洋楽中心生活
Warm Breeze

音楽は心の糧、生活のサプリメント。洋楽を中心に極上の音楽との生活を綴ります。

Kalapana / Kalapana II (1976年) - アルバム・レビュー

2020年06月21日
AOR名盤(1974~1976年) 4
おすすめのアルバムをショート・レビューで紹介する「アルバム・レビュー」。今日は、Kalapanaの1976年のアルバム『Kalapana II / ワイキキの熱い砂』の紹介です。
Kalapana / Kalapana II (ワイキキの熱い砂) (1976年)
Kalapanaは、1973年にMackey Feary(vo, b), Malani Bilyeu(vo, g), David John Pratt(g), Kirk Thompson(k)の4人によってハワイのホノルルで結成されたグループ。ウェストコースト・サウンドの爽やかさとブルー・アイド・ソウルの滑らかさ、フュージョンのようなアンサンブルの妙味、そしてハワイの空気が香るロコ・サウンドをミックスした独自の音楽で人気を博している。

Kalapanaのような音楽は日本では "サーフ・ロック" と呼ばれたようだが、ハワイでは "Contemporary Hawaiian" と呼ばれていて、Kalapanaの他に、Cecilio & Kapono、KalapanaのMackey Fearyの結成したMacky Feary Band、Kirk Thompsonの結成したLemuria、Tender Leafなどがある。

今日紹介する『Kalapana II』はセカンド・アルバム。ジャケットには、左から順にMackey Feary, Malani Bilyeu(ビリュー), David John Pratt(D.J. Pratt), Kirk Thompsonの4人が写っている。

収録された12曲は全てオリジナル。作曲に関してはMackey Fearyが5曲(1, 4, 7, 9, 11)、Malani Bilyeuが4曲(3, 5, 10, 12)、Kirk Thompsonが2曲(6, 8)、D.J. Prattが1曲(2)を担当している。

ここから、おすすめの4曲をピック・アップ。

まずは、Mackey Fearyの書いた「Love 'Em」。ふんわりと軽やかなグルーヴ。潮風のように甘く香るメロディとハーモニー。Fearyの歌声は独特の湿度と温もりを帯びていて、ほんのり甘い。心地よい癒しと安らぎを得られる極上のメロウ・ナンバーだ。

Malani Bilyeuの書いた「(For You) I'd Chase A Rainbow / 虹を追う男」も素敵なナンバー。サックスのロマンティックな音色に導かれてBilyeuが情感たっぷりに歌い始めると、それを男4人のコーラスが優しく包んでいく。この曲は、91年の邦画『波の数だけ抱きしめて』に使われていて、夕暮れの海とウィンド・サーファーの美しい映像をバックに曲が流れる。

Kirk Thompsonの書いた「Black Sand / ワイキキの熱い砂」は唯一のインスト曲で、アルバムの邦題になっている。ちなみに、ファースト・アルバム『』の邦題は "ワイキキの青い空"。ソロ・パートでは、Kirk Thompsonのエレピ、D.J. Prattのギター、Michael Pauloのサックスの順にそれぞれが腕を振るう。2曲目の「Freedom」も彼らのアンサンブルの良さを味わえるスリリングなナンバーだ。

Mackey FearyとRon Yuen(ユーエン)の共作した「Juliette / 愛しのジュリエット」は、もの哀しいメロディをボサノバ・タッチにアレンジした人気曲。Ron YuenはSummerというバンドでヴォーカルとギターを担当していて、Summerのデビュー・アルバムの『』をKalapanaのD.J. Prattがプロデュースしている。二つのアルバムは同じ時に同じスタジオで録音されたらしく、それが「Juliette」の共作につながったようだ。

オリジナル・メンバーのうちMackey Fearyは99年に、Malani Bilyeuは2018年に他界し、現在のKalapanaはD.J. Prattと日本人ベーシストの佐野 健二を含むメンバーで活動している。なお、Fearyが結成したMackey Feary Bandの78年のアルバム『Macky Feary Band』もおすすめ。Fearyの優しく繊細な曲の数々が胸を打つ名作だ。

●収録曲
1. Love 'Em - 3:07
2. Freedom - 3:56
3. (For You) I'd Chase A Rainbow / 虹を追う男 - 2:55
4. Way I Want It To Be - 3:00
5. Dorothy Louise - 3:15
6. Play It Sing It - 3:00
7. Moon And Stars - 3:15
8. Black Sand / ワイキキの熱い砂 - 5:30
9. Lost Again - 3:10
10. Wandering Stranger / 愛はさすらい人 - 3:54
11. Juliette / 愛しのジュリエット - 3:05
12. Nathan's Lament - 3:53


◆プロデュース: Kalapana

◆参加ミュージシャン: Mackey Feary(vo, b, ag), Malani Bilyeu(vo, g), D.J. Pratt(g, bv), Kirk Thompson(k, bv)
with Alvin Fejerang(ds, per), Michael Paulo(sax, flute)


関連記事
この記事が参考になりましたらクリックをお願いします。

気に入ったらシェア!

Warm Breeze
この記事を書いた人: Warm Breeze
70年代、80年代の洋楽やAORを中心に、心の栄養と生活の潤いを与えてくれる素敵な音楽を紹介します。どちらかというと埋もれている名作を紹介したいという気持ちが強いです。

コメント4件

コメントはまだありません

ローリングウエスト

カラパナは1980年によく聞きました。サーファー族でお洒落な若者に全く関係なかった社会人1年生の頃、まあよき時代だったというか・・。日本が一番輝いていた頃かもしれませんね。
2016年もいよいよ暮れようとしています。今年最後の洋楽記事は。ビートルズ「エリナーリグビー」で締めくくりました。2016年はビートルズにとって特筆的な年でした。来日50周年、リボルバー50周年、LIVEドキュメンタリー映画公開、そして名プロデューサー「ジョージマーチン」の死、彼を追悼・・。

2016年12月24日 (土) 20:46

Warm Breeze

エリナーリグビー

RWさん、いつもコメントをありがとうございます。
「エリナーリグビー」での締めくくり、渋いですね。RWさんのカラオケ定番曲なのですね。

今年は大物ミュージシャンに動きがあった一年ですね。David BowieとPrinceの訃報にショックを受けましたが、年末にRolling Stonesの11年振りのアルバム発売が元気をくれました。
Bob Dylanのノーベル賞受賞も、いい意味で驚きと喜びのあるニュースでした。

2016年12月25日 (日) 07:10

ギターマジシャン

カラパナ

77年頃、サーフロックの決定盤のキャッチコピーで、1・2枚目が同時に国内盤で出て、ラジオでエアチェックしました。

西城秀樹のようなハスキー声のマッキーと、ヨーデルのような透明なマラニのツインボーカルも見事なら、フュージョン最前線のような「ワイキキの熱い砂」でのプラットのギターとカークのエレピの確かなテクニックで、すごいバンドでした。

「メニイ・クラシック・モーメンツ」のヒットで来日した際は、テレビにも出ましたが、すでにマッキーが脱退していて残念でした。

プラットしか残っていないのにカラパナ名義で来日してライブ盤まで出しましたが、マッキーとマラニが共演してカラパナ名義で出したライブ盤の方が往年の音で楽しめました。

2020年06月24日 (水) 22:42
Warm Breeze

Warm Breeze

Re: カラパナ

ギターマジシャンさん、コメントありがとうございます。

マッキーとマラニが共演してカラパナ名義で出したライブ盤って、83年にリユニオンした際のライヴ・アルバム『Reunion』ですかね。

この時のライヴにはマッキー、マラニ、カークが参加していてプラットは不参加ですね。ちょっと視聴してみましたが、1・2枚目あたりの往年の音という感じがします。

2020年06月25日 (木) 00:01