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Warm Breeze

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James Taylor / JT (1977年) - アルバム・レビュー

2019年04月22日
AOR名盤(1977年) 3
おすすめのアルバムをショート・レビューで紹介する「アルバム・レビュー」。今日は、James Taylorの1977年のアルバム『JT』の紹介です。
James Taylor / JT
James Taylorはアメリカを代表するシンガー・ソングライターの一人。1968年のデビューから現在に至るまで、"マイ・ペース" という感じで良質なアルバムを作り続けている。この『JT』は、自分のイニシャルをタイトルにした通算8作目となるスタジオ・アルバム。

James Taylorはこの年の1月に、奥様のCarly Simonとの間に第二子のBen Taylorを授かった。また、レコード会社をWarner Bros.からColumbiaに移籍し、心機一転のスタートを切ったところ。プロデューサーに関しては、デビュー後の4作品を手がけたPeter Asherを久しぶりに起用している。

収録された12曲は、Danny Kortchmar作の「Honey Don't Leave L.A.」とOtis Blackwell/Jimmy Jones作の「Handy Man」を除いて、James Taylorの作品。このうち、「Terra Nova」は奥様のCarly Simonとの共作である。

1曲目の「Your Smiling Face / きみの笑顔」は、この時のJames Taylorの気持ちを表したような爽やかで明るいナンバー。この曲の「きみ」は、生まれたばかりのBenではなく、3歳になる娘のSallyだと言われている。バック・ミュージシャンのDanny Kortchmar(g), Leland Sklar(b), Russ Kunkel(ds)は、インスト・ロック・バンドのThe Sectionsとしても活動し、James Taylorとは長いつき合い。演奏の息がぴたりと合っている。

「Honey Don't Leave L.A.」は、Danny KortchmarがDavid Foster等と組んだ伝説のグループ、Attitudesの76年のアルバム『Attitudes』からのカヴァー。明るくてノリのいいロック・ナンバーで、David Sanbornのサックスも加わって、みんなが楽しそう。

穏やかにリラックスした「Handy Man」では、Jimmy Jonesの59年のヒット曲(米2位)をカヴァー。"Comma, comma comma ..." のフレーズを優しくハモる女性は奥様ではなく、Leah Kunkel。ちなみに、カントリー調の「Bartender's Blues」ではLinda Ronstadtがハーモニーの相手。美しい奥様がいるのに、いかんなぁ…と思うけど、奥様のCarly Simonとも「Terra Nova」を仲睦まじく歌っている。

このアルバムからは「Handy Man」「Your Smiling Face」「Honey Don't Leave L.A.」がシングル・カットされ、「Handy Man」がBillboard Hot 100チャートの4位となるヒットを記録。翌年のグラミー賞では "Best Male Pop Vocal Performance" を受賞した。「Your Smiling Face」は20位をマークし、「Honey Don't Leave L.A.」も61位に到達。アルバムは "Album of the Year" にノミネートされたが、Fleetwood Macの名盤『Rumours / 噂』が受賞している。

●収録曲
1. Your Smiling Face / きみの笑顔 - 2:55
2. There We Are - 2:58
3. Honey Don't Leave L.A. - 3:03
4. Another Grey Morning / 悲しい朝 - 2:44
5. Bartender's Blues - 4:10
6. Secret O' Life / 人生の秘密 - 3:32
7. Handy Man - 3:15
8. I Was Only Telling A Lie / 嘘をついただけ - 3:24
9. Looking For Love On Broadway / 愛をさがしてブロードウェイ - 2:20
10. Terra Nova - 4:08
11. Traffic Jam - 1:56
12. If I Keep My Heart Out Of Sight / ハートを隠せば - 2:56


◆プロデュース: Peter Asher

◆参加ミュージシャン: Danny Kortchmar(g), Clarence McDonald(k), Lee Sklar(b), Russ Kunkel(ds, per), Dan Dugmore(steel g), Linda Ronstadt/Carly Simon/Leah Kunkel(bv), David Sanborn/Red Callender(horn), David Campbell(string ar)


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Warm Breeze
この記事を書いた人: Warm Breeze
70年代、80年代の洋楽やAORを中心に、心の栄養と生活の潤いを与えてくれる素敵な音楽を紹介します。どちらかというと埋もれている名作を紹介したいという気持ちが強いです。

コメント3件

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Rooster.Cogburn

すごい時代でした

James Taylor作品だったらこれが一番好きかな?

ワーナー時代の後半は少し停滞していたようなので、移籍が成功したのかも。

グラミーでのライバル、フリートウッド・マックの「噂/Rumours」は凄かったが、この作品が特にと言うより、この時代はとにかく毎年すごい作品がリリースされていた。1976~1978年の大ヒット作品と言ったら。ホテル・カリフォルニア(76)、噂(77)、サタディ・ナイト・フィーバー(78)ですよ。私の今の音楽の嗜好は、AORよりこの3作品で決められた感じ。それは途轍もない影響力です。

2020年05月09日 (土) 13:15
Warm Breeze

Warm Breeze

Re: すごい時代でした

Rooster.Cogburnさん、コメントありがとうございます。

いい時代ですね。ビルボードのアルバム・チャートの1位を見ると、77年はフリートウッド・マックの『噂/Rumours』が席捲してますね。翌78年は『Saturday Night Fever』が文字通りフィーバーしています。

https://en.wikipedia.org/wiki/List_of_Billboard_200_number-one_albums_of_1977
https://en.wikipedia.org/wiki/List_of_Billboard_200_number-one_albums_of_1978

"その年の顔" のようなアルバムがあった時代ですね。

2020年05月10日 (日) 13:02

Rooster.Cogburn

To Warm Breezeさん

Warm Breezeさん、こんばんは。

1976年の年末は、街中「ホテル・カリフォルニア」が流れていました。同時期にヒットしていた歌謡曲は「哀愁のシンフォニー/キャンディーズ」。私の中でこの2曲は、クリスマスソングです。

噂についてこれは有名な話ですが、アメリカ人の噂の綴り方が米式のRumorから英式のRumourに変わった話があります。これを聞いて、私もRumourに変えました。

サタディ・ナイト・フィーバーは、当時の中学生には刺激が強過ぎました。音楽は最高でした。オムニバスなので、ビージーズ以外にタバレス、イヴォンヌ・エリマン、トランプスなど、これをきっかけに聞き始めたアーチストもいます。

2020年05月10日 (日) 18:46