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Warm Breeze

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The President / By Appointment Of (ホット・ブラッド・サマー) (1983年) - アルバム・レビュー

2020年06月14日
AOR名盤(1983年) 6
おすすめのアルバムをショート・レビューで紹介する「アルバム・レビュー」。今日は、The Presidentの1983年のアルバム『By Appointment Of / ホット・ブラッド・サマー』の紹介です。
The President / By Appointment Of (ホット・ブラッド・サマー) (1983年)
The Presidentは、ドラマーのPim KoopmanとヴォーカリストのOkkie Huysdensによって1982年頃に結成されたオランダのロック・ユニット。二人はオランダの音楽シーンで70年代から活躍しているベテランのミュージシャンだ。

Pim Koopmanはプログレッシヴ・ロック・バンドのKayak(72年~)やロック・バンドのDiesel(78年~)を立ち上げて、ドラムスを担当していた。Okkie Huysdensは、Heart, Limousine, Rainbow Trainなどのバンドのヴォーカルを担当した後、80年代初めに "Stars On 45" に参加している。Stars On 45は、The BeatlesやABBA, Stevie Wonder, The Rolling Stonesなどの大物アーティストのメドレーで人気を博したプロジェクトで、Okkie HuysdensはThe BeatelsメドレーのPaul McCartney役を担当していた。

The Presidentは2枚のアルバムを残していて、今日紹介する『By Appointment Of』は1作目。立派なロブスターが万年筆で "(By Appointment Of) The President" (社長の命により) と署名するユーモラスなジャケットがひときわ目立つ。

彼らのサウンドは、ロック色が割としっかり出ているAOR。二人のオリジナルは7曲(1-5, 8, 9)で、Pim Koopmanが曲を書き、Okkie Huysdensが一部の曲の作詞を手がけている。残りについては、ギタリストとして参加したBas Krumpermanが1曲(10)を書いたほか、The Bliss Bandのカヴァー曲(6)などを収録している。

ギタリストのBas KrumpermanもDieselのメンバーだったが、在籍時期はPim Koopmanと異なる。The Presidentの準メンバー的な扱いになっていて、ジャケットには "Vice-President" (副社長) としてクレジットされている。

この中から、おすすめの4曲をピック・アップ。

まずは1曲目の「Hot-Blooded Lady」。ディスコ調のポップな曲で、本作からのファースト・シングルになった。アルバム邦題の『ホット・ブラッド・サマー』は、この曲のタイトルから取ったのだろう。Okkie Huysdensの歌声はイーグルスのDon Henleyにそっくりで、ウェスト・コースト風のコーラスも気持ちいい。

2曲目の「Workin' Girl」は、働く女性を歌った快活な詩の内容とは裏腹に、メロディの方はキュートでほろ苦い。ふんわりと細やかにアレンジされたバック・コーラスも心地よく、甘酸っぱさがいっぱいに広がる。Pim Koopmanは優れたメロディ・メイカーで、このアルバムにはポップで豊かなメロディが溢れている。続くスロー・ナンバーの「Makin' Millionaires」のメロディもメロウで優雅だ。

格調高いロック・ナンバーの「That's The Way It Is」は、イギリスの職人ソングライターであるPaul Blissの作。80年代の産業ロックとしても立派に通用する音で、このアルバムからのサード・シングルになっている。この1曲には、DieselにPim Koopmanと同時期に在籍したFrank Papendrechtがベースで参加。原曲はThe Bliss Bandの79年のアルバム『Neon Smiles』の収録曲で、Uriah Heepも82年のアルバム『』でカヴァーしている。

セカンド・シングルになった「You're Gonna Like It」や、「Turn Me On」「Only Once Is Enough」などのポップでキャッチーなナンバーでは、Pim Koopmanの作るメロディ・センスの良さがキラリと光る。オランダで70年代から80年代にかけて放送された音楽番組のTopPopには、「You're Gonna Like It」を演奏する(風の)彼らの映像が残っている。間奏でマリンバを演奏しているKoopmanがとても楽しそうだ。

プログレッシヴ・ロック・バンドのKayakは82年に一度解散し、99年に再結成して現在も活動中。発表したアルバムの枚数は、再結成後の方が多いかも知れない。Pim Koopmanも99年の再結成の際に参加しているが、2009年に56歳の若さで他界した。

The Presidentの2作目は85年に発表された『Muscles』で、AORというよりはエレクトロ・ポップ寄り。CDは一度も再発されていないので、入手は困難かも。『By Appointment Of』のCDは2001年にソニーの「洋楽秘宝館」シリーズから一度だけ再発されている。充実した内容なので、いつかまた再発されるかも知れない。

●収録曲
1. Hot-Blooded Lady - 4:28
2. Workin' Girl - 3:45
3. Makin' Millionaires - 3:30
4. Don't Put Me On Hold - 3:49
5. Turn Me On - 4:14
6. That's The Way It Is - 4:37
7. Only Once Is Enough - 3:08
8. You're Gonna Like It - 3:39
9. Outland - 2:58
10. Goin' Places - 4:40


◆プロデュース: Pim Koopman, Okkie Huysdens

◆参加ミュージシャン: Pim Koopman(g, k, ds, bv), Okkie Huysdens(vo)
with Bas Krumperman(g), Frank Papendrecht(b), Hans Vermeulen(bv)


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Warm Breeze
この記事を書いた人: Warm Breeze
70年代、80年代の洋楽やAORを中心に、心の栄養と生活の潤いを与えてくれる素敵な音楽を紹介します。どちらかというと埋もれている名作を紹介したいという気持ちが強いです。

コメント6件

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ローリングウエスト

遅ればせながらあけましておめでとうございます!本年もどうぞよろしくお願いいたします!3連休も終わっちゃって・・、また明日から多忙な日々がこちらも始まりチト憂鬱・・(苦笑)
洋楽記事も今年初記事を公開いたしましたのでまた覗いて見て下さい。

2017年01月09日 (月) 18:06

Warm Breeze

明けましておめでとうございます。

RWさん、明けましておめでとうございます。

新年最初の記事、拝見しました。
David BowieとMick Jaggerがコラボした景気のいい曲ですね。MickにはBowieの分も頑張って欲しいです。

今年もよろしくお願いします。

2017年01月09日 (月) 19:49

カプリンツ21

参考になりました!

2020年06月14日 (日) 16:50

下瀬眞一郎

お疲れ様です!

2020年06月14日 (日) 16:52
Warm Breeze

Warm Breeze

Re: タイトルなし

カプリンツ21さん、コメントありがとうございます!

2020年06月14日 (日) 18:54
Warm Breeze

Warm Breeze

Re: タイトルなし

下瀬眞一郎さん、コメントありがとうございます!

2020年06月14日 (日) 18:55