shame」のサウンドや鍵盤の音色にはSteely Dan風のクールな味わいがある。ちなみに、TOTOのSteve Lukatherも2曲(4, 6)でギターを弾いているが、これがLukatherの初レコーディングだとか。

8曲目の「Rain King」は柔らかく降る雨のような滋養と癒しのある曲。ローズ・ピアノ(Feldman)の優しい音色とテナー・サックス(John Klemmer)の凛々しい響きが織りなすサウンドは詩的でロマンティック。このアルバムの邦題は『リリシズム』だが、その意味するところの "叙情詩的な趣や味わい" にぴったりな曲だ。

Terence Boylanが翌78年にプロデュースしたDane Donohueのアルバム『Dane Donohue』も、本作の雰囲気とよく似ており、おすすめ。Donohueの歌声まで、Boylanに似ている。

兄のJohn Boylanはレコード・プロデューサーとして活躍した。前の年には、Bostonの傑作アルバム『』(76年)をTom Scholzと一緒にプロデュースし、大成功を収めている。

●収録曲
1. Don't Hang Up Those Dancing Shoes - 3:30
2. Shake It - 3:48
3. Sundown Of Fools - 2:43
4. The War Was Over - 4:21
5. Shame - 4:40
6. Hey Papa - 4:00
7. Where Are You Hiding - 4:09
8. Rain King - 3:38
9. Trains - 5:20


◆プロデュース: Terence Boylan(vo, g, ds)

◆参加ミュージシャン: Steve Lukather/Dean Parks(g), Donald Fagen/Al Kooper/David Paich/Jai Winding(k), Victor Feldman(k, per), Chuck Rainey/Wilton Felder/Bob Glaub/Lee Sklar(b), Jim Gordon/Jeff Porcaro/Russ Kunkel(ds), John Klemmer(sax), Don Henley/Timothy B.Schmit/Tom Kelly(bv), etc


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Warm Breeze
この記事を書いた人: Warm Breeze
70年代、80年代の洋楽やAORを中心に、心の栄養と生活の潤いを与えてくれる素敵な音楽を紹介します。どちらかというと埋もれている名作を紹介したいという気持ちが強いです。

コメント2件

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240

デイン・ドナヒュー

こんばんは。
これもいいアルバムですよね。「Don't Hang Up Those Dancing Shoes」の世界観は、ホント、デイン・ドナヒューのアルバムと一緒。こっちが本家だと思いますが、私はデインのアルバムを先に聴いていたので、あっちが本家のように感じてしまいます(苦笑)。
テレンスの次のサードアルバムは失敗作のようですね。個人的にはデインがなぜ1作でこの世界を去ってしまったのか、すごく気になります。

2017年10月07日 (土) 20:05

Warm Breeze

Re: デイン・ドナヒュー

240さん、こんばんは

凄くいいですよね、このアルバム。デイン・ドナヒューのアルバムもそうですが、こういう逸品に出会うと感動します。デインに関する情報は少ないですね。とても謎めいたミュージシャンです。
テレンスの3作目『Suzy』については、輸入CDが今度発売されるみたいですね。Amazonでサンプルを聴いた印象では、前半はいまひとつですが、後半は2作目と同じ路線でかなり良いです。購入する予定です。

2017年10月07日 (土) 23:55