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Warm Breeze

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Bertie Higgins / Just Another Day In Paradise (1982年) - アルバム・レビュー

2019年11月10日
AOR名盤(1982年) 4
おすすめのアルバムをショート・レビューで紹介する「アルバム・レビュー」。今日は、Bertie Higginsの1982年のアルバム『Just Another Day In Paradise / カサブランカ』の紹介です。
Bertie Higgins / Just Another Day In Paradise (カサブランカ) (1982年)
Bertie Higginsはフロリダ出身のシンガー・ソングライター。60年代から音楽活動をしていて、長い下積みを経験したあとにこの『Just Another Day In Paradise / カサブランカ』でデビューしている。

このアルバムは日本でもヒットし、オリコンの週間アルバム・チャートの4位をマークした。その後押しをしたのは、アルバム2曲目に収録された「Casablanca」を「哀愁のカサブランカ」というタイトルでカバーした郷ひろみ。「哀愁のカサブランカ」は、オリコンの週間シングル・チャートの2位を記録するヒットになり、その勢いで原曲の「Casablanca」もオリコンの洋楽シングル・チャートの8週連続1位を記録。82年の年間チャートでは1位に輝いている。

この曲の哀感あふれるメロディはとても印象深いもので、Bertie Higginsといえばこの「Casablanca」を思い出す(郷ひろみのカバーではなく…)。タイトルから分かるように、1942年の映画『カサブランカ』を題材にしていて、サビの "a kiss is still a kiss in Casablanca" というフレーズがロマンティック。

一方、本国のアメリカでは「Casablanca」はシングル・カットされていない。ファースト・シングルは4曲目の「Key Largo」で、全米シングル・チャートの8位をマーク。タイトルの "キー・ラーゴ" はBertie Higginsの地元フロリダ州の最南端にある島で、曲調もトロピカルで穏やかな雰囲気に満ちている。この曲もまた、「Casablanca」と同じように古い映画の『Key Largo』(1948年)を題材にしていて、"We had it all just like Bogey and Bacall" というくだりのBogeyは主演のハンフリー・ボガードを、Bacallはローレン・バコールを指している。

1曲目の「Just Another Day In Paradise」も波の効果音で始まるトロピカル・ムードの曲で、邦題は「ふたりだけの恋の島」。この曲はセカンド・シングルとなり、全米チャートの46位に到達している。なお、アルバムはBillboard 200チャートの38位をマークした。

3曲目の「Candledancer」もおすすめのナンバー。ミディアム・テンポのメロウな曲で、Bertie Higginsの情感を込めた歌や甘いサックス・ソロ、繊細で美しいストリングスが絶品。無機質でクールな印象のサウンドが盛いを増していた80年代にあって、このアルバムにはハートフルなメロディと温もりのあるサウンドが溢れている。

なお、冒頭のお洒落な画像は日本盤のジャケットのもので、オリジナルのジャケットには南国のムード溢れる下のデザインが使われている。
Bertie Higgins / Just Another Day In Paradise (1982年) (オリジナル・フロント・カヴァー)
波の音で始まる「Just Another Day In Paradise」やトロピカルなムードの「Key Largo」、そのものズバリのタイトルの「The Tropics」など、オリジナルのデザインに相応しい曲が揃っているので、わざわざ差し替えなくてもいいのだが、日本盤のお洒落なジャケットがとてもキャッチーで、一度見たら忘れない。

Bertie Higginsは日本では「Casablanca」の一発屋と思われているが、息の長い活動をしている。現在もアルバムやシングルを制作しており、例えば2015年の『』などはアコースティックな好盤。本作収録の「The Tropics」もラストで歌っている。

●収録曲
1. Just Another Day in Paradise / ふたりだけの恋の島 - 3:56
2. Casablanca - 4:34
3. Candledancer - 3:48
4. Key Largo / キー・ラーゴ~遙かなる青い海 - 3:20
5. Port O' Call (Savannah '55) / 愛してるよ、サヴァンナにて。1955年 - 3:26
6. White Line Fever - 3:59
7. The Heart Is the Hunter / 愛すれど心さびしく - 3:27
8. She's Gone to Live on the Mountain / きみ去りし今 - 3:26
9. Down at the Blue Moon / ブルー・ムーンに届けておくれ - 3:57
10. The Tropics / トロピカル・ハリケーン - 7:00


◆プロデュース: Sonny Limbo, Scott Maclellan

◆参加ミュージシャン: Bertie Higgins(vo, ag), Barry Richmond/Ken Bell/Shelton Irwin(g), John Healy/Steve Nathan(k), Gary Baker/Arch Peason III(b), Owen Hale/Bill Marshall(ds), etc


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Warm Breeze
この記事を書いた人: Warm Breeze
70年代、80年代の洋楽やAORを中心に、心の栄養と生活の潤いを与えてくれる素敵な音楽を紹介します。どちらかというと埋もれている名作を紹介したいという気持ちが強いです。

コメント4件

コメントはまだありません

240

Key Largo

こんにちは。
懐かしいですね。私は断然「Key Largo」。大好きなんです、この曲。昔、「波の数だけ抱きしめて」っていう映画がありましたが、そのサントラがAORの名曲をセレクトしたようなアルバムで、特に「Key Largo」が大好きでした。
バーティ、今も活動されているんですね。

2016年11月05日 (土) 12:49

Warm Breeze

Re: Key Largo

240さん、こんにちは。
「波の数だけ抱きしめて」、私も去年の夏だったかにNHK BSで放送した際に遅ればせながら見ました。
アルバムは以前から聴いていましたが、映像を見るのは初めて。
AORの選曲と映像がマッチしていて、ほろ苦くて甘ずっぱい気分に浸りました。
Bertie Higginsのこのアルバムからは、「Key Largo」と「Casablanca」の2曲が使われていましたね。

2016年11月05日 (土) 15:18

犬のポチくん。

ジャケット

AORに有りがちな、日本盤ジャケット差し替えですね。
オリジナルジャケットを初めて見ることが出来ました。
上半身裸っぽくて、日本のレコード会社は受け入れなかったのでしょうかね。
あの当時はよくあったものです。
歌い手さんの顔を後から知ってびっくりするパターンでした。

2019年11月14日 (木) 14:48
Warm Breeze

Warm Breeze

Re: ジャケット

コメントありがとうございます。

確かに、Bertie Higginsの素顔は声の雰囲気とミスマッチですね…(笑)。それにしても、日本ではイメージ重視で売るせいか、ジャケットの差し替えが多いですね。このアルバムに関しては、日本盤のセンスがとても良いので成功例だと思います。

2019年11月14日 (木) 23:56