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Peter Allen / Bi-Coastal (1980年) - アルバム・レビュー

2018年08月12日
AOR名盤(1980年) 0
おすすめのアルバムをショート・レビューで紹介する「アルバム・レビュー」。今日は、Peter Allenの1980年のアルバム『Bi-Coastal』の紹介です。
Peter Allen / Bi-Coastal (1980年)
Peter Allenはオーストラリア生まれのシンガー・ソングライター。Olivia Newton-Johnの1974年のグラミー受賞曲「I Honestly Love You / 愛の告白」や、Melissa Manchesterの78年のヒット曲「あなたしか見えない」、Christopher Crossが歌った81年の映画『Author』の主題歌「ニューヨーク・シティ・セレナーデ」などの共作者としても知られている。

この『Bi-Coastal』は、Peter Allenの6枚目のアルバム。David Fosterがプロデュースを手がけ、Allenの書くロマンティックなメロディを華やかにコーディネートした名作だ。Fosterがプロデュースした当時の作品の中では1番に挙げて良いくらい、曲、演奏、アレンジのクオリティが高い。

全曲がPeter Allenのオリジナルで、「Simon」以外は共作曲。Tom Keane & David Foster(1, 3)、Carole Bayer Sager & D.Foster(2, 9)、David Lasley(4, 7)、D.Foster(5, 10)、Dean Pitchford(6)と、選りすぐりの実力派が共作の相手になっている。

「One Step Over The Borderline」や「Fly Away」、「Pass This Time」は、Fosterのアレンジの手腕が光る都会的でエレガントなナンバー。メロウな「Fly Away」は、竹内まりやの同年のアルバム『』に書き下ろした曲に、Fosterが手を加えたものらしい。

TOTOのJeff Porcaro(ds), Steve Lukather(g), Mike Porcaro(b)が熱く演奏する「Hit In The Heart」のようなロック・チューンもあるが、Allenの作る曲の魅力は、優しさ溢れるバラードで発揮される。本作では、David Lasleyと共作した2曲と「Simon」、ラストの「When This Love Affair Is Over」がバラード曲。

こうした曲は他のシンガーにも好まれ、「I Don't Go Shopping」はPatti Labelleのアルバム『』(80年)で、「Somebody's Angel」はDionne Warwickのアルバム『』(80年)で歌われた。

「Simon」も素晴らしい曲。無二の親友だったサイモンから、今日、電話があった。「初めて愛した女の子と、結婚するために駆け落ちをした」、と。自分にやさしくしてくれたサイモンを思い出し、"Simon, Simon, ..." と、万感胸に迫るように歌う。この曲は68年に書かれ、当時の夫人だったLiza Minnelliがアルバム『Come Saturday Morning』(69年)で歌った。AllenはLiza Minnelliとの結婚生活(67年~74年)の後に、自分がゲイであることをカミングアウトしている。92年、エイズによる合併症のため夭逝。

Peter Allenの作る曲はロマンティックなだけでなく、寄り添うような優しさや人間味があり、心を動かされる。また、歌声もAllenの大きな魅力。本作では特に「I Don't Go Shopping」の歌いっぷりが見事で、Lon Priceによるサックス・ソロの素晴らしさと相まって、爽やかな感動を残す。

●収録曲
1. One Step Over The Borderline - 3:54
2. Fly Away - 4:05
3. Bi-Coastal - 4:22
4. I Don't Go Shopping - 3:33
5. Hit In The Heart - 3:24
6. I Could Really Show You Around - 4:13
7. Somebody's Angel - 4:17
8. Simon - 3:25
9. Pass This Time - 4:00
10. When This Love Affair Is Over - 6:05


◆プロデュース: David Foster(k)

◆参加ミュージシャン: Peter Allen(vo, k), Steve Lukather/Jay Graydon/David Williams/Richie Zito(g), Tom Keane(k), Larry Williams(k, sax), Mike Porcaro(b), Jeff Porcaro/Carlos Vega/Ed Greene/Ralph Humphrey(ds), Paulinho Da Costa(per), Jerry Hey(tp), Richard Page/Steve George(bv), etc


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この記事を書いた人: Warm Breeze
70年代、80年代の洋楽やAORを中心に、心の栄養と生活の潤いを与えてくれる素敵な音楽を紹介します。どちらかというと埋もれている名作を紹介したいという気持ちが強いです。

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