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Warm Breeze

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Bill Champlin / Single (独身貴族) (1978年) - アルバム・レビュー

2020年03月29日
AOR名盤(1978年) 6
おすすめのアルバムをショート・レビューで紹介する「アルバム・レビュー」。今日は、Bill Champlinの1978年のアルバム『Single / 独身貴族』の紹介です。
Bill Champlin / Single (独身貴族) (1978年)
Bill Champlinはカリフォルニア出身のミュージシャン。60年代の後半から音楽活動をしていて、ロック・バンドのSons Of Champlinのリーダーとして、またChicagoのリード・シンガーとしても活躍した。Chicagoには82年のヒット作『16 / ラヴ・ミー・トゥモロウ』から加入し、2009年に脱退するまでリード・ヴォーカルとキーボードを担当している。Chicagoのリード・ヴォーカルというとPeter Ceteraのイメージが強いが、バンドに在籍した期間はBill Champlinの方が10年も長い。

ソロ・アルバムに関しては、これまでにライヴ盤を含めて10枚ほどを制作しており、この『Single / 独身貴族』はファースト・アルバム。Sons Of Champlinを離れてからChicagoに加入するまでの間に制作されている。

プロデュースを担当したのはDavid Foster。TOTOのメンバーやJay Graydon, Michael McDonald, Ray Parker Jr., Daryl Hallなど、この後のAdult Contemporaryシーンを牽引する主だったミュージシャンが集い、活気に満ちたフレッシュなサウンドを作っている。ポジティヴなムードに溢れていて、聴くと元気をもらえるアルバム。

ここからおすすめの4曲を紹介。

まずは1曲目の「What Good Is Love」。Harry GarfieldとJay Graydonの共作したナンバーで、曲も演奏も実にフレッシュ。私はAORを聴くようになった初めの頃にこのアルバムに出会っていて、この1曲目の溌剌としたメロディとガッツのある演奏をとても気に入ったことを覚えている。

Harry Garfield - Jay Graydonのコンビは、80年のAirplayのアルバム『ロマンティック』にも「She Waits For Me」というフレッシュな曲を提供している。他にも、Jaye P. Morganの77年のアルバム『Jaye P. Morgan』の1曲目「I Fall in Love Everyday」や、Cory Wellsの78年のアルバム『Touch Me』の「You're My Day」などもこの二人の書いた曲。どちらも元気のある爽快な曲だ。

残りの曲はみなBill Champlinの作ったナンバーで、David Fosterやその奥様のB. J. Cook Fosterが共作の相手になっている。

「I Don't Want You Anymore」はBill ChamplinとDavid Fosterによる共作。ファンキーなリズムとフュージョン・タッチの洗練された演奏の両方を味わえる好ナンバーだ。勢いがあるだけでなく、曲の細部まで緻密に構成されているところが魅力。厚みのあるバック・コーラスは、Bill Champlin, Bobby Kimball, Daryl Hall, Michael McDonald等。とても豪華な顔ぶれだ。

「We Both Tried」もChamplin - Fosterによる共作。メロディにしっとりとした哀感のあるバラードで、Bill Champlinの熱を帯びた歌唱がロマンティック。優しく柔らかいバック・コーラスと美しいストリングスも絶品だ。Robbie Dupreeは80年のデビュー・アルバム『ふたりだけの夜』において、この曲を爽やかにカヴァーしている。

「Love Is Forever」も明るいナンバーで、Bill Champlinの表情豊かなヴォーカルと力強い女性コーラスの掛け合いが気持ちいい。マイナーなところでは、CCMのシンガー・ソングライターのMichael Gonzalesが80年のアルバム『Fire In My Soul』でこの曲をカヴァーしている。

81年に発表されたセカンド・アルバム『Runaway』もDavid Fosterによるプロデュース。Bill ChamplinがChicagoに加入した年のアルバムで、こちらもおすすめ。

この前後にBill Champlinはソングライターとして、グラミー賞の "Best Rhythm and Blues Song" を2度受賞している。1度目は79年にEW&Fに提供した「After The Love Has Gone」で、Foster - Graydon - Champlinの共作。全米2位のヒットを記録した名バラードだ。

2度目は83年にGeorge Bensonに提供した「Turn Your Love Around」で、こちらはChamplin - Graydon - Steve Lukatherという珍しい共作。BensonのヴォーカルをフィーチャしたR&Bナンバーで、全米5位のヒットになった。Benson, Graydon, Lukatherという3人の著名なギタリストが共演した "歌モノ" という、いかにも80年代らしい贅沢なコラボになっている。

●収録曲
1. What Good Is Love - 3:40
2. I Don't Want You Anymore - 3:56
3. We Both Tried - 4:56
4. Yo' Mama - 4:09
5. Fly With Me - 3:59
6. Love Is Forever - 3:59
7. Careless - 3:53
8. Elayne - 3:30
9. Keys To The Kingdom - 5:08


◆プロデュース: David Foster(k)

◆参加ミュージシャン: Bill Champlin(vo, g, k), Jay Graydon(g, sy), Steve Lukather/Ray Parker, Jr.(g), David Paich(k), Steve Porcaro(sy), David Hungate/David Shields(b), Jeff Porcaro/Larry Tolbert/Duris Maxwell(ds), Jerry Hey(horn), Marty Paich(strings), Daryl Hall/Bobby Kimball/Michael McDonald(bv), etc


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Warm Breeze
この記事を書いた人: Warm Breeze
70年代、80年代の洋楽やAORを中心に、心の栄養と生活の潤いを与えてくれる素敵な音楽を紹介します。どちらかというと埋もれている名作を紹介したいという気持ちが強いです。

コメント6件

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240

ダリル・ホール

こんばんは。
私も大好きな1枚です。何と言っても1曲目ですよね。一発で分かるジェイ・グレイドンのギター。撥ねるリズムはジェフ・ポーカロ。大好きです。
このアルバム、実はダリル・ホールがコーラスにクレジットされているのですが、彼の声がなかなか聴きとれず。どの曲に参加されているのやら。翌年、ホール&オーツはフォスターのプロデュースで大ヒットを飛ばすことになります。この時代、TOTOを中心とした繋がりを感じさせますね。

2017年05月20日 (土) 20:25

Warm Breeze

Re: ダリル・ホール

240さん、こんばんは。

240さんもこのアルバムの記事を書いていたのですね。本作の1曲目のクレジットが『Jaye P.Morgan』の1曲目「I Fall In Love Everybody」と同じであること、240さんの記事で初めて知りました。なるほど、曲のフィーリングが同じですね。勉強になりました。

2017年05月20日 (土) 20:51

Rooster.Cogburn

偶然見つけた

今から32年前、地元の輸入盤店で欧州盤CDを見つけて即買いしました。アナログ盤は殆ど出回ってなかったみたい(サンズはもっと無かった)で、探せどもなかなか見つからなくて、見つけた時は本当に嬉しかった。その後、国内盤CDも発売されましたが、音はこちらが格段に良かった。

2020年04月10日 (金) 23:53
Warm Breeze

Warm Breeze

Re: 偶然見つけた

Rooster.Cogburnさん、コメントありがとうございます。

私が購入したのも欧州盤のCDです! 緑の文字で "Made in Sweden" と刻印されていて、配色がとても爽やかなんです。

今から20年ほど前。仕事先からの帰りに立ち寄った中古CD店で見つけました。当時はCDショップに立ち寄るのが最高の楽しみで、よく寄り道してました(笑)。今はもっぱらネットでの購入ですが…。

2020年04月11日 (土) 10:44

Rooster.Cogburn

To Warm Breezeさん

私が購入したのも欧州盤のCDです! 緑の文字で "Made in Sweden" と刻印されていて、配色がとても爽やかなんです。

現物が今手元にないため記憶が曖昧ですが、確か私のもそれです。"Made in Sweden"の刻印がありました。ついでに"Airplay Records"の記載もありませんか?
当時、この記載を見て何でスウェーデンと思いましたが、その後、欧州特に北欧でAORが人気と聞いて、「さもありなん」と思ったものです。

Warm Breezeさん
ご挨拶が遅れましたが、楽しくブログを拝見させていただいています。
あまりに楽しくて、つい勢いで連続4件コメントしてしまいました。

2020年04月11日 (土) 13:30
Warm Breeze

Warm Breeze

Re: To Warm Breezeさん

Rooster.Cogburnさん、こんにちは

こちらこそ、よろしくお願いします。気が向いた時に気軽にお越し下さい。

ところで、"Airplay Records" の記載、ありますよ! 緑の文字で大きく "AIRPLAY" って。北欧では確かにAORやメロディアス・ハードの人気がありますね。"Made in Sweden" のCDに日本の小さな中古店で出会うと、何だか訳もなくいい気分になりましたよ…(笑)。

2020年04月11日 (土) 15:14