洋楽中心生活
Warm Breeze

音楽は心の糧、生活のサプリメント。洋楽を中心に極上の音楽との生活を綴ります。

Steely Dan / Gaucho (1980年) - アルバム・レビュー

2019年03月03日
AOR名盤(1980年) 0
おすすめのアルバムをショート・レビューで紹介する「アルバム・レビュー」。今日は、Steely Danの1980年のアルバム『Gaucho』の紹介です。
Steely Dan / Gaucho (1980年)
Steely Danは、Donald Fagen(vo, k)とWalter Becker(g)を中心とするグループ。1972年の結成時には6人のメンバーがいたが、75年のアルバム『Katy Lied』からはFagenとBeckerのユニットになり、セッション・プレイヤーを集めてレコーディングするスタイルに移行している。そうして生まれた77年の『Aja』は傑作アルバムで、二人が納得するまで一流のミュージシャンに何テイクも演奏させるという徹底ぶりが身を結んだ名演集。

この『Gaucho』は、『Aja』に続く通算7作目のアルバム。ニューヨークを中心に複数のスタジオでレコーディングされており、"スタジオの同じ部屋を1年以上も押さえた" というエピソードがあるくらい、『Aja』以上にお金とこだわりが投じられている。

収録曲は7曲に厳選され、その多くは5分を超える長さ。1曲目の「Babylon Sisters」のように音数の少ない曲が多いが、スカスカな印象になるどころか、実に贅沢な聴き心地。曲を最大限に輝かせるために断捨離し尽くしたような美しいサウンドだ。

前作の『Aja』には、「Peg」のJay Graydon(g)、「Aja」のSteve Gadd(ds)、「Home At Last」のBernard Purdie(ds)などの "語り継がれる名演" があるが、本作ではそうした一流の演奏も、曲に合わせて必要な部分だけを使うことがあるらしく、演奏者の個性が見えにくい。例えば、2ndシングルの「Time Out of Mind」(米22位)ではDire StraitsのMark Knopflerがリード・ギターを弾いているが、クレジットを見ないと分からない。

全曲がFagenとBeckerの作で、タイトル曲の「Gaucho」だけ、ジャズ・ピアニストのKeith Jarrettとの共作。これは、Keith Jarrettの74年のアルバム『』に収録された「Long As You Know You're Living Yours」という曲とそっくりであることをKeithが訴え、二人がそれを認めたから。本作からのファースト・シングルは2曲目の「Hey Nineteen」(米10位)で、久しぶりにチャートのトップ10に入っている。

ラストの「Third World Man」のLarry Carltonのギター・ソロについては、演奏者の個性がよく出ている。このソロは、『Aja』でお蔵入りになった別の曲のために録音されていたものだとか。そのギター・ソロを生かして、曲のほうを作り直したらしい。本作収録の他の曲とはアプローチが逆。

創作意欲が尽きるほどにこだわり抜いたのか、二人は翌年にSteely Danの活動を停止。活動を再開したのは20年後で、そのアルバム『』(2000年)は、初のグラミー "Album of the Year" を受賞した。逆に、それまでのアルバムがこの賞を受賞していないことがとても意外に思える。

●収録曲
1. Babylon Sisters - 5:51
2. Hey Nineteen - 5:04
3. Glamour Profession - 7:28
4. Gaucho - 5:32
5. Time Out Of Mind - 4:10
6. My Rival - 4:30
7. Third World Man - 5:14


◆プロデュース: Gary Katz

◆参加ミュージシャン: Donald Fagen(vo, k), Walter Becker(g, b)
with Mark Knopfler/Steve Khan/Larry Carlton/Hugh McCracken/Hiram Bullock/Rick Derringer(g), Rob Mounsey/Don Grolnick/Joe Sample(k), Chuck Rainey/Anthony Jackson(b), Bernard Purdie/Steve Gadd/Jeff Porcaro/Rick Marotta(ds), Ralph MacDonald/Victor Feldman(per), Tom Scott/David Sanborn/Michael Brecker(sax), Randy Brecker(tp, flugelhorn), Michael McDonald/Patti Austin/Valerie Simpson(bv), etc


関連記事
この記事が参考になりましたらクリックをお願いします。

気に入ったらシェア!

Warm Breeze
この記事を書いた人: Warm Breeze
70年代、80年代の洋楽やAORを中心に、心の栄養と生活の潤いを与えてくれる素敵な音楽を紹介します。どちらかというと埋もれている名作を紹介したいという気持ちが強いです。

コメント0件

コメントはまだありません