音楽は心の糧、生活のサプリメント。洋楽を中心に極上の音楽との生活を綴ります。

スポンサーリンク

Art Garfunkelの1981年のアルバム『Scissors Cut / 北風のラストレター』。
Art Garfunkel / Scissors Cut (北風のラストレター) (1981年)
Art GarfunkelはNY生まれのシンガー・ソングライター。Paul Simonと組んだ「Simon & Garfunkel」の活動が有名だが、70年代以降はソロ活動に専念し、高音域の美しいテナー・ヴォイスをじっくり聴かせる良質なアルバムを作っている。

本作はArt Garfunkelの5枚目のソロ・アルバム。恋人のLaurie Birdに捧げたアルバムであり、クレジットの最後には "and is dedicated to you, Bird" と記されている。

女優であり写真家のLaurieは、Artの78年のアルバム『Watermark』のフロント・カヴァーを撮影した。その写真には、海辺でくつろぐ幸せそうなArtが収められているが、翌年にLaurieは自ら命を絶ち、帰らぬ人になってしまう。

本作『Scissors Cut』は、Laurieの死後に制作されたアルバム。Art Garfunkelにとって、特別な思いのある作品ということになろう。日本でのファースト・シングル「Hang On In / 北風のラストレター」はアップ・テンポなナンバーだが、それ以外は穏やかで静かな曲で構成された、とても美しいアルバムだ。

「Scissors Cut / 愛の回転木馬」「In Cars / 美しき若葉の頃」「That's All I've Got To Say / 愛してる、ただそれだけ…」の3曲はJimmy Webbの作。どれもJimmy Webbらしい格調高い名品で、「Scissors Cut」と「In Cars」の2曲は、Jimmy Webbの82年のアルバム『Angel Heart』にも収録されている。

「A Heart In New York」は、アメリカでのファースト・シングル。Billboard Hot 100チャートでは66位止まりであったが、ニューヨークという都会の緊張感と希望に満ちた街の空気を伝える名曲だ。

静謐でロマンティックな「Can't Turn My Heart Away / ひとり窓辺で」と「The Romance」はEric Kazの作品。このアルバムは、アメリカ盤とUK/日本盤で曲目が異なっており、「The Romance」はUK/日本盤のみの収録。アメリカ盤では、代わりに前作『Fate for Breakfast』から「Bright Eyes」がセレクトされている。

「The Romance」でのArt Garfunkelの歌声はとても繊細だ。朝靄の中から聴こえてくるようなその歌声は神秘的ですらあり、本作の中でもひと際美しい。

ここから「In Cars」へと続く流れは秀逸。「In Cars」にはPaul Simonもヴォーカルで参加しており、曲の最後には "Remember me to one who lives there, For she once was a true love of mine (そこに住むある人によろしく言ってくれ、彼女はかつての恋人だったから)" という「Scarborough Fair」の一節が歌われ、感動を誘う。

Art Garfunkelのアルバムの中で一番心を打つ作品。Artのアルバムから1枚を人に薦めるとしたら、迷わずにこれを選ぶ。

●収録曲
1. Scissors Cut / 愛の回転木馬 - 3:52
2. A Heart In New York - 3:14
3. Up In The World / 街はたそがれ - 2:17
4. Hang On In / 北風のラストレター - 3:47
5. So Easy To Begin / 雨の舗道 - 2:54
6. Can't Turn My Heart Away / ひとり窓辺で - 3:23
7. The French Waltz - 3:12
8. The Romance - 3:10
9. In Cars / 美しき若葉の頃 - 3:49
10. That's All I've Got To Say (Theme From "The Last Unicorn") / 愛してる、ただそれだけ… - 1:54


◆プロデュース: Roy Halee, Art Garfunkel(vo)

◆参加ミュージシャン: Andrew Gold/Pete Carr/Dean Parks(g), Joe Osborn/Tony Levin(b), Rick Shlosser/Rick Marotta/Russ Kunkel(ds), Larry Knechtel/Jimmy Webb(k), Rob Mounsey/Michael Boddicker(sy), Michael Brecker(sax), David Campbell(strings), Teo Macero(conductor), Paul Simon/Lisa Garber/Leah Kunkel(bv), etc


関連記事

最後までお読みいただきありがとうございます。
ブログ・ランキングの応援をよろしくお願いします。

▶スポンサーリンク



2017/04/22 16:01 AOR名盤(1981年) TB(0) CM(2)
コメント
天使の歌声
Jimmy Webbの楽曲が光りますね。
特に「In Cars」が大好きで…。この美しいメロディ、アートが歌うことで完璧な仕上がりに。美しいですね。
2017/04/22 22:53 240 URL [ 編集 ]
Re: 天使の歌声
240さん、こんにちは。

Jimmy Webbの作る曲はどれも良いですよね。私も「In Cars」はお気に入りです。
240さんの『Jimmy Webb / Angel Heart』の記事も拝見しました。

ところで、私のブログの『お気に入りブログ』に、240さんの「音楽の杜」のリンクを置かせて頂きました。
今後とも、よろしくお願いいたします。
2017/04/23 10:58 Warm Breeze URL













 管理者にだけ表示を許可する

トラックバック
https://coolsnd.blog.fc2.com/tb.php/6-9fd0de47
カテゴリ

+ボタンをクリックするとツリーが開きます。

スポンサーリンク
プロフィール

Warm Breeze

大好きな洋楽を生活のサプリメントにしています。
70's、80'sの洋楽を中心に、豊かで極上の音楽を紹介します。


※写真はBobby Caldwellの1978年のアルバム『Bobby Caldwell

最新記事一覧
AOR名盤(1982年) - Michael McDonald / If That's What It Takes (思慕(ワン・ウェイ・ハート)) 2017/10/20
AOR名盤(1984年) - Michael Ruff / Once In A Lifetime (シティ・ウォーキン) 2017/10/18
AOR名盤(1983年) - Brenda Russell / Two Eyes (出逢いのときめき) 2017/10/16
AOR名盤(1977年) - Michael Franks / Sleeping Gypsy 2017/10/14
AOR名盤(1982年) - David Roberts / All Dressed Up 2017/10/12
リンク
AORの名盤 330選AORの名盤 330選
AORの名盤 約330タイトルを厳選して年代順に紹介します。
Rock(ロック)の名盤 435選Rock(ロック)の名盤 435選
ロックの名盤 435タイトルを厳選して年代順に紹介します。
ロック、ジャズのお薦めCD BOXセットロック、ジャズのCD BOXセット
ロックやジャズのお薦めのCD BOXセットをジャンル別に紹介します。
ベストヒットUSA 80's オープニング・ジャケット・コレクションベストヒットUSA 80's オープニング・ジャケット・コレクション
番組の冒頭映像で流れるアルバム・ジャケットを紹介します。
Progressive Rock名盤Progressive Rock名盤
プログレッシヴ・ロックの名盤を紹介します。
Hard Rock名盤Hard Rock名盤
ハード・ロックの名盤を紹介します。
Warm Breeze (Twitter)Warm Breeze (Twitter)
管理人が気ままにツイートしています。
アクセスランキング
お気に入りブログ
ローリングウエストさん
『逍遥日記』
rolingwest.exblog.jp
240さん
『音楽の杜』
y240.exblog.jp
アクセスカウンター