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Ben Sidran / The Doctor Is In (1977年) - アルバム・レビュー

2018年07月19日
AOR名盤(1977年) 0
おすすめのアルバムをショート・レビューで紹介する「アルバム・レビュー」。今日は、Ben Sidranの1977年のアルバム『The Doctor Is In』の紹介です。
Ben Sidran / The Doctor Is In (1977年)
Ben Sidranはシカゴ生まれのミュージシャン。英国サセックス大学の博士号を有し、音楽や特にジャズに対する造詣が深いことから "ドクター・ジャズ" の異名をもつ才人だ。Steve Miller Bandにキーボード奏者として参加したり、「Go Jazz」レーベルを主宰したり、音楽ライターとして著作活動をしたりと、その活動は多岐にわたる。

ソロ・アルバムは1971年から出しており、この『The Doctor Is In』は6作目。ジャズへの思いやリスペクトがたっぷり注がれた内容だが、ジャズのアルバムではなく、上質な "ジャズっぽいポップ・アルバム" になっているところが魅力。

Ben Sidran自らがプロデュースを担当し、自作のヴォーカル曲(9曲)のほかに、ジャズ・スタンダードの「Silver's Serenade」と「Good Bye Pork Pie Hat」のカヴァー(どちらもインスト曲)を収録している。

「Silver's Serenade」は、ジャズ・ピアニストのHorace Silverのアルバム『』(63年)の収録曲。同アルバムに参加していたBlue Mitchellが、ここでもクールなトランペットを披露しており、とても聴き応えがある。この曲と「Charlie's Blues」では、ドラムスをTony Williams、ベースをRichard Davisが演奏しているのも聴きどころ。

一方の「Good Bye Pork Pie Hat」は、Jeff Beckの『』(76年)や、Joni Mitchellの『』(79年)でカヴァーされたことで、ロック好きにも馴染みのある曲。原曲は、ジャズ・ベース奏者のCharles Mingusのアルバム『』(59年)に収録されており、同年に亡くなったサックス奏者のLester Youngに捧げられている。Porkpie Hat(ポークパイ・ハット)は、Lester Youngのトレードマークだったようだ。

この2曲以外のヴォーカル曲では、Ben Sidranの粋でクールな歌いっぷりを存分に味わえる。特に「Song For A Sucker Like You / 世間知らずの歌」での歌いっぷりは、胸のすくようなかっこ良さ。

このアルバムは、ソニーの「AOR CITY 1000」から、2016年にCDが再発されている。今年7月には、『Free In America』(75年)、本作(77年)、『A Little Kiss In The Night』(78年)、『Live At Montreux』(78年)の4作品をデジタル・リマスタリングした『』がBGO Recordsから発売されており、おすすめ。

●収録曲
1. Get It Yourself - 3:02
2. Song For A Sucker Like You / 世間知らずの歌 - 4:19
3. Broad Daylight - 3:30
4. One Way Grave - 3:39
5. See You On The Other Side - 4:20
6. Set Yourself Free - 4:29
7. Silver's Serenade - 5:11
8. Nobody's Fool - 3:03
9. Charlie's Blues - 1:59
10. Good Bye Pork Pie Hat - 3:37
11. Be Nice 1:02


◆プロデュース: Ben Sidran(vo, k)

◆参加ミュージシャン: Nick DeCaro(ar), Larry Carlton(g), Phil Upchurch/Richard Davis/Chuck Domanico(b), Tony Williams/John Guerin(ds), Ray Armondo/Gary Mallaber(per), Blue Mitchell(tp)


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この記事を書いた人: Warm Breeze
70年代、80年代の洋楽やAORを中心に、心の栄養と生活の潤いを与えてくれる素敵な音楽を紹介します。どちらかというと埋もれている名作を紹介したいという気持ちが強いです。

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