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Leslie Smith / Heartache (1982年) - アルバム・レビュー

2020年01月26日
AOR名盤(1982年) 2
おすすめのアルバムをショート・レビューで紹介する「アルバム・レビュー」。今日は、Leslie Smithの1982年のアルバム『Heartache』の紹介です。
Leslie Smith / Heartache (1982年)
Leslie SmithはLAを拠点に活動するソウル/R&Bシンガー。70年代には白人・黒人混成の大型グループであるCrackin'のリード・シンガーとして活躍し、Crackin'の解散後は売れっ子のセッション・シンガーとして様々なアーティストの活動をサポートしている。ソロ・アルバムは1982年と92年に1枚ずつあり、特に82年の『Heartache』はAOR/ブラック・コンテンポラリーの名作と言える素晴らしい内容。

本作をプロデュースしたPeter BunettaとRick ChudacoffもCrackin'の元メンバー。二人はCrackin'のリズム・セクションを担当し、グループの解散後はBunetta & Chudacoffのプロデューサー・チームとして活躍している。本作でも二人がドラムとベースを担当。他の参加ミュージシャンのうち、Lester Abrams(sy), Arno Lucas(per, bv), Brian Ray(g)もCrackin'の仲間だ。

収録曲のほとんどはカヴァー曲や他作の曲になっていて、Leslie Smithが書いたのは、Lester Abramsと共作した「Don't Shut The Door (On My Love)」の1曲のみ。ここから、おすすめのナンバーを4曲紹介。

まずは1曲目の「It's Something」。Brenda RussellとDavid Fosterの共作した爽やかなナンバーで、Brenda Russellも83年のアルバム『Two Eyes / 出逢いのときめき』でセルフ・カヴァーしている。綺麗に整ったサウンドとLeslie Smithの伸びやかな歌声がとても気持ちいい。

2曲目はポップ&メロウな「Before The Night Is Over / 夜の終わりに」。Merry Claytonとのデュエット曲で、R&Bチャートでは71位まで到達した。Merry Craytonは、Little Featのパーカッション奏者であるSam Craytonの姉。The Rolling Stonesの「Gimmie Shelter」(69年)におけるMick Jaggerとのパワフルなデュエットが有名だ。素敵な雰囲気のハーモニカを吹いているのは、Steve Miller BandのNorton Buffalo。

華やかな「Nothin' You Can Do About It」は、David Foster, Jay Graydon, Steve Kipnerによる共作。Airplayの80年のアルバム『ロマンティック』の収録曲で、AirplayではTommy Funderburkがロック・シンガーらしいハイ・トーンで歌っているが、Leslie Smithは滑らかなテナー・ヴォイス。

「Love's A Heartache / 愛の傷跡」はNed Doheny作のお馴染みの曲。渋く枯れた味わいが魅力だが、Leslie Smithが歌うと艶やかになる。人気のある曲で、同じ年のAverage White Bandのアルバム『』に収録されたほか、ギタリストのRobben Fordも83年のアルバム『Love's A Heartache / ホイールズ・オブ・ラブ』でカヴァー。また、Ned Doheny自身は88年のアルバム『Life After Romance』でセルフ・カヴァーしている。

この他にもPiecesのリーダー格であるGeoffrey Lieb等が書いた「Dream On」や、Brock Walsh等の書いた「Do You Still Remember Me」など、AORのコアなファンには名の知れたソングライターの曲を歌っている。

AORのアルバムにはよくあるように、このアルバムのジャケットも国内盤では差し替えられた(下の画像)。決して悪くないがどこか寒々しくて、本作の爽やかなサウンドやLeslie Smithの温かい歌声にマッチしない。オリジナルのジャケットに写るLeslie Smithは熱い眼差し。ピンクのセーターにパープルのシャツの襟を立てていて、お洒落です。
Leslie Smith / Heartache (1982年) (国内盤フロント・カヴァー)

●収録曲
1. It's Something - 3:48
2. I'm On The Outside Looking In / アウトサイド・ルッキング・イン - 3:21
3. Before The Night Is Over / 夜の終わりに - 3:35
4. Don't Shut The Door (On My Love) - 4:03
5. Dream On - 4:13
6. Nothin' You Can Do About It - 4:25
7. Love's A Heartache / 愛の傷跡 - 4:46
8. Do You Still Remember Me - 4:00
9. If You're In Love - 4:14


◆プロデュース: Peter Bunetta(ds, per), Rick Chudacoff(b, k)

◆参加ミュージシャン: Ned Doheny/Brian Ray/Dennis Herring(g), Bill Elliot(k), Arno Lucas(per, bv), Joe Lala(per), Norton Buffalo(harmonica), Kal David(sitar, bv), Lester Abrams(sy), Merry Clayton(vo), Arnold McCuller/Matthew Wiener(bv), etc


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Warm Breeze
この記事を書いた人: Warm Breeze
70年代、80年代の洋楽やAORを中心に、心の栄養と生活の潤いを与えてくれる素敵な音楽を紹介します。どちらかというと埋もれている名作を紹介したいという気持ちが強いです。

コメント2件

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240

穏やかな夜にぴったり

今日みたいな穏やかな夜にピッタリ。
レスリーの声って、白人っぽいんで、AORにもぴったりなんですよね。1曲目も大好きですが、意外と3連系ミディアムナンバーの「Dream On」なんかが大好きです。あとシングルカットされた「Before The Night Is Over」もいいですよね~。また聴きたくなってきました。

2017年05月27日 (土) 19:55

Warm Breeze

Re: 穏やかな夜にぴったり

240さん、こんばんは。

確かに今日ぐらいの涼しさがある夜にピッタリですね~。
Leslie Smithの声は爽やか系ですよね。その爽やかさは、Marvin Gayeにも通じるものがあります。というか、Marvin Gayeをもっと爽やかにした感じ。240さんの記事も拝見しました。やはり初CD化の際に購入されたのですね。私も待ちに待ったという感じで購入しました。

2017年05月28日 (日) 00:37